Presentation Information
[T3-P-2]Rheological properties of clay-containing Martian regolith simulant slurries
*Jun Kameda1 (1. Institute for Planetary Materials, Okayama University)
Keywords:
Martian regolith simulant,slurry,rheology
火星では、現在でも地下や塩水環境において局所的に液体の水が存在する可能性が指摘されているほか(Mangold, 2003)、過去には河川、湖沼、さらには海洋環境が発達していたと考えられている(Carr and Head, 2003)。そのため、含水レゴリスの流動特性は、火星表層における土砂移動や堆積・侵食過程、地形形成メカニズムを理解する上で重要な基礎情報となる。また、将来の長期有人探査や居住を見据えた現地資源利用(ISRU)においても、レゴリススラリーの輸送、成形、3Dプリンティング、建設材料化などへの応用が期待されており、そのレオロジー特性の把握が求められている。
本研究では、スメクタイト含有量の異なる2種類の火星レゴリス模擬物質、JEZ-1およびMGS-1C (Cannon et. al., 2019)を対象として、水分散スラリーのレオロジー特性を評価した。フローカーブ測定、クリープ試験、振幅掃引試験、in-shear recovery試験を行い、さらにボールミル粉砕時間が流動特性に及ぼす影響について検討した。
その結果、両スラリーはいずれも降伏応力流体としての挙動を示し、ランプダウン時の応力がランプアップ時を上回るアンチチキソトロピックなヒステリシスが観察された。降伏応力は固体濃度に依存し、べき乗則に従う関係を示した。また、同一固体濃度では、MGS-1Cの方が高いせん断応力および弾性率を示し、スメクタイト含有量の違いが影響している可能性が示唆された。一方、JEZ-1では、ボールミルによる粉砕時間の増加に伴って粒径が系統的に減少し、それに伴いヒステリシスも低下したのに対し、MGS-1Cでは顕著な変化はみられなかった。これらの結果は、粘土鉱物、とりわけスメクタイトの存在が火星レゴリスの流動特性や堆積挙動に大きな影響を与える可能性を示している。また、ISRUの観点からは、JEZ-1は比較的低い降伏応力と高い加工性を有するためスラリー輸送や成形に適している一方、MGS-1Cは高い粘土含有量に起因する強いバインダー効果を利用した高強度材料の作製に有利である可能性がある。今後は、低温・低圧・低重力環境下での流動特性評価を行うことで、火星表層プロセスの理解とISRU技術開発の両面に貢献できると考えられる。
文献
Cannon KM et. al., Icarus, 317 470–478, (2019).
Carr MH and Head JW, JGR: Planets, 108, (2003). doi.org/10.1029/2002JE001963
Mangold N, JGR: Planets, 108, (2003). doi.org/10.1029/2002JE001885
本研究では、スメクタイト含有量の異なる2種類の火星レゴリス模擬物質、JEZ-1およびMGS-1C (Cannon et. al., 2019)を対象として、水分散スラリーのレオロジー特性を評価した。フローカーブ測定、クリープ試験、振幅掃引試験、in-shear recovery試験を行い、さらにボールミル粉砕時間が流動特性に及ぼす影響について検討した。
その結果、両スラリーはいずれも降伏応力流体としての挙動を示し、ランプダウン時の応力がランプアップ時を上回るアンチチキソトロピックなヒステリシスが観察された。降伏応力は固体濃度に依存し、べき乗則に従う関係を示した。また、同一固体濃度では、MGS-1Cの方が高いせん断応力および弾性率を示し、スメクタイト含有量の違いが影響している可能性が示唆された。一方、JEZ-1では、ボールミルによる粉砕時間の増加に伴って粒径が系統的に減少し、それに伴いヒステリシスも低下したのに対し、MGS-1Cでは顕著な変化はみられなかった。これらの結果は、粘土鉱物、とりわけスメクタイトの存在が火星レゴリスの流動特性や堆積挙動に大きな影響を与える可能性を示している。また、ISRUの観点からは、JEZ-1は比較的低い降伏応力と高い加工性を有するためスラリー輸送や成形に適している一方、MGS-1Cは高い粘土含有量に起因する強いバインダー効果を利用した高強度材料の作製に有利である可能性がある。今後は、低温・低圧・低重力環境下での流動特性評価を行うことで、火星表層プロセスの理解とISRU技術開発の両面に貢献できると考えられる。
文献
Cannon KM et. al., Icarus, 317 470–478, (2019).
Carr MH and Head JW, JGR: Planets, 108, (2003). doi.org/10.1029/2002JE001963
Mangold N, JGR: Planets, 108, (2003). doi.org/10.1029/2002JE001885
Comment
To browse or post comments, you must log in.Log in
