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[T16-P-18]Depositional processes of the sandstones of the Miocene Kawai Formation in the Tamayu Area, Shimane Prefecture, SW Japan

*Ryuki UEOKA1, Tetsuya SAKAI2 (1. Shimane University Graduate School of Science and Technology, 2. Shimane University)
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Keywords:

Kawai Formation,coastal cliff,talus deposits,slope deposits


 宍道湖の南に位置する島根県松江市玉湯町から宍道町にかけては, 川合層と呼ばれる中期中新世の地層が分布する. 川合層は海浜から沖合にかけての浅海性の堆積物とされている(鹿野ほか, 1991). この地層は, 上位の久利層(半遠洋性の泥岩層)とは指交関係にあるとされ, 日本海拡大に伴う海進時に形成されたものとされている. 川合層が, どのような浅海環境で, どのような堆積過程を辿ったかを理解することは, 日本海開裂に伴う海進時に起きた環境変化をより深く理解することにつながる. しかし, この地層に対する詳細な堆積学的研究が行われていない. そこで本研究では, 川合層について詳細な地質調査を行い, 堆積相の記載情報から, 川合層の堆積した当時の環境を復元することを目的とした.
地質調査の結果, 基底の花崗岩と川合層砂岩との不整合に, 高角な部分, 層理面にほぼ平行な部分があること, 加えて高角な不整合が低角な不整合に移り変わる部分が確認された. 高角な不整合面が低角なものに移り変わる部分では, 層理面に対して20度程度傾いて配列する花崗岩の円礫(中礫から大礫)が確認された. これらは, 崖の麓に発達した礫浜, もしくは小規模な崖錐の堆積物であると解釈される. このことを踏まえると, 高角の不整合面は海食崖, 層理面に平行な不整合面は波食棚または海食台と解釈できる.
高角な不整合よりも沖側(北)に分布する砂岩では, 平均的な川合層の傾斜角度よりも傾きの大きな地層が見られた. 岩相は粗粒から極粗粒砂岩と粗粒シルト岩ないし極細粒砂岩との互層で特徴付けられることが多い. そこでは小型のフルートと解釈される深さ5cm幅10cm程度の円形のへこみが砂岩の基底に見られ, バックセット葉理が砂岩中に見られた. 加えて塊状砂岩が見られた. これらの地層の中には, スランプスカーと推定される大型の下に凸の地層境界面やスランプブロックと判断されるマッドクラストが砂岩中に食い込む構造も認められた. 一部の砂岩には小型のハンモック状斜交層理も認められた. これらのことを総合的に解釈すると, 高角不整合面の周辺に認められる砂岩は斜面堆積物であると判断される. 堆積物の運搬形態は混濁流等の堆積物重力流や小規模な海底地すべりで, 一部の砂岩の堆積には波浪も影響した. 粗粒シルト岩と砂との互層は, それらが暴浪時波浪限界よりも深い水深で堆積したことを示す.
上記で述べた砂岩が堆積した時には, 高角の不整合は, 海食崖として発達したものが沈水していたと見ることができる. おそらく沈水した海食崖のより高い位置に, 別の波食棚ないし海食台が発達し, そこでの侵食に伴って生じた堆積物が波食棚ないし海食台の縁を超えて運搬されたものが, 上記の堆積物であると解釈される. すなわち, これらの砂岩は崖錐堆積物であると解釈される. 海進時の堆積物は一般的に保存されにくいが, 今回の事例のように侵食面がステップ状の形態を持つと, ステップの下に凸となる部分では比較的厚く地層が保存されやすいと考えられる. 今回の調査はいわば1つのステップの調査を行なったに過ぎないため, 今後, この考え方が正しいことを証明するため, より多くの事例の調査が必要である.
引用文献
鹿野和彦・竹内圭史・松浦浩久 (1991) 今市地域の地質. 地域地質研究報告(5万分の1地質図幅), 地質調査所, 79p.

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