Presentation Information
[G-O-13]Case Studies of Embankment Failures in Kanazawa and Atami, Japan
*Akihisa KITAMURA1,2 (1. Institute of Geosciences, Faculty of Science, Shizuoka University, 2. Center for Integrated Research and Education of Natural Hazards, Shizuoka University)
Keywords:
Embankment Failures,Recent
2024年1月1日 16 時 10 分頃に発生した令和6年能登半島地震(M7.6)により,石川県金沢市田上新町の崖地の一部で盛土崩壊が起き,4軒の家屋が全壊し,石川県内灘町西荒屋で液状化・流動化現象が発生した.北村ほか (2024a, b, 2025)は現地調査を行うとともに,盛土の土砂や噴砂した砂などを採取し,粒度分析などを行った.その結果,田上新町の滑落崖に見られる未崩落盛土は,内灘町の内灘砂丘の露頭の堆積物と噴砂堆積物よりも若干細粒だが,ともに非常に分級が良い細粒~中粒砂であり,粒子組成,放射性セシウム137Csと134Csを含まない点で共通していることが分かった.これらのことから,田上新町の盛土は,河北潟の開削などで内灘砂丘から供給された可能性が高い.
2021年7月3日(土)10時30分頃に,静岡県熱海市の逢初川源頭部の盛土の崩壊により発生した土石流は,死者28名,住宅の全・半壊64棟という甚大な被害をもたらした.盛土崩落地には褐色の土砂と黒色の土砂が見られ,土石流堆積物の多くは黒色の土砂である.演者の調査の結果,黒色の土砂の採取地としては,少なくとも次の4地域があることが判明した.①多摩川河口流域,②平塚市相模川河口東,③小田原市中村川下流域に分布する下原層,④関東地方に分布する海成更新統の分布域とその周辺,である(北村ほか, 2024c, 2026など).災害前の2019年12月に静岡県が作成した地形データでは,盛り土の小崩壊が確認されている.④由来の軟質泥岩礫はスレーキング現象を起こすので,盛り土の小崩壊はスレーキング現象で形成された空洞の天井部が崩落した可能性がある.金沢市と熱海市の盛土崩壊は,現地にない非常に分級が良い細粒~中粒砂やスレーキング現象を起こす泥岩礫などによって,起きた可能性がある.
これら2つの事例を教訓とするならば,分級が良い細粒~中粒砂やスレーキング現象を起こす泥岩礫を盛土材料として使用すべきではない.そして,既存の盛土の危険性評価においては,これらの物質の含有率(または体積割合)と分布,特に盛土末端部における分布を調査項目として技術基準等に明記し,その結果を崩壊リスクの評価に反映させることが重要である.
引用 北村ほか (2024a) 第四紀研究, 63(2)i-ii; (2024b) 第四紀研究, 63(2), 159-161;(2024c) 静岡大学地球科学研究報告 51, 57-69;(2025) 静岡大学地球科学研究報告, 52, 1-13;(2026) 第四紀研究, 65, 51-61.
2021年7月3日(土)10時30分頃に,静岡県熱海市の逢初川源頭部の盛土の崩壊により発生した土石流は,死者28名,住宅の全・半壊64棟という甚大な被害をもたらした.盛土崩落地には褐色の土砂と黒色の土砂が見られ,土石流堆積物の多くは黒色の土砂である.演者の調査の結果,黒色の土砂の採取地としては,少なくとも次の4地域があることが判明した.①多摩川河口流域,②平塚市相模川河口東,③小田原市中村川下流域に分布する下原層,④関東地方に分布する海成更新統の分布域とその周辺,である(北村ほか, 2024c, 2026など).災害前の2019年12月に静岡県が作成した地形データでは,盛り土の小崩壊が確認されている.④由来の軟質泥岩礫はスレーキング現象を起こすので,盛り土の小崩壊はスレーキング現象で形成された空洞の天井部が崩落した可能性がある.金沢市と熱海市の盛土崩壊は,現地にない非常に分級が良い細粒~中粒砂やスレーキング現象を起こす泥岩礫などによって,起きた可能性がある.
これら2つの事例を教訓とするならば,分級が良い細粒~中粒砂やスレーキング現象を起こす泥岩礫を盛土材料として使用すべきではない.そして,既存の盛土の危険性評価においては,これらの物質の含有率(または体積割合)と分布,特に盛土末端部における分布を調査項目として技術基準等に明記し,その結果を崩壊リスクの評価に反映させることが重要である.
引用 北村ほか (2024a) 第四紀研究, 63(2)i-ii; (2024b) 第四紀研究, 63(2), 159-161;(2024c) 静岡大学地球科学研究報告 51, 57-69;(2025) 静岡大学地球科学研究報告, 52, 1-13;(2026) 第四紀研究, 65, 51-61.
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