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[T11-O-4]Current Status and future prediction of land subsidence in the Niigata Plain

*Shigeaki Yamada1, Mutsuki Sakai2, Shiro Watanabe2, Seiji Sugino3, Yuta Ogawa4, Hironori Hara4 (1. Hokuriku Regional Agricultural Administration Office, 2. Shinano River System Land Improvement Survey and Management Office, Hokuriku Regional Agricultural Administration Office, 3. Niigata Prefectural Government, 4. Chuo Kaihatsu Corporation)
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Keywords:

Niigata Plain,Leveling survey,Groundwater,Land subsidence,Observation well,Synthetic Aperture Radar Time-Series Analysis

 本邦の地盤沈下は,いつ頃から開始されたか明確でないが,明治末期から昭和初期の間,東京都,大阪市及びそれら周辺地域で地盤沈下が起こっている1) .更に,戦後の経済復興に伴い産業活動の活発になり,地下水が過剰に採取されることで,全国的に地盤沈下が増加した.新潟平野では,昭和27年の新潟市周辺の水準点で異常な沈下が観測されて以来,地盤沈下の議論が始められ,農林水産省においても農地の湛水被害,農業用施設の被害(例えば,沈下に伴う排水施設機能低下の障害等)を受け,昭和33年頃から北陸農政局(当時新潟地盤沈下調査事務所、現信濃川水系土地改良調査管理事務所)において地盤沈下調査を進めてきた2)3) .近年は,地盤沈下の要因としてあげられる水溶性天然ガスの採取等の地下水の過剰採取を規制したことで,一部の地域を除き新潟平野の地盤沈下は沈静化に移行している1)2)3).本稿は,新潟平野の地盤沈下の現況と予測とともに,今後の観測の在り方として干渉SAR時系列解析(以下,干渉SAR)4)の試行事例を報告する.
新潟平野は,信濃川・阿賀野川下流域に形成された低平な潟湖充填平野で,約10万haの農地が広がっているが,地盤沈下の進展に伴い約180km2の範囲でゼロメートル地帯がある.地質は試錐調査による詳細なデータが蓄積され,沈降性堆積盆地の平野下には新第三系~第四系が厚く堆積しており,第四系は最大層厚約3,500m以上に達し,沖積層の最大層厚も約160mに達する5) .
本稿は,路線水準測量による地盤変動量の観測値,ならびに地盤沈下観測井(計3観測所:白根,黒埼,豊栄)による区間別の地盤収縮量,地下水位変動量の観測値に基づき,これら観測値を時系列解析し,新潟平野の地盤沈下状況と将来予測を実施した.また,広域的地盤変動検出の有効性が指摘される干渉SARを試行し,水準測量による従来法と干渉SARを比較,検討した.
路線水準測量は,観測当初より阿賀野川河口一帯で沈下量が大きい傾向で,平野全体も年間数mm程度の沈下が継続しており,局所的に沈下量の大きい箇所が点在する.近年は,沈下量が沈静化傾向にあるが,令和5年9月~6年9月期間は令和6年能登半島地震の影響と推定される既往変動値と異なる沈下箇所が確認された.平成23年9月~令和6年9月期間における変動量より算出した沈下速度は,阿賀野川河口一帯,福島潟周辺,新発田市周辺で速い.それ以外の箇所でも局所的に沈下速度の速い箇所が認められるが,これらの箇所は水準点付近で道路工事や宅地開発等の土地改変による影響を受けている可能性がある.
地盤沈下観測井は,地下水位が冬季に低下,夏季に緩やかに上昇するという年周期の変動を示すが,基底水位の経年変化は緩やかな上昇傾向にある.一方,地盤収縮量は深度20m以浅区間において緩やかな沈下が継続するが,それ以外の区間(深度20m以深)は横ばい状態にある.観測井付近の深度約20m以浅は,砂層,粘土層が互層状に分布し,白根,黒埼では腐植土層と粘土層が,豊栄では他の2地点より厚い10m程度の粘土層が分布する.近年,深度20m以浅では,冬季の地下水位低下時に沈下がみられ,全体的な時系列変動では時間軸を片対数プロットした時間-沈下関係図から,「みかけ上のlog-t曲線」に近似する関係が認められる.
地盤沈下予測は,観測井でみられる「みかけ上のlog-t曲線」関係を参考に,地盤変動データに基づくlog-t曲線による予測を行った.さらに,水準測量における直近10年間の沈下量に基づいて算出した沈下速度から,片対数軸上で沈下が線形関係にあることを利用し,沈下予測式による予測を行った.これら予測結果は,農業水利施設の維持管理面において,維持管理の優先度,注視する箇所の抽出等に利活用できると考えられる.
従来法の水準測量と干渉SARとの比較,検討においては,両手法の変動量関係はばらつきが認められるが,概ね,1:1の関係がみられる.また,変位速度についても,概ね類似した傾向が確認された.干渉SARは,「だいち4号」(ALOS-4)の運用に伴うデータ数増加に伴い変動の検出精度向上化が見込まれることから,将来的には地盤沈下観測の省力化・効率化へ寄与する可能性が考えられ,今後の干渉SARに関する動向を注視したい.
なお,本稿の内容は発表者個人の見解で,組織の公式見解を示すものではない.
引用文献
1)国見ほか, 2001,国土地理院時報, no.96, 23-37
2)佐藤, 2014,農業農村工学大会講演要旨集, 516-517
3)山田, 2019,地盤工学会誌, 67-5, 28-29
4)石本ほか, 2024,国土地理院時報, no.137, 13-20
5)鴨井ほか, 2016,地域地質研究報告(5万分の1地質図幅「新潟及び内野」), 90p

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