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[T3-O-7]Changes in silica precipitation patterns associated with fluid phase changes and flow in the high-temperature crust

*Kazuma Degawa1, Otgonbayar Dandar1, Hataka Nishimura1, Norihiro Watanabe2, Atsushi Okamoto1 (1. Tohoku University Graduate School of Environmental Studies, 2. National Institute of Advanced Industrial Science and Technology)
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 火山地域の高温地殻における熱水系では水の状態が、気相、液相、そして超臨界流体へと大きく変化する。また、マグマ水などの塩水では、気液二相領域や気相+固体塩(Halite)の共存領域が広く現れ、複雑な相挙動を示す[1]。このような熱水と岩石との相互作用は地殻内地震活動や鉱床形成に大きな影響を与えるとともに、地熱資源開発にとって極めて重要である。特に、水の状態変化は地殻内での石英脈の形成や地熱配管でのシリカスケール生成を引き起こす。しかし、流体の動的な相状態の変化がシリカの析出・堆積様式に与える影響を実験的に解明した研究はほとんど存在しない。本研究は、流通式水熱
実験装置を用いて、流体の相状態(超臨界、液相、気相、気液二相)および塩分濃度がシリカの析出挙動に与える影響を明らかにするために流通式水熱実験を行った。特に本発表では、純水系における流体相の違いが析出物の微視的組織に与える影響について、結晶形態や空隙構造の定量化を含めた詳細な解析結果を報告する。
 出発溶液には、花崗岩を350 ℃・35 MPaの条件下で溶解させたシリカ過飽和溶液を用いた。アルミナチューブ内部に天然の花崗岩ブロックを配置し、溶液を一定流量(0.2 mL / min)で連続供給した。システム全体の圧力を10 MPa、20 MPa、25 MPaの3条件に制御し、温度勾配を与えることで、液相から超臨界状態、あるいは液相から気相・二相状態への相変化を意図的に誘発させた。実験時間は96時間とした。実験終了後、回収した反応管に対してX線CTによる三次元構造観察を行い、さらに電子プローブ顕微鏡(EPMA)を用いた二次元組織解析を実施し、析出シリカの分布と微細形態を評価した。また、実験系内の物理現象を補完するため、熱流体流動シミュレーションにより管内の相分布や流速分布を算出し、実際の析出位置や構造との対応関係を考察した。
 純水系での実験では、いずれの圧力条件においても、流体の上流側から下流側にかけて、基本的にはアモルファスシリカの析出、石英の核形成+成長、そして石英の結晶成長という一連の反応順序が確認された。これは、既存の超臨界条件で行われた既存の実験とも調和的である[2]。しかし、析出物の微視的組織およびその空間分布は、流体の相状態および流体力学的特性に極めて強く依存することが判明した。超臨界条件の25 MPaでは、アモルファスシリカ析出領域において内部空隙の少ない緻密なバルーン状組織が形成され、それよりも下流側では微細な石英粒子の集積または自形結晶の成長組織が観察された。明確な気液二相変化を伴う20 MPaでは、流体の相変化が始まる位置からアモルファスシリカの析出が起こっていた。ここでは、気泡界面における局所的な蒸発によるシリカの析出や表面張力の影響を受けたと考えられる、特徴的な内部空隙を有するバブル状組織が発達していた。その下流側では、25 MPaと同様に石英結晶の成長が確認された。この領域のReは35〜80程度と推定された。これらに対し、低圧の10 MPaでは他の2条件とは劇的に異なる挙動が示された。10 MPaではアモルファスシリカ析出領域と石英結晶析出領域の明確な分離が確認できず、広い範囲にわたってアモルファスシリカと石英の微粒子が混じり合って堆積していた。同じ20MPaと10MPaで大きく析出様式が異なった理由として、流体の動的挙動の変化が考えられる。10MPaでは気相と液相の密度差が非常に大きく、また、レイノルズ数(Re)は前者が30〜50程度であるのに対して、Reは100程度に達する。このため、流体は気相を含む乱流が発生し、アモルファスシリカや石英の微粒子の堆積構造として残されたのではないかと考えられる。
 一方、3 wt % NaClを含む塩水系の実験では、純水系とは劇的に異なり、気液二相領域において、シリカ成分は反応管壁面に付着するのではなく、流体中で微細な粒子としてバルク析出し、そのまま下流の「気相+固体塩」領域まで運ばれ、下流で析出した固体塩とともに析出したことが確認された。これは、高い塩濃度の条件ではスシリカケールの形成位置や構造を大きく変化させる性質を持つことを示している。今後、シリカ析出に及ぼす、界面やpHの影響などを検討する予定である。

引用文献
[1] Driesner T. and Heinrich C. A. (2007) Geochim. Cosmochim. Act. 71, 4880-4901
[2] Okamoto A., Saishu H., Hirano N. and Tsuchiya N. (2010) Geochim. Cosmochim. Act. 74, 3692-3706

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