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[S1-O-11](Invited) Recent advances in Paleozoic vertebrates from Japan

*Yasuhisa NAKAJIMA1 (1. Tokyo City University)
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Keywords:

Paleozoic,Japan Arc,Vertebrata


 古生代は脊椎動物にとって、初期系統における脊椎骨の獲得(カンブリア紀)、顎の獲得(?オルドビス紀〜シルル紀)、付属肢となる対鰭の獲得(オルドビス紀〜シルル紀)、軟骨魚類系統と硬骨魚類系統の分岐(オルドビス紀〜シルル紀)、硬骨魚類系統からの条鰭類と肉鰭類の分岐(シルル紀)、肉鰭類からの四肢動物の派生と上陸(デボン紀)など、形態学的多様性の基盤を形成する上で重要な進化が段階的に起きた時代であった。石炭紀になると、上陸した四肢動物から乾燥環境に適応した羊膜類が派生し、さらに羊膜類からは爬虫類や鳥類につながる竜弓類と、哺乳類につながる単弓類が分岐した。
 日本の古生界はカンブリア系からペルム系まで幅広い年代にわたり、付加体の遠洋性堆積物だけでなく、大陸縁辺で堆積した砕屑岩や石灰岩からも構成される。したがって、日本からも脊椎動物の初期進化解明に関わる重要な化石が発見される可能性も十分にあり得る。ただし日本の古生界は非海成層に乏しく、産出する化石も主に海洋生物のものであり、陸上生物の記録があったとしても植物片や花粉等の流入物に限られている。これらの含化石古生界からは、軟骨魚類や硬骨魚類の歯化石が産出しているが、希少であり、陸生脊椎動物化石の記録はいまのところ報告されていない。 そのような中、東海地方や東北地方の古生界を中心として、にわかに脊椎動物化石の記録が増え始めている。これは第一にベテラン収集家たちによる長期間の探索の賜物であるが、同時に酸処理による剖出技術の改善や、マイクロフォーカスX線CTなどの非破壊検査技術の向上に依るところも大きい。岐阜県の美濃帯付加コンプレックスのペルム系石灰岩より三宅幸雄氏によって剖出された骨化石は、外部形態および内部構造の情報から、大型の硬骨魚類もしくは四足動物の鰓弓骨と同定された。同岩からは、硬骨魚類のものとみられる舌弓骨、下顎骨、菱鱗なども発見されている。さらに同県高山市銚子谷のペルム系層状石灰質岩からは、単離した骨格要素ではなく交連状態の硬骨魚類および軟骨魚類の部分骨格が発見されている。これまで国内で発見された古生代脊椎動物化石は単離した歯や鱗が主体であったのに対し、銚子谷の層状石灰質岩は骨化石のみならず軟骨組織までもが良好に保存されるKonservat-Lagerstätteの様相を呈しており、古生代魚類の進化と古地理分布を明らかにする上で重要な化石産地の新たな候補として期待される。 日本における最古の脊椎動物化石は、岐阜県高山市の福地層(前期デボン紀)から産出した板皮類(Placodermi: Romundina sp.)の胸棘化石とされてきた。近年、三宅氏は同層下部の石灰岩を酸処理することで微小な脊椎動物化石を多数抽出している。その中には、日本から初報告となる棘魚類(Acanthodii:Ischnacanthiformes)の鱗化石が含まれていた。Ischnacanthiformesはその標本のほとんどが部分骨格や単離した鱗からなるなど謎の多い分類群として知られているが、日本における追加標本の発見は、同分類群の進化と放散について明らかにする数少ない手がかりの一つとなる。

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