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[T4-P-4]Trace element compositions of monazite in Sil-Bt-Grt gneiss from Mefjell, Sør Rondane Mountains, East Antarctica

*Fumiko HIGASHINO1, Miku NAKANO1, Tetsuo KAWAKAMI1, Tatsuro ADACHI2, Masaoki UNO3 (1. Kyoto University, 2. Kyushu Univ., 3. Univ. Tokyo)
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Keywords:

continental collision zone,U-Th-Pb EMP age,fluid infiltration

 高度変成岩類における変成作用の年代決定には、ジルコンやモナズ石が用いられることが一般的である。その中でも特に同位体系の閉鎖温度の観点から、局所U–Pb年代測定は有力な手法であり、近年はザクロ石やルチルなどの変成鉱物にも応用されるようになってきた(Bartoli et al., 2024, 河上ほか2026)。一方、モナズ石の電子線マイクロプローブU–Th–Pb年代測定は、同位体測定ではないものの、微小領域の分析が可能であり、同一分析点から微量元素組成を得ることができるという利点を有する。そのため、岩石―流体相互作用により年代の若返りを受けやすいモナズ石の化学的特徴を、高空間解像度で得ることができる。東南極セール・ロンダーネ山地は、東アフリカ造山帯とクンガ造山帯が見かけ上交差する場所に位置し、ゴンドワナ大陸形成時の下部地殻相当が露出する(Jacobs et al., 2003, Meert, 2003)。そのため、ゴンドワナ大陸の形成メカニズムを理解する上で重要な地域である。同山地中央部メーフィエルは、ヘアピン型の温度圧力履歴が報告されており(Tsubokawa et al., 2017)、モナズ石の電子線マイクロプローブU–Th–Pb年代による変成年代の制約は700-540 Maの範囲内とする先行研究のほか (Tsubokawa et al., 2017)、モナズ石のY2O3濃度を用いてザクロ石形成時期は約650 Ma (Y2O3 < 1.5 wt%)、後退変成期は約550 Ma (Y2O3 > 1.5 wt%)と解釈されている (Nakano et al., 2024)。しかし、Y2O3 < 1.5 wt% であるにも関わらず約550 Maを示すモナズ石も産する。そこで本研究ではNakano et al. (2024)の試料に対して、モナズ石の微量元素によるX線元素マップを用いて、電子線マイクロプローブU–Th–Pb年代値と変成イベントの関連付けを試みた。
本研究で用いた試料はメーフィエルに産する珪線石―黒雲母―ザクロ石片麻岩である。本試料中のザクロ石斑状変晶は、ザクロ石中の拡散が遅いリン(P)で明瞭な組成累帯構造が確認でき、内側から順に、P濃度が低いインナーコア、P濃度が高いアウターコア、P濃度が低いマントル、P濃度が僅かに高いリムに分けられる。インナーコアとアウターコアの境界は漸移的であるが、その他の境界は不連続である。モナズ石は、ザクロ石のいずれの領域にも包有されるほか、マトリクスに産する。マトリクスに産するモナズ石はBSE像で明るいコアと暗いリムのシャープなゾーニングを有し、リムでYおよびDyの濃集が認められる (Y2O3 > 1.5 wt%, Dy2O3 > 0.6 wt%)。コアは約650 Maと550 Maの年代ピークを示す一方、リムは約550 Maが卓越する傾向がある。ザクロ石共存下ではYはザクロ石に分配されるため、モナズ石のY濃度は低くなるとされる (Foster et al., 2000)。すなわち、モナズ石リムはザクロ石と非平衡であった可能性が高い。加えて、モナズ石リムのDyの濃集は、ザクロ石の分解による重希土類元素の供給を示唆することから、約550 Maは後退変成期のザクロ石分解のタイミングと考えられる。一方、ザクロ石に包有されるモナズ石は、マトリクスに産するモナズ石と比べると不明瞭なゾーニングを呈する傾向があり、BSE像で明るくUが濃集するパッチが稀に見られる。また、YおよびDyが濃集するBSE像で暗いリムは見られない。年代値は約650 Maが卓越するが、約550 Maを示す分析点も存在する。ザクロ石に包有されるモナズ石のうち約550 Maを示す分析点は、二次的なクラックの多いザクロ石に包有される粒子に見られる傾向があることから、ザクロ石に包有された後に流体流入の影響を受けて年代値の若返りが生じた可能性が考えられる。このことは、マトリクスに産するモナズ石におけるBSE像で明るいコア内で約550 Maを示す分析点も同様に、流体流入による年代値の若返りの結果である可能性を示唆する。本発表では、モナズ石の年代値の若返りを示唆する微量元素指標を検討したので報告する。
引用文献
Bartoli et al. (2024) Journal of Petrology, 65, egae083.
Foster et al. (2000) Earth and Planetary Science Letters, 181, 327-340.
Jacobs et al. (2003) Precambrian Research, 125, 1-20.
河上ほか (2026) 地質学会講演要旨
Meert (2003) Tectonophysics 362, 1-40
Nakano et al. (2024) JpGU meeting 2024 abstract.
Tsubokawa et al. (2017) Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 112, 77-87.

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