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[T16-P-27]Facies Analysis of Coarse-Grained Landslide Deposits in the Larjung Area, Upper Kali Gandaki Valley, Central Nepal

*Noa Matsuda1, Kohki YOSHIDA1 (1. Shinshu University)
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【ハイライト講演】ネパールの山岳地帯で,従来は地形判読からモレーンとされていた粗粒堆積物を,約1.5 kmに及ぶ連続露頭から再検討する.礫の種類や内部構造,木化石,未固結の地層ブロックと年代測定から,約1.3万年前の岩石なだれや土石流によって形成され,その発生に氷河湖決壊が関与した可能性を示す.野外観察から従来説を見直す研究である. ※ハイライト講演とは...

Keywords:

Landslide,Orogenic belt,Landslide deposit,Quaternary


 造山帯では、山脈の隆起・削剥・堆積が繰り返されることで現在の地形が形成される。このため、現地形はこれらのプロセスの履歴と密接に関連している。中央ネパールのカリガンダキ川谷底は、モレーン堆積物・氷河性河川堆積物・地すべり堆積物などの新しい堆積物によって充填されている。
Larjung-Lete 周辺はダウラギリ山群とアンナプルナ山群に挟まれた峡谷であり、カリガンダキ川の川幅が最も狭められている地域である。Larjung周辺には特に Annapurna Formation(石灰質泥質片岩・変成石灰岩)および Nilgiri Formation(ピンク色砂岩・石英岩)が分布し(1)、これらは新第三系-第四系の堆積物に不整合で覆われる(2)。
Larjung では先行研究によりモレーン堆積物の分布が報告されている(3)が、これは地形判読に基づくものであり、堆積物そのものの観察に基づくものではない。本研究では、新たに露出した露頭を調査し、堆積物の岩相解析を行うことで、その形成過程を明らかにすることを目的とする。
 Larjung 地域新たに露出した連続露頭を対象に、堆積物の岩相観察・記載を行った。礫の種類、礫の含有量、基質の性質、固結度、内部構造、ブロック状堆積物や木化石の産状などを記録し、岩相区分および礫岩相の分類を行った。
 調査の結果、Larjung の道路沿いに約 1.5 kmにわたって連続して露出する堆積物は、互いに漸移する6 つの Facies とそれらの組み合わせからなる基質支持礫岩および礫質砂岩、基質支持石灰質角礫岩、基質支持角礫岩の 3 つの礫岩相から構成されることがわかった。
また、礫岩中には破壊されていない未固結の堆積物ブロックが多数含まれ、それらは砂と泥の堆積物からなるものと円礫堆積物からなるものの両方が認められる。さらに、密集する木化石や、ジグゾー型の割れ目をもつ礫も確認される。
礫の組成は石灰岩や石灰質砂岩、石英質砂岩が卓越し、周囲に分布する Annapurna Formation と Nilgiri Formation に対比できる。特に Nilgiri Formation 上位にのみ見られるピンク色砂岩が特徴的に含まれている。また、現生のカリガンダキ川に多く含まれる花崗岩礫はほとんど認められない。
礫岩基質から産出した木化石については年代測定を(株)パレオ・ラボに依頼し、その結果から堆積物の形成時期は約 1.3 万年前と推定される。
 観察された堆積物は、未固結ブロック、木化石の密集、ジグゾー型割れ目をもつ礫など、モレーン堆積物とは矛盾する特徴を示す。礫種・礫の含有量・基質の違いから、数回の岩石なだれまたは土石流イベントが発生したと推測される。内部構造の変化は、単一の崩壊イベント内で密度や流動速度の違いが岩相として反映された可能性を示す。
砂泥質・円礫質の未固結ブロックについては、段丘堆積物、あるいは氷河湖周辺の堆積物であった可能性がある。また、礫組成より供給源の主体はダウラギリ山群(カリガンダキ川西岸)に由来すると考えられる。
さらに、花崗岩礫がほとんど含まれないことは、形成時にカリガンダキ川とは異なる独立した水系や湖が存在した環境であったことを示唆する。すなわち、ダウラギリ山群の斜面に存在した河川・湖から供給された堆積物である可能性が高い。
また、約 1.3 万年前という年代が得られたことは、後期更新世の終わりから完新世最初期に存在した氷河湖の決壊が、この堆積物を形成した要因であったことを示唆する。氷河湖決壊に伴う大量の水と土砂の流出は、岩石なだれ・土石流イベントと整合的であり、本地域の粗粒堆積物の形成過程を説明しうる。
(1)Godin, L. 2003. Journal of Asian Earth Sciences, 22(4), 307-328
(2)Fort et al., 1982. Zeitschrift für Geomorphologie, 42, 75-98.
(3)Iwata, S., 1984. Geographical Reports of Tokyo Metropolitan University, 19, 25-42.

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