Presentation Information
[T10-P-4]Project Plan of the Horoman Mantle Drilling and Carbon Injection
*Ikuo Katayama1, Marguerite Godard2, Katsuyoshi Michibayashi3, Peter Kelemen4, Juerg Matter5, Manuel Menzel6, Hiroshi Ichihara3, Yui Kouketsu3, Naoki Nishiyama7, Yuki Morono8, Yuya Akamatsu8, Tomoaki Morishita9 (1. Kyoto University, 2. Montpellier University, 3. Nagoya University, 4. Columbia University, 5. University of Southampton, 6. IACT-CSIC, 7. AIST, 8. JAMSTEC, 9. Kanazawa University)
【ハイライト講演】変質の程度が非常に小さい特徴的な地質体として世界的にも知られる幌満かんらん岩体を約100 m掘削し,地下へCO₂流体を注入する国際陸上科学掘削計画(ICDP)についての講演です.岩石物性・流体化学・微生物学などを統合して炭酸塩化の進行をその場で捉え,マントルへの炭素固定の速度と量を明らかにします.オマーンとの比較から,地球内部の炭素循環の理解と,将来の安全なCO₂地中貯留への応用を目指す注目のプロジェクトの概要を紹介してもらいます. ※ハイライト講演とは...
Keywords:
Mantle,Carbonation,Horoman peridotite
地球内部への炭素輸送は,海洋プレート上部の堆積物や変質した海洋地殻が担うとされてきたが,マントルの炭酸塩化によってグローバルな炭素循環は大きな転換点を迎えているかもしない。近年の地球物理観測によると,海溝付近のアウターライズ領域では,海水がマントルにまで浸入していることが示唆されており,海水に溶け込む溶存炭素はマントルに固定されている可能性が高い。しかし,自然界でのカンラン岩と炭素流体の反応にかかる時間スケールが未解明であることと,地球物理データからマントルの炭酸塩化を評価する指標が確立されていないことにより,どの程度の炭素がマントルに固定され地球内部へ輸送されているかは明らかとなっていない。そこで我々は,マントルを代表する新鮮なカンラン岩が露出する幌満カンラン岩体において炭素流体の注入試験を実施し,フィールドスケールでの炭素固定反応の時空間変動を検証するとともに,マントル中の炭素固定モニタリング手法を開発するプロジェクトを計画している。
本プロジェクトでは,幌満カンラン岩体において深さ100m程度の掘削を行い,破砕帯など既存の割れ目系が存在する深度へ二酸化炭素流体を注入する予定である。オマーンオフィオライトでは同様の実験が一昨年に行われているが,カンラン石の溶解反応速度は蛇紋石より速いとの報告があり,変質した蛇紋岩が露出するオマーンと新鮮なカンラン岩が分布する幌満での結果を比較する。なお,フィールドでの炭酸塩化反応は室内実験より数桁以上速く進むとも言われており,その要因として考えられる微生物活動の影響についても検討する。また,炭素流体の注入実験中は,地震波速度,電気比抵抗,重力観測などの物理計測ならびに流体の化学トレーサー解析などを行い,地下で同時的に進行する流体移動と炭素鉱物化反応を見分けるプロキシの開発にあたる。そして最終的には,地球物理観測をもとに現在の海底下マントルで固定される炭素量を推定し,地球内部へ輸送されるグローバルな炭素フラックスを見積もることを目指す。
本プロジェクトはまだ計画段階であり,皆さんからの忌憚のないコメントや新たなアイデアをお願いするとともに,様々なアローチからプロジェクトへの参画を期待したい。
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