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[T16-P-17]Sedimentary environment of the Nakamura Formation, Kani Group, in the Mitake Area, Gifu Prefecture, central Japan

*Hina TSUJI1, Kohki YOSHIDA1 (1. Shinshu Univ.)
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【ハイライト講演】岐阜県の中新統可児層群について,ルートマップ,地質図,柱状図を作成し,11種類の岩相を識別した.その結果,中新世初期には湖へ注ぐ低屈曲河川が流れ,側方の扇状地から土石流などによって堆積物が供給されていた環境を復元する.地質図の作成と露頭観察の積み重ねから,地域の古環境を読み解く発表である. ※ハイライト講演とは...

Keywords:

facies analysis,fluvial deposits,Miocene,Kani Group

[はじめに]岐阜県南部に位置する可児盆地には,中新統可児層群が分布する.可児層群は岩相により,下から蜂屋層,中村層,平牧層に区分される[1].また,陸成層であり,植物や大型哺乳類の化石を豊富に産することで知られる[2].先行研究では,水深0‒5 mの浅い湖沼や湿地環境を好む浮葉性の水生植物の化石が産出すること,溶岩の急冷周縁が薄いことから湖沼の水深は浅かったと考えられている[2].本研究は,中村層を対象とし,その堆積環境について検討することを目的とする.
[手法]岐阜県御嵩町東部の東西4 km,南北3 kmの範囲を調査地とし,1/2500地形図を用いたルートマップおよび地質図を作成した.また各沢柱状図,露頭柱状図を作成し,岩相記載・堆積相解析を行った.
[地質概説]可児層群は,中・古生界の美濃帯を不整合に覆い,鮮新統瀬戸層群によって不整合に覆われる.また堆積年代については,蜂谷層の溶結凝灰岩中のジルコンU-Pb年代を測定し,22.38±0.17 Maの年代が得られている[3].
[結果]調査地域南部に分布する中村層は,砂岩,泥岩,礫岩から構成され,N40°E,8°Sの姿勢をとる.粒度,堆積構造に基づいて次の11の岩相と2つの組相を識別した.
粒子支持礫岩(Gm):礫径2‒5 mmの淘汰のよい亜角礫からなり,石英礫,チャート礫を主体とする.層厚は10‒30 cmであり,下底面は削り込み,上面は漸移することが多い.
斜交層理基質支持礫岩(Gc):平均礫径は1‒8 cm,最大礫径20 cmの亜円‒亜角礫からなり,淘汰はよい.基質は中粒‒粗粒砂岩であり,30‒40%程度を占める.斜交層理やインブリケーションが見られる.層厚は10‒100 cmであり,下底面は不明瞭である.礫種はチャート,石英,溶結凝灰岩,安山岩,花崗岩である.
級化基質支持礫岩(Gg):礫径0.8‒30 cmの亜円‒亜角礫からなり,淘汰は悪い.基質は中粒‒極粗粒砂岩である.層厚は30‒60 cmで,級化を示す.下位の砂岩層から礫岩に漸移し,下底面は不明瞭なことがある.
基質支持角礫岩(Gms):礫径0.8‒5 cmの角礫で,淘汰はよく,塊状を示す.基質は泥岩‒中粒砂岩で,10‒20%を占める.層厚は10‒60 cmであり,下底面は不明瞭,上面は明瞭である.
塊状基質支持礫岩(Gmm):礫径4‒25 cmの亜円‒亜角礫からなり,淘汰は悪く,塊状を示す.基質は中粒‒極粗粒砂岩である.チャート礫を主体とする.層厚は50‒150 cmであり,下底面は不明瞭,上面は明瞭である.
斜交層理砂岩(Sc):細粒‒極粗粒砂岩からなり,淘汰はよい.トラフ型斜交層理を示す.層厚は5‒100 cmであり,下底面は不明瞭である.
平行層理砂岩(Sh):細粒‒極粗粒砂岩からなり,淘汰はよく,平行層理を示す.層厚は10‒20 cmである.下底面は明瞭,上面は漸移することが多い.
級化・逆級化を示す砂岩(Sg):級化・逆級化を示す細粒‒極粗粒砂岩からなり,淘汰はよい.層厚は5‒15 cmである.下底面,上面ともに明瞭である.
塊状砂岩(Sm):細粒‒極粗粒砂岩からなり,淘汰が悪く塊状を示す.層厚は5‒40 cmであり,下底面,上面ともに明瞭である.
葉理のある泥岩(Fl):葉理を示す粘土‒極細粒砂岩からなる.層厚は5‒15 cmである.
塊状泥岩(Fm):塊状の粘土‒極細粒砂岩からなり,層厚は10‒50 cmである.含有する炭質物は一定の配列を示さず,薄片観察においてペレットが見つかることから,生物擾乱により葉理が破壊されたものと解釈する.
堆積組相A:礫岩(Gc,Gm,Gg,Gmm)および砂岩(Sc,Sh,Sm,Sg)からなり,層厚0.6‒7 mで上方細粒化を示す.侵食力の高い斜交層理礫岩と級化する礫が泥岩を挟まずに積層することから,網状河川の堆積物であると解釈される.
堆積組相B:泥岩(Fm,Fl)を挟み上方粗粒化および上方細粒化を示す砂岩(Sc,Sh,Sm,Sg)からなる.これらは氾濫原堆積物,細粒から粗粒砂岩はクレバススプレー堆積物およびレビー堆積物であると解釈される.
[考察]堆積組相A,堆積組相Bは,土石流堆積物(Gms,Gmm)や混濁流堆積物(Gg)に代表される重力流堆積物がしばしば観察される.このため両者は,斜面環境近傍での堆積が示唆される.網状河川堆積物と重力流堆積物が共存する堆積環境としては扇状地に隣接する河川が挙げられる.以上より,調査地域は湖に流れ込む低屈曲河川に,側方の扇状地システムから堆積物が供給される環境であったと考えられる.
[文献]
[1]細山光也,2003,名古屋地学,65,1‒6.[2]野村隆光,1992,瑞浪市化石博研報,19,75–101.[3]新正裕尚ほか,2018,地質雑,124,533–538.

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