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[T4-P-7]COH-fluid activity and its tectonic background recorded in mylonitized pelitic granulites of the Hidaka metamorphic belt, Hokkaido

*Ippei KITANO1 (1. The Hokkaido University Museum, Hokkaido University)
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Keywords:

COH-fluid activity,near-isobaric cooling,tectonic background,mylonitized pelitic granulites,Hidaka metamorphic belt

 日高変成帯は,北海道中央南部日高山脈の基盤を成す,新第三紀に衝上した島弧地殻断片とみなされている.各種深成岩類を伴って地殻浅部の非変成堆積岩類から下部地殻のグラニュライトまでが連続的に分布する(小山内ほか,2006など).最下部は日高主衝上断層により著しくマイロナイト化し,西方のポロシリオフィオライトまたは白亜紀付加体のイドンナップ帯に衝上している(小山内ほか,2007など).日高変成帯のグラニュライトは等温減圧を伴う時計回りの温度圧力経路で特徴づけられるが(小山内ほか,2006など),北野(2024)はマイロナイト化した泥質グラニュライト転石2試料(T01C, T01D)から後退変成のゾイサイトや藍晶石を見出し,ほぼ等圧冷却する特異な上昇・冷却過程の履歴を明らかにした.この特異な上昇過程は既存のテクトニクスモデルで説明されるが,そのテクトニクス的な意義は不明瞭なままである.また,これらのマイロナイト化泥質グラニュライトには後退変成のゾイサイトまたは藍晶石を伴う反応組織には特徴的に石墨が付随しており,上昇過程においてCOH流体活動が生じた可能性が想定される.そこで,二次的石墨周囲の包有物を解析し,COH流体の活動痕跡の有無を確認し,ラマン分光による流体組成と熱力学的計算による流体活動の物理化学環境を推定し,流体活動時のテクトニクス的背景を考察した.
 ザクロ石―直方輝石―黒雲母片麻岩(T01C)およびザクロ石―菫青石―珪線石―黒雲母片麻岩(T01D)は,約6 kbar,800 ℃のピーク変成条件および約5.5 kbar,600 ℃の後退変成条件をしめし,マイロナイト化を伴う等圧冷却過程を経験している.後退変成過程では,T01Cで包有物に富むザクロ石の成長,直閃石による直方輝石の部分置換,石墨を伴うゾイサイトとNaに富む斜長石による斜長石の部分置換が生じている.一方,T01Dでは,珪線石と黒雲母による斑状変晶のザクロ石と菫青石の部分置換,および石墨を伴う十字石+藍晶石+石英による菫青石の部分置換がみとめられる.
 T01Cの直閃石を置き換える直方輝石とT01Dの珪線石を置き換える白雲母がみとめられないことから,後退変成時の流体のXH2Oは0.2–0.4と制約される.T01Cの二次的ゾイサイトおよび石墨近傍のホスト斜長石中包有物から,CH4+N2流体および方解石が検出された.Perplexを用いて5.5 kbar,600 ℃におけるCに飽和したCOH流体組成を計算したところ,低O2環境下であればCH4–H2OからなるCOH流体が存在しうることが示唆された.T01CおよびT01Dの基質部には多量の石墨または黄鉄鉱±磁硫鉄鉱が産出するため,低O2であることを支持する.つまり,マイロナイト化および等圧冷却後にCH4–H2O流体が浸透し,二次的な加水反応組織と石墨を生成した可能性が推察される.ポスター発表では,このCOH流体活動のテクトニクス的背景についても考察する.
引用文献:北野(2024)日本地質学会第131年学術大会要旨,小山内ほか(2006)地質学雑誌,小山内ほか(2007)地質学雑誌

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