Presentation Information
[G-P-2]Sedimentation process around the Yonaguni Seachannel in the southern Okinawa Trough during the Holocene
*Keita Saito1 (1. JCG)
Keywords:
Okinawa Trough,Holocene,meandering channel
沖縄トラフ南部に位置する与那国海底地溝の周辺では蛇行チャネルの存在が報告されており(Sibuet et al., 1998),そのうち大規模なものは北から順に与那国長谷,魚釣長谷と命名されている.これらの蛇行チャネルについて,Sibuet et al. (1998)では断層により途切れていることから非活動的とされているほか,木村ほか(2001)では潜水船により蛇行チャネル周辺の観察を行い,泥質堆積物が一様にチャネルを被覆していること,流痕が観察されないことなどから非活動的であると判断された.他方,松本ほか(2020)では蛇行チャネル(魚釣海底長谷)内外の水深に変化があったことから,現世でも混濁流の影響が続いていると推定している.これらの研究はいずれも蛇行チャネルやその周辺の地形に基づくものであり,現世ないし過去における運搬・堆積プロセスやその変化について堆積物側から検討した例はなかった.
本研究では,与那国長谷を始めとする蛇行チャネル周辺の完新世中~後期における堆積プロセスを明らかにするため,これらのチャネル内部及び周辺から堆積物コアを採取し,堆積相の記載,粒度分析,放射性炭素同位体年代測定等を行った.
与那国長谷内部及び石垣島の北方に位置する断片的な蛇行チャネル内部から採取された堆積物コアはシルト主体であり,前者では厚さ数mm程度で砂サイズの粒子を含む層,後者では粒径の異なるシルトの互層が観察されたが,ブーマシーケンスのような典型的な砂質タービダイトは含まれていなかった.年代測定の結果から,前者は過去約6 ky,後者は過去約10 kyに相当しており,どちらも一部を除いて年代の逆転は無く,堆積速度も10-25 cm/ky程度と比較的遅く,堆積速度の変化も小さかった.そのため,いずれのコアも顕著な削剥作用は受けておらず,少なくとも今回得られた年代において大規模な混濁流の影響は無い,あるいはごく弱かったものと推定される.また,これらのコアの採取地点周辺について, 1990年代と2020年代に取得された海底地形データを比較すると,チャネルの形状や水深に顕著な変化はなく,大規模な混濁流の影響が無いという堆積物の観察・分析結果と整合的であるといえる.以上より,与那国長谷や石垣島北方の断片的な蛇行チャネルについて,少なくとも完新世中期から現世においては非活動的な状態にあったと考えられる.
文献
Sibuet et al. (1998) Journal of Geophysical Research, 103, 30245-30267.
木村ほか (2001) JAMSTEC深海研究, 18, 103-119.
松本ほか (2020) JpGU-AGU Joint Meeting 2020, HCG25-P06.
本研究では,与那国長谷を始めとする蛇行チャネル周辺の完新世中~後期における堆積プロセスを明らかにするため,これらのチャネル内部及び周辺から堆積物コアを採取し,堆積相の記載,粒度分析,放射性炭素同位体年代測定等を行った.
与那国長谷内部及び石垣島の北方に位置する断片的な蛇行チャネル内部から採取された堆積物コアはシルト主体であり,前者では厚さ数mm程度で砂サイズの粒子を含む層,後者では粒径の異なるシルトの互層が観察されたが,ブーマシーケンスのような典型的な砂質タービダイトは含まれていなかった.年代測定の結果から,前者は過去約6 ky,後者は過去約10 kyに相当しており,どちらも一部を除いて年代の逆転は無く,堆積速度も10-25 cm/ky程度と比較的遅く,堆積速度の変化も小さかった.そのため,いずれのコアも顕著な削剥作用は受けておらず,少なくとも今回得られた年代において大規模な混濁流の影響は無い,あるいはごく弱かったものと推定される.また,これらのコアの採取地点周辺について, 1990年代と2020年代に取得された海底地形データを比較すると,チャネルの形状や水深に顕著な変化はなく,大規模な混濁流の影響が無いという堆積物の観察・分析結果と整合的であるといえる.以上より,与那国長谷や石垣島北方の断片的な蛇行チャネルについて,少なくとも完新世中期から現世においては非活動的な状態にあったと考えられる.
文献
Sibuet et al. (1998) Journal of Geophysical Research, 103, 30245-30267.
木村ほか (2001) JAMSTEC深海研究, 18, 103-119.
松本ほか (2020) JpGU-AGU Joint Meeting 2020, HCG25-P06.
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