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[T16-P-4]Myodocopid ostracods discovered from the Omi Limestone: Palaeoecological and palaeogeographical significances

*Gengo TANAKA1, Takahisa MAKIGUCHI2, Makio SATO2 (1. Kumamoto University, 2. Tokai Fossil Society)
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Keywords:

Palaeozoic,Carboniferous,Ostracoda,seamount,Panthalassa Ocean

 新潟県糸魚川市青海川下流には,下部石炭系~中部ペルム系の海山性「青海石灰岩」が広く分布している.本石灰岩中からは,フズリナ,三葉虫,腕足類,巻貝,刺胞動物など保存の良い化石が多数報告されている.今回,演者のうち,牧口および佐藤が40年ほど前に青海石灰岩の西切羽下の崖より採集した介形虫について,田中がクリーニング・同定をおこなった結果,ミオドコーパ(ウミホタルの仲間)の一分類群であるCypridinella属の未記載種(以下Cypridinella sp.と表記)と判明した.本属は,顕著に眼瘤が発達することや,前方にロストラムが発達することで特徴づけられる.同様な形質は,現生のHeterodesmus属にみられ,眼瘤は複眼と遊泳肢の基節を収納するスペースであり,ロストラムは遊泳肢を前方に伸ばすための溝が,下方に発達する.さらに眼瘤の殻は,化石および現生種とも,他の殻の部分に比べて,著しく薄くなっており,小さなカルサイト粒を発達させることで,様々な方向への透明性を維持していると考えられる.さらに,多くの浮遊性ミオドコーパにみられるような,極端に薄い殻ではなく,強く石灰化した殻を持つ.このことから,Cypridinella sp.は現生のHeterodesmus属と同様,ネクトベントスであったと考えられる.また,ウミユリや腕足類の破片からなる石灰岩から産出していること,採集地点が中澤・島内(2006)の礁中核部堆積物相内にあることから,礁内の浅海に生息していたと考える.Cypridinella属は,世界の石炭系から,本種を含めて,これまで10種報告されている.いずれも固有種で,産地も青海石灰岩を除いて,古テチス海西岸に集中している.今回の発見によって,本種がテチス海を超えてパンサラッサ海域まで,分布を広げていたことが分かった.化石は発見されていないものの,当時の海流から,本属はローラシア大陸西縁に分布を拡大した後,海山伝いに,青海石灰岩の堆積する場へと分散していったと考えられる.本種の発見は,オルドビス紀に出現したミオドコーパ(軟体部の特徴からネクトベントスであったと考えられる)が,シルル紀に遠洋域に生息場を拡大し,その後,石炭紀に少なくとも一部のグループに,再びネクトベントスが現れたことを示す.化石記録の少ないミオドコーパのニッチの獲得の歴史を知る上で,重要なデータとなる.
文献:中澤 努・島内洋志(2006)日本地方地質誌4 中部地方,朝倉書店,482-483.

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