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[T16-P-13]Structural Analysis of an Inferred Active Fault on and around
Mt. Wakurayama, Eastern Matsue City, Shimane Prefecture, southwest Japan

*Kenshiro IZUMI1, Hideki MUKOYOSHI2 (1. Earth Science Program, Department of Environmental Systems Science, Graduate School of Natural Science and Technology, Shimane University, 2. Shimane University)
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Keywords:

Wakurayama-Fault,Inferred Active Fault,Geological Fault,Fold

1.はじめに
島根県松江市東部にある和久羅山と嵩山の山あいにおいて,谷の右屈曲を示す東北東走向の推定活断層が報告されており(今泉ほか編,2018),同推定活断層上に位置する松江市上宇部尾町の採石場において,東北東走向,高角北傾斜の断層露頭が報告されている.(向吉ほか,2024).本論では,この断層を和久羅山断層と呼ぶ.和久羅山断層は,活動開始時期が約0.8Maないしそれ以降のB級活断層と推定され,わずかな北落ち正断層成分をもつ右横ずれ変位を示す(向吉ほか,2024).現在,中海の手前から松江市役所の約3km東の位置まで延びると推定されている(今泉ほか編,2018)が,正確な断層全体の長さについては明らかとなっていない.
本研究では,和久羅山西方の同推定活断層を対象に,断層露頭の有無を確認するとともに,和久羅山西方における地質構造の把握を目的として地質調査を行った.

2.結果
和久羅山西方には,玄武岩質凝灰岩,砂岩,礫岩,玄武岩質粗面安山岩~粗面安山岩,暗灰色デイサイト,赤褐色デイサイトが分布する.玄武岩質凝灰岩は調査地域北部に分布し,調査地域北東部にある露頭では北西走向北傾斜を示す.砂岩は調査地域西部,南部,北東部に分布する.北東~北西走向を示し,北傾斜のものと南傾斜のものが認められる.調査地域北東部では,北東走向南傾斜と北西走向南傾斜を示す砂岩が繰り返している.礫岩は調査地域西部に分布する.調査地域西部では,北東走向北傾斜の砂岩・礫岩の境界を示す露頭が認められる.玄武岩質粗面安山岩~粗面安山岩は,調査地域西部から北東部まで分布する.暗灰色デイサイト・赤褐色デイサイトは調査地域東部の嵩山と和久羅山に分布し,和久羅山デイサイト(佐藤ほか,2011)と解釈している.現在,本エリアの推定活断層上において断層露頭は認められていない.
調査地域西部から南部において,北東走向北傾斜と北東走向南傾斜の砂岩の分布が途切れている.また,調査地域北西部から北東部にかけて,玄武岩質凝灰岩,砂岩,玄武岩質粗面安山岩~粗面安山岩の境界が東北東―西南西走向に延びている.

3.考察
調査地域北東部では,北東走向南傾斜と北西走向南傾斜を示す砂岩が繰り返しており,南北に褶曲軸をもつ背斜と向斜の存在が判断される.褶曲軸の方向から東西圧縮により形成された可能性が示唆される.褶曲軸から推定される圧縮方向は現世応力場と調和的であり,同褶曲構造は現世応力場の下で形成された可能性が考えられる.調査地域西部から南部において,北東走向北傾斜と北東走向南傾斜の砂岩の分布が途切れていることから,北西走向の断層の存在が示唆される.調査地域北西部から北東部にかけて,玄武岩質凝灰岩,砂岩,玄武岩質粗面安山岩~粗面安山岩の境界が東北東―西南西走向に延びている.鹿野ほか(1994)の地質図では,同地域において東北東―西南西走向の地質断層が引かれており,地質境界の走向と調和的である.坂本ほか(1982)の地質図では,調査地域北西部から和久羅山と嵩山の山あいにかけて延びる東北東―西南西走向の地質断層が引かれている.よって,調査地域北西部から和久羅山と嵩山の山あいにかけて地質断層が延びている可能性が考えられる.同地質断層の走向は推定活断層と調和的であるが,断層露頭は認められておらず,推定活断層との関係は不明である.

4.まとめ
本研究では,和久羅山西方において地質調査を行った.現在,同エリアの推定活断層上において断層露頭は認められていない.地質は,玄武岩質凝灰岩,砂岩,礫岩,玄武岩質粗面安山岩~粗面安山岩,暗灰色デイサイト,赤褐色デイサイトが分布する.調査地域北東部では,北東走向南傾斜と北西走向南傾斜を示す砂岩が繰り返しており,南北に褶曲軸をもつ背斜と向斜の存在が判断される.圧縮方向は東西方向であり,現世応力場と調和的である.調査地域西部から南部にかけて,北西走向の断層の存在が示唆される.調査地域北西部から北東部にかけて,東北東―西南西走向の地質断層の存在が示唆され,和久羅山と嵩山の山あいまで延びている可能性が考えられる.同地質断層の走向は推定活断層と調和的であるが,推定活断層との関係は不明である.

引用文献
今泉俊文・宮内崇裕・堤 浩之・中田 高編,2018,「活断層詳細デジタルマップ[新編]」,
東京大学出版会,USB メモリ1本,解説書 154p.
鹿野和彦・山内靖喜・高安克乙・松浦浩久・豊 遙秋,1994,5万分の1地質図幅「松江」,地質調査所.
向吉秀樹・伊藤久敏・太田尚吾・Lakshmanan Sreehari・大平寛人, 2024, 島根県松江市東部,
和久羅山山麓に認められる推定活断層沿いの断層露頭,活断層研究,60,1~10.
坂本 亨・山田直利・須田芳朗,1982,20万分の1地質図幅「松江および大社」,地質調査所.
佐藤大介・松本一郎・亀井淳志,2011,島根県松江市,和久羅山デイサイトの岩石記載と
全岩化学組成,地質学雑誌,117,439-450.

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