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[T3-O-9]Effect of pore pressure oscillation frequency on the permeability of granite

*Aito NAKAMACHI1, Manami KITAMURA2, Miki TAKAHASHI2, Mayuko SEKIKAWA1, Michiyo SAWAI1 (1. Chiba university, 2. Geological Survey of Japan, AIST)
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Keywords:

granite,permeability


 地熱エネルギーを利用した安定的な発電には、適切な浸透性を持った高温の地熱貯留層が不可欠であるが、地熱貯留層の長期運用に伴い亀裂が物理的・化学的作用による流路閉鎖により発電能力が低下することなどの課題を抱えている。地熱貯留層内の流体移動は、貯留層中の浸透率の分布に従うことから、高温岩体の浸透率の分布の把握は重要である。Elkhoury et al. (2011) は、亀裂砂岩に周期的な間隙水圧の振動刺激を与え、刺激の前後で浸透率測定をおこなった結果、振動刺激後は浸透率の改善が認められ、振動刺激の振幅が増加するほど浸透率の改善率は大きくなることを報告した。しかしながら、水圧の振幅の増加は有効封圧の周期的な低下をもたらすため、地震の誘発を招く可能性がある。そこで本研究では、振幅一定の条件で、浸透率改善に寄与する振動刺激の周波数の効果について検討を試みる。間隙水圧の連続的な振動刺激を、亀裂を有する岩石試料に与え、振動周波数の違いによって岩石の浸透率変化がどのように変化するのかを調べた。なお、間隙水圧の振動は、単に試料に振動刺激与えるだけでなく、浸透率の測定手法としても利用する。  実験試料には、直径約20 mm、長さ約20 mmの稲田花崗岩(茨城県笠間市産)を使用した。試料は、550℃に熱した後に冷却し、この過程で生じる亀裂を内包している。熱処理後の試料の孔隙率は1.97-2.38%であった。実験には、産業技術総合研究所所有のガス圧式高温高圧三軸試験機を用い、封圧78 MPa一定、室温条件下で実施した。間隙水圧は29 MPaに設定し、試料の上流側と下流側と繋ぐバルブを閉じた後、試料上流側のみに振幅0.1 MPa一定、周波数(f)0.001 Hz、0.002 Hz、0.005 Hz、0.01 Hzの振動を与えた。また、対比実験として振動を与えない実験も実施した。 実験による水圧変化についてまず述べる。所定の圧力条件に達成しバルブを閉じた後、試料下流側の間隙水圧が徐々に上昇した。この上昇は、圧密に伴い、試料内部から下流側へ流体が排出されたことに起因すると考えられる。間隙水圧を振動させ続けると、f=0.001 Hzを除くすべての周波数条件下において、バルブの閉鎖から約4.2-4.4時間後に、下流側の間隙水圧が低下し、これに伴い振幅の増加が確認された。一方、f = 0.001 Hzの振動では、明確な間隙水圧の低下は認められなかったものの、バルブ閉鎖から約3.1時間後に下流側の間隙水圧に明らかな振幅の増加が認められた。これらの実験結果は、浸透率が周期的な間隙水圧の刺激によって改善されたことを示している。実際に、各実験での浸透率は、f = 0.01 Hzでは1.42×10-18 m2から4.40×10-18 m2へ、f = 0.005 Hzでは1.97×10-18 m2から6.28×10-18 m2へ、f = 0.002 Hzでは1.34×10-18 m2から8.03×10-18 m2へと増加し、さらにf = 0.001 Hzになると2.52×10-18 m2から2.05×10-17 m2へと約1桁の改善が認められ、周波数が低くなるほど大きく改善されることが明らかとなった。一方で、振動刺激を与えず、間隙水圧を約5時間一定に維持した実験では、浸透率の改善が認められなかった。現在、振動刺激が岩石の内部構造に与える影響を検証するため、マイクロフォーカスX線CT撮影(高知大学海洋コア国際研究所所有のXradia 410 Versaを使用)を用いた実験後試料の亀裂構造観察を進めている。本実験から得られた振幅および位相差を用いて、実験試料の長さ(L)と試料内部で圧力が1/eに減衰する深さ(Ld)を比較したパラメータ1/ψ(Ld/L)について検討した。最も浸透率が改善したf = 0.001 Hzにおいては、浸透率変化前の1/ψは2以上であった。つまり試料長の2倍以上の深さまで、振動刺激が亀裂の維持・開口に有効に働きえた可能性がある。一方、f = 0.01 Hzでは、1/ψは1以下の場合もあり、振動刺激が試料下部にまで十分に到達できていなかった可能性がある。浸透率改善後、f = 0.001 Hzのときの1/ψは浸透率改善前より低下し2前後となった。一方、f = 0.01 Hzのとき1/ψは1以上となり振動刺激が試料下部にまで影響するようになった。つまり、低周波数であるほど広範囲に間隙水圧の振動刺激の効果が及び、かつ浸透率改善への貢献度も高いと考えられる。本結果は、地熱貯留層への注水時に低周波数の振動を与えることで、貯留層内の浸透率の維持につながる可能性を示唆している。

Elkhoury, J. E., A. Niemeijer, E. E. Brodsky, and C. Marone (2011), Laboratory observations of permeability enhancement by fluid pressure oscillation of in situ fractured rock, J. Geophys. Res., 116, B02311, doi:10.1029/2010JB007759.

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