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[T1-P-6]The origin of the Kurosegawa Belt in Shirokawa Town, Seiyo City, Ehime Prefecture and Yusuhara Town, Kochi Prefecture, Southwest Japan

*Ryo NAKAMURA1, Tomohiro TSUJI1, Hideki IWANO,2, Tohru DANHARA2 (1. Graduate School of Sciences and Technology for innovation, Yamaguchi University, 2. Kyoto Fission-Track Co., Ltd.)
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Keywords:

Kurosegawa Belt,Structural geology,Zircon U-Pb geochronology,Field geology,Tectonics

【はじめに】黒瀬川帯は,周囲の海洋起源付加体とは異なり,高度変成岩類,圧砕花崗岩類,シルル—デボン系の岡成層群,および中・古生代の陸棚堆積層といった大陸親縁性の異地性岩塊群で構成される.本帯は西南日本外帯のジュラ紀付加体中に断続分布する地体構造単位であり,日本列島の基盤がアジア大陸縁辺のどの位置で形成されたかを探る上で不可欠な指標である(磯﨑・板谷,1991;波田,2023).しかし,各岩塊の母大陸特定や砕屑物を供給した火成弧の消失原因は未だ不明である.本研究は,愛媛県城川町から高知県梼原町における野外地質調査と砕屑性ジルコンU-Pb年代測定を統合し,構成岩類の形成場と後背地を検討することを目的とする.
【地質概要】調査地域には付加コンプレックス,整然堆積岩層,変成岩類,および花崗岩類が分布し,岩相境界の一部は蛇紋岩により画される.堆積岩層は概ね東西走向・北低角度傾斜を示す一方,変成岩類のうち泥質片岩や緑色片岩は北へ高角度で傾斜する.花崗岩類は剪断による圧砕組織が顕著で,緑泥石化細脈の注入により緑色を呈する.蛇紋岩は分布幅の広い地点において,かんらん岩等のゼノリスを伴うメランジュ状の産状を呈する.
【結果】砂岩のジルコンU-Pb年代測定(LA-ICP-MS法)を行い,最大堆積年代(MDA)を算出した.トリアス紀付加体:南部のスレート中の砂岩ブロック(試料名:25060608)のMDAは約210 Ma(トリアス紀後期)を示す.年代分布はトリアス紀に顕著なピークを持ち,約1900~1800 Maにもピークを持つ.最古の年代は約2500 Maを含むが1000~400 Maを欠く.鏡下観察ではスレート中ブロックは石英主体で泥岩の偽礫や火山岩片を含む.ジュラ紀粗粒砕屑岩層:梼原町松谷では礫岩が花崗閃緑岩と断層を介さずに接し,その基質の砂岩から年代測定試料(試料名:25110107C)を採取した.本試料のMDAは約174 Ma(ジュラ紀中期)を示す.年代分布は400~170 Maが卓越する一方,約2900~900 Maの先カンブリア時代の年代を広範囲に含む.鏡下観察の結果,岩相ごとに組織・組成の差異が認められた.本ユニットと考えられる別サンプルの砂岩は,円磨度が比較的良く,粒子支持組織を呈し,特に深成岩片に富む
【考察】トリアス紀後期砂岩(25060608)は,1000~400 Maの年代の欠損に加え,1900~1800 Maに顕著なピークを持ち,2500 Maの年代を含むことから,北中国地塊(NCB)の主要な基盤の年代スペクトル(Darby and Gehrels, 2006;Shi et al., 2013)と類似する.これはトリアス紀中-後期の南北中国地塊衝突に伴い,隆起・露出したNCB側の古い基盤砕屑物が,衝突帯前面の南中国地塊(SCB)側の海溝へ大量流入・付加したプロセスを記録している(Bruguier et al., 1997)可能性がある.ジュラ紀中期砂岩(25110107C)は,2900~900 Maの年代分布を有しており,これはカタイシアブロックに分布する中生代砂岩から得られたジルコンの年代スペクトルの特徴(Meng et al., 2015)と調和的である.古生代後期から中生代(400~170 Ma)由来の粒子が卓越し,古いジルコンにピークが認められないことから大陸縁辺,もしくは火山弧における活発な火成活動を反映している(Hara et al., 2018)と考えられる.本層はシルル紀の三滝花崗岩類(約450~430 Ma)と直接接するが,年代スペクトルに同時代のピークを欠く.この結果から供給源がペルム紀~ジュラ紀の火成活動に関連した別個の岩体である可能性があり,詳細な検討が必要である.結論として,本地域の黒瀬川帯は北中国地塊や南中国地塊など複数の起源を有し,それらの異地性岩塊がジュラ紀以降に集合した地質体であることが示唆される.
【引用文献】 Bruguier et al. (1997), Earth and Planetary Science Letters, 152, 217-231., Darby and Gehrels (2006), Journal of Asian Earth Sciences, 26, 637-648., 波田 (2023), 地質学雑誌, 129, 319-338., Hara et al. (2018), Journal of Asian Earth Sciences, 151, 112-130., 磯﨑・板谷 (1991), 地質学雑誌, 97, 431-450., Meng et al. (2015), Journal of Asian Earth Sciences, 105, 286-299., Shi et al. (2013), Precambrian Research, 231, 19-60

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