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[T6-O-6]Healing and high-velocity frictional properties of plate-boundary pelagic clay

*Kohtaro UJIIE1, Matt IKARI2, Junli ZHANG2, Hanaya OKUDA3, Rina FUKUCHI4, Suzu NAZUKA1, Asuka YAMAGUCHI5 (1. University of Tsukuba, 2. University of Bremen, 3. Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 4. Naruto University of Education, 5. University of Tokyo)
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 2011年東北地方太平洋沖地震における浅部巨大すべりは、地震時のプレート境界断層の摩擦係数が低かったことに起因すると考えられている。しかし、この巨大すべりがプレート間固着によって蓄積した歪の解放によるものなのか、あるいは深部から伝播した地震破壊に追随して生じたのかは明らかではない。そこで本研究では、国際深海科学掘削計画第405次航海(JTRACK: Tracking Tsunamigenic Slip Across the Japan Trench)によりSite C0019の浅部プレート境界断層から採取された掘削コア試料を用い、直接せん断試験機によるSlide-Hold-Slide(SHS)実験と回転式摩擦試験機による高速摩擦実験を実施した。

プレート境界断層は、鱗片状構造が発達した遠洋性粘土中に局在している。SHS実験では、鱗片状構造と平行に整形した円柱試料を用い、Site C0019の現位置有効圧(静水圧を仮定して6.0 MPa)、すべり速度30 mm/s、保持時間10秒〜10万秒の条件で実施した。また、比較のため、プレート境界断層上盤の前縁プリズムから採取した珪質泥岩および粉末石英についても実験を行った。その結果、遠洋性粘土は珪質泥岩および粉末石英に比べ、摩擦係数、強度回復量、クリープ時の応力緩和量、保持時の圧密量のいずれも顕著に小さいことが明らかとなった。遠洋性粘土は粘土鉱物およびスメクタイトをそれぞれ89 wt%、52 wt%含有しており、粒状鉱物に比べて板状鉱物では接触面積の増加が限られることや、スメクタイト層間水の存在により、強度回復が妨げられたことが示唆される。これらの結果は、浅部プレート境界断層のプレート間固着能力が低いことを示している。

高速摩擦実験では、粉末状のプレート境界断層試料を用い、Site C0019の現位置有効圧および水深約7000 mに相当する間隙水圧(70 MPa)下で、すべり速度1 m/sの条件で実施した。その結果、プレート境界断層はピーク摩擦やすべり弱化を示さず、摩擦係数は0.15–0.20の低い値を維持した。これは、破壊エネルギーが極めて小さいことを示している。

以上の結果から、スメクタイトに富む遠洋性粘土は、プレート間を固着させる能力が低い一方で、深部から伝播する地震破壊を浅部まで効率的に伝える摩擦特性を有することが明らかとなった。同様の遠洋性粘土は太平洋プレート上に広く分布すると考えられるため、このような物質が沈み込む地域では、プレート間固着の程度にかかわらず、浅部すべりおよび津波の発生リスクを考慮する必要がある。

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