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[T6-O-9]Rock Magnetic Evidence for Localized Physicochemical Changes in Fault Gouge from the Shallow Japan Trench Accretionary Wedge
*Taizo UCHIDA1, Hirokuni Oda2, Hiroshi Kawabata1, Toshiya Kanamatsu3, Sara Satolli4, Takeru Yoshimoto5, Masao Iwai6, Minori Hagino7, Yoshitaka Hashimoto1 (1. Kochi University, 2. Institute of Geology and Geoinformation, Geological Survey of Japan, AIST, 3. Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 4. University of Chieti-Pescara , 5. Kobe University, 6. Kochi University Marine Core Research Institute, 7. Yamagata University)
Keywords:
magnetic microscopy,rock magnetism,mechanochemical reaction,fault gouge,tsunami
付加体浅部の物理化学的条件は、津波地震の発生過程を規定するうえで重要な役割を果たす。本研究では、走査型SQUID顕微鏡(SSM)を用いて、付加体浅部のprincipal slip zone(PSZ)に発達する断層ガウジ中の磁性鉱物組成の空間分布を調べることにより、付加体浅部における動的な物理化学過程を明らかにすることを目的とする。
本研究では、大規模な津波発生性すべりが記録されている日本海溝沈み込み帯に着目する(e.g., Fujiwara et al., 2011)。断層試料は、国際深海科学掘削計画(IODP)第405次研究航海「Tracking Tsunamigenic Slip Across the Japan Trench(JTRACK)」において採取された。船上分析では、この断層を境に明瞭な年代逆転が報告されており、この断層が大規模な逆断層であり、津波地震性すべりに関与した可能性が示唆されている(Kirkpatrick et al., 2025; Regalla et al., 2025)。この断層帯の最下部、すなわち下盤との境界部には、PSZを含む、多様な堆積物からなる断層ガウジが発達している。本研究では、この断層帯および下盤を含む薄片を作製し、磁場マッピング、光学顕微鏡観察、およびFE-SEM/EDS分析を行った。
光学顕微鏡および電子顕微鏡観察の結果、下盤は暗灰色から灰色の半遠洋性粘土から構成されることが確認された。断層ガウジは、暗灰色から灰色、青色、橙色を呈する半遠洋性粘土によって特徴づけられる。上盤側は著しく擾乱されており、強いせん断を受けた痕跡を示すのに対し、下盤側には正断層センスのせん断帯が保存されているが全体としては比較的原岩組織を保持している。磁場マッピングの結果、断層を挟んで磁場分布および磁性鉱物組成に明瞭な差異が認められた。断層ガウジ中では、下盤堆積物に比べて磁場強度が低い。また、FE-SEM/EDSも踏まえると、下盤堆積物には砕屑性チタノマグネタイトおよび続成過程で形成された鉄硫化鉱物が含まれる一方で、断層ガウジ中ではこれらの鉱物が著しく少なく、変質を示唆する形態が観察された。
この選択的な磁性鉱物の消失は、地震性すべりに伴う強い粉砕時に生じたメカノケミカル反応によって引き起こされた、変形と同時期の溶解を反映している可能性がある。あるいは、磁性粒子がSSM測定の有効空間分解能以下まで極端に細粒化したことに起因する可能性もある。いずれの場合においても、磁性鉱物の局所的な枯渇は、断層発達過程における鉱物学的改変が断層ガウジ内部に集中していたことを示している。
本研究の結果は、磁性鉱物組み合わせが、浅部付加体における変形に関連した局所的反応を記録していることを示す。特に、熱により誘起された明瞭な鉱物学的変化が認められないことは、この主要断層に沿った地震時摩擦発熱が限定的であった可能性を示している。したがって、この断層の発達を支配した主要な物理化学過程は、摩擦発熱ではなく、粉砕、流体の再分配、および断層帯の局所化であったと考えられる。
[引用]
Fujiwara, T. et al., 2011, “The 2011 Tohoku-Oki earthquake: Displacement reaching the trench axis”, Science, 334(6060), 1240–1240.
Kirkpatrick, J. D., et al., 2026, “Extreme plate boundary localization promotes shallow earthquake slip at the Japan Trench”, Science, 391(6784), 489–493.
Regalla, C., et al., 2025, “Site C0019”, Proceedings of the International Ocean Discovery Program
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