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[T6-O-12]Heterogeneity of Stress and Fluid Pressure Ratio in a Tectonic Mélange Constrained by Geothermal Gradients

*Takahiro HOSOKAWA1, Sora HIRAOKA1, Kazuki HONDA1, Hiroki INUI1, Yoshitaka HASHIMOTO1 (1. Kochi University)
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Keywords:

Shimanto Belt,Stress inversion analysis,Fluid pressure,Mineral veins,Geothermal gradient


 沈み込みプレート境界に沿った流体圧は、断層強度に大きな役割を果たすと考えられる。地球物理学的観測から、沈み込みプレート境界において不均一な応力降下量が推定され、プレート境界における流体圧比の変動によって説明される可能性が指摘されている(e.g., Wang and Bilek, 2014)。そのため、実際の沈み込みプレート境界の応力と流体圧比を定量化することは重要であるが、依然困難である。近年、断層帯近傍に発達する伸長鉱物脈を対象に、応力逆解析、流体包有物解析と岩石破壊理論を組み合わせた手法を用いて、鉱物脈形成時の流体圧比や、差応力の定量化が可能になってきた(e.g., Hosokawa and Hashimoto, 2022)。本研究ではこの手法をメランジュ形成に伴い発達する伸長鉱物脈とせん断脈に拡張し、沈み込みプレート境界における流体圧比と差応力を地質学的に制約することを目的とする。 

本研究対象地域は、白亜系四万十帯に属する横浪メランジュであり、主に砂岩からなるブロックと黒色頁岩からなるマトリックスで構成されている。本研究で対象にする鉱物脈は、砂岩ブロックの長軸に対し高角に発達している伸長鉱物脈(Type 1鉱物脈)と、メランジュの面構造を切るせん断脈である。せん断脈は流体包有物解析により、温度・圧力が約175-225 ℃、約143-215 MPaと推定されている(Hashimoto et al., 2012)。また、このせん断脈は応力逆解析により、逆断層と正断層の2つの応力場が推定され、地震サイクルを記録している(Hashimoto et al., 2014)。 

本研究では、メランジュ形成中の地温勾配を推定するために、Type 1鉱物脈を対象に、Hosokawa and Hashimoto (2022)の手法に基づき、応力逆解析(Yamaji, 2016)と流体包有物解析を行った。これにより、メランジュ形成に伴い発達した各鉱物脈の形成深度を制約し、流体圧比を計算することを可能にする。又、岩石破壊理論に基づくと、せん断破壊時の差応力は、剪断面と最大主応力のなす角θrと、流体圧比の関数である(Cox, 2010)。そこで、サンプリング時に、断層すべりデータを取得することで、Hashimoto et al. (2014)で推定された2つの応力に分類し、各サンプルのθrを算出した。そして、そのサンプルを対象に流体包有物解析を行い、地温勾配に基づき各サンプルの流体圧比を計算した。最後に、計算されたθrと流体圧比をもとに岩石破壊理論から差応力を計算した。 

応力逆解析の結果、Type 1鉱物脈は正断層応力場で形成され、流体包有物解析から鉱物脈形成時の温度・圧力は、約175-203.5℃、約171.2-217.9MPaと推定された。そして、正断層応力場での岩石破壊理論に基づき、地温勾配は、約22 °C/kmと推定された。サンプリングしたせん断脈を応力で分類し、流体包有物解析を実施できたのは、逆断層応力場で形成された剪断脈は3サンプル、正断層応力場で形成された剪断脈は4サンプルとなった。計算されたθrは18-53°であり、流体包有物から流体温度は、165-244 ℃、流体圧は、136-265 MPaと推定された。推定された地温勾配を用いて、剪断脈形成時の流体圧比は0.57-0.96と算出された。推定されたθrと流体圧比に加えて、摩擦係数を0.4と仮定すると、剪断脈形成時の差応力は、逆断層応力場で80-167 MPa、正断層応力場で5.5-59.9 MPaと推定された。本研究で対象にしたせん断脈は、地震サイクルを記録しているため、逆断層と正断層応力場の差応力の差から応力降下量は、10.1-81.3 MPaと推定される。断層面の粗度がフラクタル特性を持つとき、応力降下量は震源サイズとスケーリングすることが提案されている(Candela et al., 2011)。このスケーリング則を用いると、地球物理学的観測結果と本研究結果はオーダーで一致する。 本研究結果は、構造性メランジュにおいて露頭スケールで応力と流体圧比は不均一であることを示した。この不均一性は、プレート境界の粗度などのフラクタル特性を反映している可能性がある。

引用文献
Wang and Bilek, 2014, Tectonophysics, 610, 1-24
Hosokawa and Hashimoto, 2022, Scientific reports, 12(1), 14789
Hashimoto et al., 2012, Island Arc, 21, 53-64
Hashimoto et al., 2014, Tectonics, 33(10), 2045-2058
Yamaji, 2016, Island Arc, 25, 72-83
Cox, 2010, Geofluids, 10(1-2), 217-233
Candela et al., 2011, Bulletin of the Seismological Society of America, 101(5), 2369-2387

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