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[T16-P-12]The Chibanian Midori Volcano in northern Hyogo Prefecture, San'in Kaigan UNESCO Global Geopark

*Toshiki Haji1, Daisuke Sato1 (1. Geological Survey ofJapan, AIST)
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Keywords:

Pleistocene volcanism,Scoria cone,Pyroclastic cone,Basalt volcanism,Geological mapping,Monogenetic volcano

 兵庫県北部,村岡区味取(みどり)の矢田川沿いには,柱状節理の発達した玄武岩が露出し(村岡野外学習サークル編,1986),山陰海岸ジオパークの見どころ「味取の俵石」に指定されている.この玄武岩からは,0.216±0.008 MaのK‒Ar 年代値が報告され,チバニアン期の火山活動に由来することが示されており,「味取火山」と記載されている(古山ほか,1993).しかし,これまで味取火山については,「味取の俵石」露頭が知られるのみで,火山活動の実態は明らかでなかった.今回,詳細な地質調査により,「味取の俵石」を形成した溶岩の給源と考えられる火山体を新たに見いだした.本発表では,その地質学的産状に基づき,味取火山の実態を報告する.
【地質調査結果】
「味取の俵石」より南方約500 mの矢田川東側支流の「久津山天の滝」において,俵石露頭に類似するかんらん石玄武岩溶岩を確認した.さらにその上流部では,矢田川の2つの支流に挟まれた範囲に,同様の玄武岩溶岩が約1.5 kmにわたって連続的に分布する.この溶岩は,クリンカーを挟む4枚以上のフローユニットから構成され,玄武岩の露頭は沢の源頭付近まで点在する.
これらの溶岩分布域よりも上方の斜面には,スコリアを主体とする火山礫凝灰岩および凝灰角礫岩からなる火砕丘堆積物が見いだされた.これらは現在の矢田川東方の稜線の一部を構成しており,西斜面上部から稜線を越えて東斜面にかけて分布する.火砕丘地形そのものは開析により失われているが,現存する火砕岩の分布から,直径600 m以上,比高130 m以上の規模を有していたと推定される.
また,この火砕丘から北東へ伸びる痩せ尾根(延長約800 m)に沿っても,かんらん石玄武岩溶岩が分布することが判明した.この尾根では,クリンカーを挟んで5枚以上のフローユニットが識別される.さらに,それら溶岩の起点付近では,火砕丘堆積物を貫く同質の貫入岩が認められた.
火砕丘堆積物および溶岩は,基盤をなす中新統北但層群にアバットして分布し,当時の地形的起伏を埋積して形成されたものと判断される.また,稜線の東西に分布する溶岩はいずれも火砕丘堆積物を覆うように分布しており,溶岩は主として火砕岩の上位に位置すると考えられる.
【味取火山の実態とその意義】
以上の産状から,味取火山は「味取の俵石」の東方約2 km付近を噴出中心とする玄武岩火山であり,初期に爆発的噴火によって降下火砕堆積物をもたらし火砕丘を形成し,その後,溢流的噴火へ移行して西方および北東方に溶岩を流出したと解釈される.
従来,玄武岩の分布は東西約200 m×南北約600 mの範囲に限られ,給源はその東端部の地形的高まりと想定されていた(古山ほか,1993).しかし本研究により,火山活動の中心は味取集落の約2 km東方にあり,そこから西方の谷沿いに流下した溶岩が「味取の俵石」を形成したことが明らかになった.一方,従来給源と想定された地形的高まりでは玄武岩火山噴出物は認められず基盤由来の砕屑物から構成される.また,その地形的特徴から,地すべり及び崖錐性の堆積物からなる斜面堆積地形と判断される.
矢田川流域には河岸段丘堆積物が分布するものの,それらの編年や地形発達史に関する検討例は乏しい.今回明らかとなった味取火山噴出物の詳細な分布は,埋積古地形と現地形との関係を示し,過去約20万年間の地形発達史に重要な制約を与える.

村岡野外学習サークル編(1986)村岡の自然と遊ぶ:地質・動植物とのであい.342p.古山勝彦ほか(1993)地球科学,47,377‒390.

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