Presentation Information
[T16-O-5]Sedimentary facies, sequence, and chorono-stratigraphy, and sedimentary history of the Upper Cretaceous Kuji Group, Northeast Japan: Perspectives from of examples of regional geology and stratigraphy researches
*Hisao ANDO1 (1. Fukui Prefectural University)
Keywords:
Cretaceous,Kuji Group,Sequence stratrigraphy,Chronostratigraphy,Sediment history,Zircon U-Pb radiometric age
東北地方北部の太平洋沿岸に分布する上部白亜系久慈層群(厚さ300~450 m)について,堆積相およびシーケンス層序学的解析を行った.計26の堆積相(F1~F26),陸成〜浅海成の7つの堆積環境に対応する堆積相組合せ(FA)が識別された:TP (崖錐-乾燥池),BR (砂礫質網状河川),MR (砂質蛇行河川),IBE (内湾-エスチュアリー), USF (上部外浜),LSF (下部外浜),IS (内側陸棚).最下位の玉川層はFA-BR, MR, IBE,その上位の国丹層はFA-USF, LSF, IS,最上位の沢山層はFA- MRを主体とする.玉川海岸の全面露出セクションを規準にしながら,露出の限られる内陸域では先行研究のデータも参考にしながら,隣接調査毎の詳細な堆積相層序,層序境界面の対比から久慈層群では5つの堆積シーケンス(DS1~DS5)が追跡でき,それぞれのシーケンス境界や堆積体も識別した.DS1~DS4は低海水準期堆積体 (LST),(TST),および(HST)から構成される一方, DS5はLSTのみからなる.これらのDS第3次オーダーとみなされる.さらに,DS1内のTST1から4つのパラシーケンス(PS1-1~1-4)が,DS4内のTST4からHST4までから6つのパラシーケンス(PS4-1~4-6)が同定され,高頻度の海進・海退サイクルが示唆された.6層の酸性凝灰岩試料から抽出されたジルコンのU-Pb放射性年代測定結果とArimoto et al. (2018)で示された,および安定炭素同位体層序とU-Pb年代測定を統合した年代層序から,久慈層群の堆積年代は92.6~79.1 Maの範囲にあり,チューロニアン中期からカンパニアン中期に相当する.5つのDSは,それぞれチューロニアン中期 (DS1),チューロニアン中後期 (DS2),チューロニアン後期〜コニアシアン後期 (DS3),サントニアン〜カンパニアン前期 (DS4),カンパニアン前期 (DS2) の形成年代と推定される.
砂岩および礫岩の斜交層理の傾斜方向から測定された古流向分布は,全域にわたって南西~北東方向が優勢であることを示している.白亜紀後期以降の本州北部(東北地方)における地殻の反時計回り回転(30~40˚)を復元すると,古ユーラシア大陸東縁の蝦夷前弧堆積盆の西縁に沿って南北に延びる海岸線が広がり,西側には東向きに流れる礫質の網目状河川から砂質の蛇行河川平野がいくつか存在し,東側には閉鎖された湾・河口域と波浪卓越側の外浜から内側陸棚の浅海域が続いていた.堆積相,シーケンス層序,古流向,年代層序の分析を統合することにより,久慈層群の各DSに対応する5段階の堆積史が再構築された.久慈層群は,蝦夷前弧堆積盆の西縁に沿って,おそらく地域的なテクトニクスおよび海面変動によって制御された5回の相対海面変動を経て堆積した.これらの久慈層群の堆積様式は,太平洋沖の海底下を含めた日本における後期白亜紀の地史や古地理を復元するための基礎的な地質学的情報を提供する.
また,恐竜やサメなどの陸生・海生大型脊椎動物,アンモナイトや浅海底生軟体動物,および胞子や花粉,琥珀,材,葉などの植物化石などが多産する,久慈層群の生物相や古生態系の古生物地理学的,地質学的背景を把握するための貴重な情報を提供する.本発表ではこうした地域地質や層序の基礎的な研究例から展開される,地質・古生物学的な意義について考える.
文献:Arimoto et al. (2018) Cretaceous Research, 92, 264-278.
砂岩および礫岩の斜交層理の傾斜方向から測定された古流向分布は,全域にわたって南西~北東方向が優勢であることを示している.白亜紀後期以降の本州北部(東北地方)における地殻の反時計回り回転(30~40˚)を復元すると,古ユーラシア大陸東縁の蝦夷前弧堆積盆の西縁に沿って南北に延びる海岸線が広がり,西側には東向きに流れる礫質の網目状河川から砂質の蛇行河川平野がいくつか存在し,東側には閉鎖された湾・河口域と波浪卓越側の外浜から内側陸棚の浅海域が続いていた.堆積相,シーケンス層序,古流向,年代層序の分析を統合することにより,久慈層群の各DSに対応する5段階の堆積史が再構築された.久慈層群は,蝦夷前弧堆積盆の西縁に沿って,おそらく地域的なテクトニクスおよび海面変動によって制御された5回の相対海面変動を経て堆積した.これらの久慈層群の堆積様式は,太平洋沖の海底下を含めた日本における後期白亜紀の地史や古地理を復元するための基礎的な地質学的情報を提供する.
また,恐竜やサメなどの陸生・海生大型脊椎動物,アンモナイトや浅海底生軟体動物,および胞子や花粉,琥珀,材,葉などの植物化石などが多産する,久慈層群の生物相や古生態系の古生物地理学的,地質学的背景を把握するための貴重な情報を提供する.本発表ではこうした地域地質や層序の基礎的な研究例から展開される,地質・古生物学的な意義について考える.
文献:Arimoto et al. (2018) Cretaceous Research, 92, 264-278.
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