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[T1-P-5]Formation of andesites along the Median Tectonic Line and their thermal effects

*Daichi SHIRAI1, Keita NAKANO2, Youhei HAMADA3, Weiren LIN4, Arito SAKAGUCHI1 (1. Yamaguchi Univercity, 2. Hokkaido Research Organization, 3. JAMSTEC, 4. Kyoto Univercity)
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Keywords:

Median Tectonic Line,Vitrinite reflectance,Boring core,XRD,Hydrothermal alteration

【はじめに】愛媛県西条市湯谷口周辺の中央構造線沿いには安山岩が分布している(高橋, 1977)が、この安山岩が断層沿いにマグマとして貫入してきたのか、もしくは断層運動に伴いブロックとして移動、定置したものかは明らかではない。また、安山岩の形成に伴って周辺層がどの程度の熱的影響、変質を受けたかが明らかではない。そこで本研究ではビトリナイト反射率およびXRDを用いて周辺層の古地温および熱水変質状態から断層沿いの熱異常を評価した。本研究では中央構造線を貫いて掘削された2つのコア(Miyawaki & Sakaguchi, 2021)を用いた。H31MTLD-3の岩相は下位から三波川変成岩類、和泉層群、扇状地堆積物の砂礫層からなる総長80 m のコアである。R2MTLTD-1の岩相は下位から三波川変成岩類、和泉層群、岡村層群、扇状地堆積の砂礫層からなる総長120 mのコアである。例えば、H31MTLD-3のコアでは、和泉層群は全体的に割れ目が卓越しており、また、コア長53.3 mから53.9 m地点まで凝灰岩が分布し、コア長54.0 mから55.28 m地点は安山岩が分布している。コア長55.28 m地点では厚さ約5 mmの断層ガウジが狭在している。安山岩は破砕され、変質を受けており、急冷周縁相などマグマ貫入を直接示す組織は確認されなかった。
【手法】ビトリナイト反射率測定にはボーリングコア試料および掘削地点から離れた和泉層群の露頭より炭質物が含まれている岩石を用いた。ビトリナイト反射率分析には、ISO 7404-5およびJIS M8816に準拠し、山口大学設置の測定器(坂口・向吉、 2011)を用いた。岩石試料の熱伝導率および熱拡散率は、京都大学設置のHot Disk AB社製ホットディスク法熱物性測定装置TPS1500を使用した。ビトリナイト反射率から古地温の推定はSweeney&Burnham(1900)に基づきGNU Octaveにて熱モデルを推定した。XRD分析は水簸法にて2 µm未満の粒子をスライドガラスに塗布し自然乾燥させ山口大学設置MiniFlex600を用いた。
【結果・考察】H31MTLD-3から9試料、R2MTLD-1から10試料、そして掘削地点周辺3 km範囲内の露頭から6試料のビトリナイト反射率を測定した。その結果、周辺域のビトリナイト反射率は約0.8%程度で一定しており、H31MTLD-3の安山岩層から39.4 m離れた地点まで約0.8 %の値を示した。断層および安山岩影響を受けていない母岩のビトリナイト反射率は約0.8%程度と考えられる。これに対してビトリナイト反射率は安山岩ユニットに近づくにつれ連続的かつ急に上がり、安山岩から1.7 m地点で最大値3.6%の値が得られた。R2MTLD-1のコアもH31MTLD-3のコアと同様に安山岩に近づくほどビトリナイト反射率は上昇し、3.6 mの地点で約2.8%の値を示した。断層帯から離れるにつれてビトリナイト反射率は低下し、その減衰カーブを外挿すると断層から約86 mの距離で母岩の平均値0.8%になる。しかし実際には断層から39.4 mのところで約0.8%のビトリナイト反射率が得られている。断層周辺の熱的影響の範囲は両者の間にあるだろう。断層沿いの熱水による変質作用を評価するためにH31MTLD-3コアの安山岩4試料(コア長51.4 m, 41.3 m, 32.0 m, 21.2 m)をXRD分析した。その結果、主要な粘土鉱物はイライト、緑泥石であった。イライトと緑泥石のピーク強度は浅部より深部の方が高く、断層周囲ではイライトと緑泥石が顕著に高い。そしてイライト結晶度は安山岩に近づくほどイライト結晶度は0.20 Δ°2θと小さくなる。もしもイライトおよび緑泥石が熱水作用の共生関係であったならば、熱水の温度は約250~350 ℃で(井上, 1986)あったと推定される。本研究のビトリナイト反射率分布が獲得されるためには、どのくらいの温度が何時間必要であるのかをシミュレートした。その結果、断層近傍の高いビトリナイト反射率を説明するためには約890 ℃の熱源が必要であり、その一方で86 mもの幅広い熱異常を説明するためには最大で約11年間の時間が必要であることがわかった厚さ約2 mの安山岩が11年間も高温を保持し続けることには検討の余地がある。マグマ貫入だけでなく、熱水による持続的な加熱があった可能性がある。
【引用文献】井上厚行(1986)鉱物学雑誌, 17, 75-82.Sweeney, J. J. and Burnham, A. K.(1990)The American Association of Petroleum Geologists Bulletin, 74, 1559-1570.Miyawaki, M. and Sakaguchi, A.(2021)Earth, Planets and Space, 73.坂口有人・向吉秀樹(2011)地質学雑誌, 118, 240-244.高橋浩郎(1977)地質学雑誌, 83, 325-340.

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