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[T4-P-23]In-situ zircon U–Pb dating: A case study of Seba metagabbro body, Besshi Area (Sanbagawa Belt)★2026年度学生優秀発表賞受賞★
*Keita TAKAHASHI1, Simon WALLIS1, Takafumi HIRATA1 (1. The University of Tokyo)
Keywords:
zircon,U–Pb dating,Sanbagawa metamorphic belt,inclusion,metamorphic rock
ジルコンU-Pb年代測定は, 閉鎖温度の高さや物理的・化学的安定性などから, 変成岩を含め様々な岩石を対象に広く行われている。しかしほとんどの場合, ジルコン年代測定は岩石を粉砕してジルコンを分離・抽出した上で分析を行っているため, 岩石組織とジルコンの関係性が不明瞭なまま議論が進められている。多段階の変成・変形・変質作用を経験した岩石では, 得られた年代値と地質イベントの関係を慎重に決める必要がある。ジルコン内部の鉱物組織と周囲の岩石組織の関係は, 年代値の地質学的解釈における重要な制約条件となる。
本研究では, 変成岩薄片中のジルコンを対象にin-situな年代測定を行うことで, ジルコン内部の鉱物組織・ジルコン周囲の岩石組織・放射年代を相互に結び付けて議論し, 変成・変形・変質作用と年代の関係を明らかにすることを目指した。
試料は, 愛媛県新居浜市別子地域の三波川変成帯エクロジャイトユニットに属するザクロ石角閃岩(瀬場メタガブロ岩体)を用いた。年代測定は薄片中に存在するジルコンを対象に行った。
【岩石記載】試料は主にザクロ石+角閃石(NaCa-角閃石~Ca角閃石)+緑簾石+白雲母+曹長石+石英からなり, 微量のジルコン・チタン石・ルチル・燐灰石などを含む。オンファス輝石やその分解組織は認められない。角閃石や白雲母による明瞭な面構造が見られる(Aoya et al, 2006はSAに同定)。XY面状で角閃石は弱く線状に配列する。ジルコンは最大直径約100 μmで, 無色~乳白色不定形として点在する。多数のジルコンが角閃石の配列にほぼ平行に, 最大約1 mmのスケールで一列に並んで分布している。
【鉱物組織】CL像で見たジルコンは, 暗く一様か弱いゾーニングを有するコア部, 明るいリム部が見られる。より明るいinnerリム部とわずかに暗いouterリムが識別される粒子もある。一部試料では, outer rimと同輝度のチャネル状組織がinner rimやcoreを切って発達する。EBSD観察の結果, ジルコン内部に多数の低角度方位不連続面が見られた。これらの方位不連続面の一部は, CL像上のチャネル状構造に対応している。また, ジルコン内部には多数の微細な液体包有物が配列している。配列は準平行的で, ジルコン結晶面とは無関係の方向に発達しており, 二次的な流体活動に伴うマイクロヒールドクラックと推定される。この包有物配列はリム部の成長を貫通して存在している。
【年代】LA-ICP-MSによるスポット分析により, コア部から170~220 Ma (20粒子48スポット), outerリム部から110±9, innerかouterか不明のリム部から121±9 Maのコンコーダントな年代 (不確かさ2 SE)を得た。
【微量元素】ジルコンのREEパターンを測定した結果, コア部は正のCe異常・負のEu異常・右肩上がりのパターンを示したのに対し, リム部はCe異常やEu異常が弱く, コア部より軽希土類に富みHREEに乏しい傾向を示した。
【議論】コア部の170~220 Maの年代値は, 微量元素パターンや先行研究(Aoki et al, 2019)などから火成起源と判断される。ただし, コア部であっても二次的な流体包有物の量が極端に多い領域では計算上140 ~170 Maの年代が算出された。これは, 二次的な流体包有物が多い領域では見かけ上の「年代若返り」もしくは年代の混合が起こっており, 計算上は不確かさの範囲内でコンコーディア曲線に整合的であっても, 意味のない年代値として解釈される。角閃石の配向に対してほぼ平行に1 mmスケールで配列したジルコンは, innerリムの成長がジルコン粒子周囲全体ではなく不連続に途切れた一部に発達している。innerリムの成長後に1つのジルコン粒子が破砕して, 形成したジルコンのフラグメントがわずかに回転しながら最大伸び方向に離れて行ったことにより, 現在の配列が生まれたと考えられる。Outerリムはinnerリムを覆って成長するが, 一部はinnerリムやコアを切って内部にチャネル状組織が発達している。この内部チャネル上には石英や白雲母の包有物が配列しており, 二次的なシリカに富む流体活動によって再結晶して形成されたと考えられる。本発表では, 薄片観察と年代測定を結びつけることで, Inner・outerリムの形成条件の制約や後期流体活動との関係を詳しく議論する。
【引用文献】
Aoki, S. et al. (2019). Island Arc
Aoya, M. et al. (2006). Lithos
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