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[T7-P-22]Petrological Characteristics and Significance of a Newly Discovered Gabbro Dyke in the Yuya Area, Nagato, Yamaguchi Prefecture, Japan

*Toshiaki Shimura1, Chihiro Amaki1,2, Reina Kaihara1,3, Natsumi Sadamatsu1,4, Mari Takimoto1,5, Aoi Yoshioka1,6, Ryosuke Saito1 (1. Yamaguchi University, 2. Chubu Electric Power Co., Inc., 3. Chi-ken Sogo Consultants Co., Ltd, 4. Eight-Japan Engineering Consultants Inc., 5. West Japan Engineering Consultants, Inc., 6. Cosmo Construction Consultants Co., Ltd.)
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Keywords:

Gabbro,San-in area,Yuya-wan Group,Miocene

 山陰海岸地域(丹後半島~山口県北東端)には,新第三紀火成岩類が点在している.例えば山口県北東端の高山地域では,15~14 Ma頃に活動した山島火山岩や高山斑れい岩が分布している(Yamazaki, 1967; Imaoka & Itaya, 2004など).島根半島では,玄武岩~デイサイト質貫入岩について14 Ma頃(Stage I),13 Ma頃(Stage II),その後(Stage III),に活動ステージ区分されている(Miyake, 1994; Al-Bisaidi, 2024など).
山口県のほぼ西端,長門市油谷地域の日本海海岸において,新たな斑れい岩体を発見した(志村ほか, 2025).この岩体は山口大学理学部地球圏システム科学科の,2016・2022年度の進級論文の野外調査において初めて発見され,記載されたものである.
本報告地域には,中新統油谷湾層群の堆積層が広く分布している.本地域の油谷湾層群は伊上層とよばれ,中新統アキタニアン階(23.04~20.45 Ma)とされている(尾崎ほか, 2006).油谷湾層群には,約10~8 Ma頃の大津玄武岩が貫入あるいは上位を覆っている(西村ほか, 2012).本報告の斑れい岩露頭の大きさは東西約12 m×南北約6 mである.通常は海面下にあり,大潮の干潮時にしか観察できないほか,海浜堆積物で完全に埋まっていることもある.斑れい岩の貫入境界は走向N14°Wで傾斜はほぼ垂直,幅約12 mの板状岩脈をなし,伊上層の砂岩に貫入している.斑れい岩脈両側の砂岩は接触変成作用を受け硬質化し,特に西側の砂岩は差別侵食により幅約1.5 m・南北約50 mの狭長な岬地形を形成している.周辺の地形なども考慮すると,この岩脈の総延長は150 m以上あると思われる.なお,接触変成作用を受けた砂岩中の炭質物のビトリナイト反射率は坂口ほか (2024) により報告され,被熱プロセスが検討されている.
斑れい岩は細粒~中粒塊状で貫入境界に平行な弱い流理をもつ.主成分鉱物は,かんらん石(完全にイディングス石化)・普通輝石(XMg = 0.63~0.72)・直方輝石(XMg = 0.66~0.69)・斜長石(An = 57~67%)で,モード組成の分類ではガブロノーライトである.副成分鉱物として磁鉄鉱・イルメナイトを含み,粗粒な結晶には離溶ラメラがみられる.全岩化学組成はSiO2 = 51~53%でソレアイト系列に属し,TAS図ではGabbroの領域に,SiO2—K2O図ではlow-Kとmedium-Kの境界付近にプロットされる.ノルム組成の分類では石英ソレアイトに分類される.苦鉄質岩の各種判別図では,N-MORB+VABの領域やIATの領域にプロットされる.複輝石地質温度計によると,マグマの温度は1050~1100℃程度と思われる.
山陰地域の中新世火成岩類は,先述の文献などのデータをまとめると,苦鉄質岩は,15~14 Ma頃(高山地域や島根半島のStage I)から,13 Ma頃(島根半島のStage II)にかけて,時代と共にLow-Kからmedium-Kへと変化してゆく.さらに10~8 Ma頃の大津玄武岩はhigh-Kに分類されるなど,時代と共にアルカリ含有量が増加する傾向がある.この斑れい岩の絶対年代は今の所不明であるが,層序と化学組成からみて,15~14 Ma頃の山陰地域の火成活動に対比されると考えられる.
Kimura (2005) は,西南日本の新第三紀火成活動の変遷を検討し,北から南へOki zone,San-in zone,Sanyo zone,Setouchi zoneなどの帯状配列を提案した.西南日本の中新世火成活動には,日本海の拡大・四国海盆の拡大・フィリピン海プレートの沈み込みなどが関係している.本報告の斑れい岩は,日本海拡大時期のアセノスフェアマントルで発生し,沈み込み始めたフィリピン海プレートのスラブの先端が,まだ山陰地域の下には到達しておらず,フィリピン海プレートの沈み込みによる島弧火成活動が開始する前段階に形成された,San-in zone最西端の岩体であると考えられる.
文献
Al-Busaidi (2024) JMPS, 119:005.
Imaoka & Itaya (2004) Geol. Mag., 141, 1–13.
Kimura et al. (2005) Geol. Soc. Amer. Bull., 117, 969–986.
Miyake (1994) Geochemical J., 28, 451–472.
西村ほか (2012) 山口県地質図第3版説明書.
尾崎ほか (2006) 仙崎地域の地質, 産総研.
坂口ほか (2024) 地質学会演旨, T6-P-11.
志村ほか (2025) 鉱物科学会演旨, R6-07.
Yamazaki (1967) Sci. Rep. Tohoku Univ. Ser. 3, 10, 99–150.

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