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[T1-O-13]Constraining paleodepths using the paleostresses estimated from calcite twins: The case of Eocene limestone in Ishigaki, southern Japan

*Atsushi Yamaji1 (1. Kyoto University)
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Keywords:

calcite,mechanical twin,paleodepth,paleostress,Cenozoic

 方解石を含む岩体の埋没深度の最小値が,方解石双晶から推定できることをこの講演でしめす.たいがいの天然方解石で,{10-12}面に機械的双晶ができている.それは,この結晶面における双晶すべり方向の分解剪断応力が臨界値τcを超えたことをしめす.この双晶形成条件にもとづいて,方解石多結晶体中の双晶の方向頻度分布から,双晶形成時のT /τcを推定することができる(e.g., Etchecopar, 1984).Tは偏差応力テンソルである.しかし天然方解石は複数変形時階を経験していることが多い.そこで,一つの多結晶体中の双晶データから複数のT /τcを決定する方法をYamaji & Wakamori (2026)が提案した.そしてその方法により,石垣島の始新統礁成石灰岩中の方解石脈から,横ずれ断層型に近い応力Aと正断層型に近い応力Bを検出した.ここで「近い」としたのは,純粋なAnderson型応力と違って,1本の主応力軸が鉛直に近いとはいえないからである.
さて,地殻浅部の差応力は間隙水圧と既存断裂の摩擦で制約され,その臨界値は深度に比例する.浅部では間隙水圧は静水圧またはそれよりやや大きな値をもち,また,軟弱な断層物質は摩擦を低下させる.ゆえに,差応力がわかれば深度の最小値が制約される.とはいえ,τc値の不定性が小さくないため,この方法による深度推定には大きな誤差が含まれる.
本研究では,非Anderson型応力状態におけるこの最小値の式を導き,石垣島で検出された2つの応力に適用した.この式に5~10 MPaというτc値を代入した結果,応力AとBの時期の深度最小見積もりはそれぞれ2.3~4.6 kmおよび2.6~5.3 kmとなった.
方解石試料を得た石灰岩体は石垣島の始新統最下部のもので,この地域の層序から見て,この岩体の上にはかつて始新統八重山層群と中新統島尻層群がのっていた可能性がある.これらの厚さはそれぞれ約1 kmと2.5 kmであり(円谷・佐藤, 1985; e.g., 井龍・松田, 2010),上記の最小見積もりと矛盾はない.すなわち,石垣島の始新統以降の埋没深度が数kmに達していたことがうかがわれる.また,測定した双晶ラメラはBurkhard (1993)のII型で,双晶形成時の温度が150~300℃と推定され,石垣島付近の始新世・漸新世の火成活動時の高地温勾配時の深度を記録している可能性がある.
文献 Burkhard, M.,1993, J. Struct. Geol., 15, 351-368; Etchecopar, A., 1984, PhD Thesis, Univ. Montpellier; 井龍・松田, 2010, 九州地方, 朝倉書店, §3.5.2; 円谷・佐藤, 1985, 石技誌, 50, 25–33; Yamaji, A., Wakamori, K., 2026, Island Arc, 35, e70045.

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