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[G-O-7]Characteristics of Flood-induced deposit in the Suruga Bay

*Yuka YOKOYAMA1, Yusei MIYATA1, Niina ARAI1, Izumi SAKAMOTO1, Kohsaku ARAI1, Asahiko TAIRA2 (1. School of Marine Science and Technology, Tokai Univ., 2. Tokai Univ. Institute of Oceanic Research and Dvelopment)
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Keywords:

Flood-induced deposit,Typhoon,Suruga Bay

 近年,台風・大雨などによる洪水被害の発生は増加傾向にある.洪水時には,河川から堆積物などを含む濁水が海域に流入し,海面から海底に広く影響を与えることが知られている.駿河湾では,富士川をはじめとする4つの一級河川が湾奥・西部から流入し,大雨や台風時に河口から砕屑物を含む濁水が流入し,海底堆積物に変化を与えていることが,実海域から確認されている.例えば,ROVによる海底観察から,海底で多くの根付植物が確認され,洪水時に運搬されたと考えられた(中村ほか,2023).さらに,2018年台風24号時には,海底に設置したOBSが海底面上を約0.8 km南へ移動し,富士川を起源とする混濁流の発生が示唆された(馬塲ほか,2021).したがって,富士川沖では大雨に伴う洪水起源混濁流が,比較的頻繁に発生している可能性が考えられる.
 東海大学海洋地質研究室では,2021年より駿河湾奥部富士川沖にて,洪水起源混濁流の発生機構及び堆積過程の解明を目指し,海洋地質学的調査(海底地形,表層堆積物,海底観察など)に取り組んでいる.表層堆積物調査では,スミスマッキンタイヤ型グラブ式採泥器を用いて,梅雨前後および台風前後において定点による観測(水深20~1500 m,河口から0.5~17 km)を実施し,表層(0~3 cm層)と有田式ケースによるミニコア試料を採取した.同時に,採泥器に取り付けた水中カメラによる海底観察を行った.
 富士川沖は,海底映像から水深約1350 m(河口から約10 km)までは,台風前後において海底表面に変化が確認された.特に,河口付近での変化は大きく,台風前後で砂質堆積物から礫質堆積物への変化が認められた.また水深約1100 m(河口から約7 km)の海底では,表面の変化とともに陸上植物が確認され,河川の影響が大深度までおよんでいることが推察された.ミニコア試料(平均長 約10 cm)の岩相特徴から,①河口から約10 km(水深約1350 m)までは,主に下位の平行ラミナを示す砂質堆積物と上位の砂泥質堆積物からなり,砂質堆積物の粒度は,河口から沖合に向かって細粒(礫を含む中粒砂から細粒砂へ)になる傾向が見られ,季節により粒度・層厚などに変化がみられた.②その沖合では,主に泥と細粒砂からなる砂泥互層が分布する.水深約1400 m地点までは,季節による大きな岩相変化が認められ,水深約1450 m以深では年間通して,あまり変化は見られなかった.したがって,河口から約12 km(水深約1400 m)までは,富士川による洪水の影響を受けやすく,その沖合では比較的規模の大きな洪水でないと影響を受けない可能性が示唆された.
 これらの表層堆積物に加えて,さらに沖合の河口から約16 km(水深約1500 m,2024年採取,BO24-12 G01)および,約22 km(水深約1600 m,2025年採取,BO25-02 G02)で採取した約1 mのコア試料では,より長い時間スケールでの堆積物特徴の把握を試みた.コア試料では,肉眼観察,CT画像取得,微化石分析,およびゲルマニウム半導体を用いたガンマ線スペクトルメトリー法による210Pb検出を用いた堆積速度解析を行った.
 まず,BO24-12 G01試料は,細粒砂からシルト質堆積物の級化構造の繰り返しからなる.各級化層の基底部は植物片を多く含み,黒色を示し,下位層とは明瞭な境界で区分された.これらの級化構造および境界を基に,上位からUnit 1~7に区分した.Unit 4および7を除く,全てのユニットで級化構造が確認され,ラミナの発達および植物片を含むことなどから,洪水起源堆積物と同定した.Unitによっては,複数回の級化構造や,細かな粒度変化の繰り返しも確認され,洪水時の営力変化に伴う粒度変化が推察される.また,Unit 4は無構造で粒度変化のない黒色シルトからなり,他ユニットとは異なる特徴を示した.これらの特徴は,Fluid mudの特徴と類似しており,Unit 4はFluid mudの可能性が示唆される.堆積速度に関しては,解析途中ではあるが,コアの上位から下位にかけて210Pbが検出されており,すくなくとも100年以内の洪水起源堆積物を採取したと推定される.また,BO25-02 G02でも同様に,級化構造の繰り返しからなる特徴がみられ,洪水起源堆積物と考えられた.しかし,BO24-12 G01と異なり各級化構造の基底部に顕著な植物片は確認されなかった.また,BO24-12 G01のUnit 4のような特徴を示す層も認められなかった.これらの違いは,河口からの距離による洪水起源堆積物の特徴・堆積過程の違いを示している可能性が考えられた.今後,堆積物の形成年代も含め,その特徴を明らかにし,両試料での洪水起源堆積物の関係を明らかにするとともに,その堆積過程および保存性などの検討を行う.
[引用文献] 中村他(2023)JpGU2023,HCG22-P01. 馬塲他(2021)地震,73,197-207.

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