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[S1-O-9](Invited) Current Status and Future Perspectives of Research on the Paleozoic Terrestrial Flora of Japan

*Julien LEGRAND1 (1. Shizuoka University)
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 日本にはカンブリア紀と推定される火成岩・変成岩複合体が分布するものの,最古の浅海成堆積物はオルドビス紀のものである(Isozaki et al., 2010).古生代の化石記録は主に東北日本の南部北上帯,中部日本の飛騨外縁帯,西南日本の黒瀬川帯から知られている.これらの地層は海成層を主体とし,サンゴ,腕足類,二枚貝,三葉虫,貝形虫類,コノドント,フデイシ,放散虫など多様な海生生物化石を豊富に産する一方,陸上植物化石の報告は極めて限られており,日本の古生代陸上植物相の実態は十分に解明されていない.日本産古生代植物化石に関する最初期の報告としては,Yabe and Endo(1920)による島根県ペルム系日原層産 Calamites の記載が挙げられる.
大型植物化石として最も古い記録は上部デボン系から知られ,南部北上帯の鳶ヶ森層,千丈ヶ滝層,合ノ沢層,飛騨外縁帯の呂瀬層,黒瀬川帯の内大臣層からリンボク類 Leptophloeum および Cyclostigma が広く産出する.石炭系からは Calamites に加え,胞子化石群集も報告されている(Yang and Tazawa, 2000a).ペルム系では植物相の多様化が認められ,宮城県楼台層から記載された「米谷植物群」(Asama, 1956)はその代表例である.さらに,丹波帯(Takahashi and Yao, 1969)および南部北上帯(Yang and Tazawa, 2000b)からは胞子・花粉化石群集も報告されている.
古生界堆積物の研究において,古花粉学は大型植物化石が乏しい地域でも植生復元を可能にする有効な手法であり,とりわけ変形・変成作用を受けた地質体ではその重要性が高い.また,初期陸上植物の進化は胞子の大きさや外壁装飾の変化にも反映されることが知られている.近年,発表者らは南部北上帯,飛騨外縁帯,黒瀬川帯を対象に古花粉学および古植物学的研究を進め,南部北上帯下部デボン系中里層から,リニア類やゾステロフィルム類など初期陸上植物に由来すると考えられる胞子群集と植物組織を初めて報告した(Maher et al., 2024).これらの胞子群集は南中国の同時代群集との類似性が最も高く,前期デボン紀に南部北上帯が南中国地塊に近接していたとする古地理学的仮説を支持する.このように,大型植物化石と胞子・花粉化石を統合した研究により,日本古生代の陸上植生の変遷が徐々に明らかになりつつある.

文献:Asama, 1956.Proc. Jpn. Acad. 32(7): 469-471; Isozaki et al., 2010. Gondwana Res. 18: 82-105; Maher et al., 2024. Paleontol. Res. 28(4): 1-10; Takahashi and Yao, 1969. Trans. Proc. Palaeont. Soc. Japan, N.S. 73: 41-48; Yabe and Endo, 1920. J. Geol. Soc. Jap. 27(323): 65-69; Yang and Tazawa, 2000a. Paleontol. Res. 4(1): 57-67; Yang and Tazawa, 2000b. Sci. Rep., Niigata Univ., Ser. E 15: 35-47.

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