Presentation Information
[T14-P-4]Formation of unique shaped silica concretions - "Koburiishi" from Noto Peninsula and "Shin-Tsugarukozo" from Tsugaru Peninsula, Japan -
*Hisatada AKAHANE1, Yasuo ISHIZAKI2, Yoshiko MASUBUCHI3, Tasuku YOSHIOKA3, Kaisho SETOGUCHI2, Hiroshi MIYAJIMA4, Hidemi KAGASAWA5 (1. Volunteer of Toyama Science Museum , 2. University of Toyama, 3. Toyama Science Museum, 4. Former Curator of Fossa Magna Museum, 5. Hirosaki Nishikiishi kai)
Keywords:
silica concretion,Koburiishi,Shin-Tsugarukozo
コンクリーション(Concretion)は堆積物中に形成された石灰質または珪質の団塊が多く,まれに鉄質その他の団塊が形成されることもある.それらは一般に球形に近い形態で基質部分の堆積に引き続く初期続成作用の過程で形成されたと考えられている.能登の「子ぶり石」は特異な形態をしたシリカコンクリーションで,それらの形成機構に興味がもたれてきた.近年,著者の一人加賀沢は津軽半島山中より「子ぶり石」とよく似たシリカコンクリーション「新津軽小僧」を見出した.我々はこれらの成因を調査研究した.
珠洲市三崎産「こぶり石」:海岸段丘中位段丘の段丘堆積物中に産する.この堆積物は中新世の珪藻土から供給された砕屑物が海底に堆積し,その後隆起して中位段丘面を形成した珪質のシルト質堆積物である.
珠洲市上戸産「こぶり石」:第三紀中新世法住寺層の珪質シルト岩中に産する.
津軽産「新津軽小僧」:青森県津軽半島第三紀中新世不動滝層の細粒珪質凝灰岩中に産する.
これらのコンクリーションは外側に膨らんだコブ状の突起が特徴的にみられ,それらの形態からより小さなコンクリーションが集積し合体して形成されたのではないかと思わせる.
コンクリーションと基質についてX線粉末回折図を比較した.三崎産および上戸産コンクリーションの基質ではアモルファスなopal-A(珪藻)以外の石英などの砕屑性の鉱物が含まれているが,コンクリーションではほとんどがアモルファスなopal-Aを示し,わずかに石英などのピークが認められている.津軽産のコンクリーションの基質ではピークが不鮮明でややブロードながらも大部分がアモルファスなopal-Aであることを示し,コンクリーションでは,アモルファスなopal-Aのピークもより鮮明になっている.
これらコンクリーションと周囲の基質について化学組成をK2O-SiO2-Na2O 三角ダイアグラム上にプロットした.三崎・上戸・津軽共に,基質の組成の位置からSiO2のコーナーに向かった先に,対応するコンクリーションの組成が位置する.これは各コンクリーションが基質の組成にシリカ(SiO2)を加えた組成であることを示している.
コンクリーションの切断研磨面には,2~3のコンクリーションが付着合体して1つのコンクリーションになったことを示す境界線が確認され,それらはコンクリーションの表面に現れたコブの境界線に連続している.これらの合体では,より柔らかなコンクリーションがより固いコンクリーションを外側から包み込むように変形合体して一つのコンクリーションが形成されたと思われる.
上記の議論をまとめると,各コンクリーションは珪質な基質の粒子よりシリカを溶出した溶液が粒子間を滴下しながら溶解と脱水により濃度を増し,ゾル⇒ゲル化しながら合体しopal-Aとして基質の粒子間を固結することによって形成されたと思われる.これらのコンクリーションは,天水による溶解・脱水・滴下・合体・固結を繰り返すことにより形成されたと思われ,コンクリーションの形成は海底に堆積した地層や堆積物が隆起し陸上に露出して以降のプロセスと思われる.
乙ほか(2020)も上戸産シリカコンクリーションについて,地球化学的研究により基質の隆起後間隙水が淡水環境に変化することに伴って成されたと考えた.
【結論】 本論で扱ったシリカコンクリーションは,堆積作用に引き続く初期続成作用の段階で形成されたものではなく,以下のようなプロセスを経て淡水の環境下で形成されたものと結論した.
1. 海底で形成された珪質の堆積物や堆積岩が隆起・陸化し地表に現れた.
2. 降雨により天水が珪質堆積物中に浸潤し塩分を洗い流し,浸潤した天水(淡水)に珪質堆積物粒子よりシリカが溶出しシリカ溶液が形成された.
3. シリカ溶液は溶解と脱水により濃度を増しながら堆積物粒子の間隙を滴下した.
4. シリカ溶液はさらに濃度を増し,ゾル化⇒ゲル化しながらお互いに付着合体した.
5. 合体したシリカ溶液はアモルファスなopal-Aとして固結し,これらの繰り返しによってシリカコンクリーションが形成された.
この形成機構は,他のシリカコンクリーションの形成の少なくとも一部を説明できるものであると考える.
【文献】
乙星華ほか(2020):能登半島中新世珪藻質コンクリーションの形成.2020年地球化学会67回年会講演要旨集, 67. G8.
珠洲市三崎産「こぶり石」:海岸段丘中位段丘の段丘堆積物中に産する.この堆積物は中新世の珪藻土から供給された砕屑物が海底に堆積し,その後隆起して中位段丘面を形成した珪質のシルト質堆積物である.
珠洲市上戸産「こぶり石」:第三紀中新世法住寺層の珪質シルト岩中に産する.
津軽産「新津軽小僧」:青森県津軽半島第三紀中新世不動滝層の細粒珪質凝灰岩中に産する.
これらのコンクリーションは外側に膨らんだコブ状の突起が特徴的にみられ,それらの形態からより小さなコンクリーションが集積し合体して形成されたのではないかと思わせる.
コンクリーションと基質についてX線粉末回折図を比較した.三崎産および上戸産コンクリーションの基質ではアモルファスなopal-A(珪藻)以外の石英などの砕屑性の鉱物が含まれているが,コンクリーションではほとんどがアモルファスなopal-Aを示し,わずかに石英などのピークが認められている.津軽産のコンクリーションの基質ではピークが不鮮明でややブロードながらも大部分がアモルファスなopal-Aであることを示し,コンクリーションでは,アモルファスなopal-Aのピークもより鮮明になっている.
これらコンクリーションと周囲の基質について化学組成をK2O-SiO2-Na2O 三角ダイアグラム上にプロットした.三崎・上戸・津軽共に,基質の組成の位置からSiO2のコーナーに向かった先に,対応するコンクリーションの組成が位置する.これは各コンクリーションが基質の組成にシリカ(SiO2)を加えた組成であることを示している.
コンクリーションの切断研磨面には,2~3のコンクリーションが付着合体して1つのコンクリーションになったことを示す境界線が確認され,それらはコンクリーションの表面に現れたコブの境界線に連続している.これらの合体では,より柔らかなコンクリーションがより固いコンクリーションを外側から包み込むように変形合体して一つのコンクリーションが形成されたと思われる.
上記の議論をまとめると,各コンクリーションは珪質な基質の粒子よりシリカを溶出した溶液が粒子間を滴下しながら溶解と脱水により濃度を増し,ゾル⇒ゲル化しながら合体しopal-Aとして基質の粒子間を固結することによって形成されたと思われる.これらのコンクリーションは,天水による溶解・脱水・滴下・合体・固結を繰り返すことにより形成されたと思われ,コンクリーションの形成は海底に堆積した地層や堆積物が隆起し陸上に露出して以降のプロセスと思われる.
乙ほか(2020)も上戸産シリカコンクリーションについて,地球化学的研究により基質の隆起後間隙水が淡水環境に変化することに伴って成されたと考えた.
【結論】 本論で扱ったシリカコンクリーションは,堆積作用に引き続く初期続成作用の段階で形成されたものではなく,以下のようなプロセスを経て淡水の環境下で形成されたものと結論した.
1. 海底で形成された珪質の堆積物や堆積岩が隆起・陸化し地表に現れた.
2. 降雨により天水が珪質堆積物中に浸潤し塩分を洗い流し,浸潤した天水(淡水)に珪質堆積物粒子よりシリカが溶出しシリカ溶液が形成された.
3. シリカ溶液は溶解と脱水により濃度を増しながら堆積物粒子の間隙を滴下した.
4. シリカ溶液はさらに濃度を増し,ゾル化⇒ゲル化しながらお互いに付着合体した.
5. 合体したシリカ溶液はアモルファスなopal-Aとして固結し,これらの繰り返しによってシリカコンクリーションが形成された.
この形成機構は,他のシリカコンクリーションの形成の少なくとも一部を説明できるものであると考える.
【文献】
乙星華ほか(2020):能登半島中新世珪藻質コンクリーションの形成.2020年地球化学会67回年会講演要旨集, 67. G8.
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