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[T3-P-3]Observations of water behavior associated with grain growth using a rock analogue under heating conditions

*Riko YAMAUCHI1, Junichi FUKUDA1 (1. Osaka Metropolitan University)
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Keywords:

Rock analogue,Camphor,Fluid,Grain growth,Textural change,Infrared spectroscopic measurement


 地殻内部において結晶粒径や流体は、岩石の変形や反応に寄与する重要な要素である。粒成長過程は粒界移動を伴い、温度上昇により促進される。また異なる温度下で異なる移動度を示す粒界と流体との相互作用により、流体同士の合体、流体の粒界への導入や放出などを通して、地殻内部における流体の分布が変化することが考えられる(Fukuda 2026)。
これまでに、石英や長石などの地殻構成物質の多結晶体について、高温高圧下での粒成長実験が行われてきた。しかし、岩石を用いた粒成長実験では、対象とする物質の粒成長パラメータが得られるが、各実験後に試料を回収して組織観察をするため、粒成長過程や流体移動などの動的な挙動を直接観察することはできない。一方、岩石模擬物質として用いられる有機結晶は、場合によっては室温でも粒成長が起こるため、光学顕微鏡下でその過程をリアルタイムに観察できる。Fukuda(2024)は樟脳(C10H16O)多結晶体を用いて、室温での粒成長過程のリアルタイム観察を行った。Fukuda(2026)では樟脳-エタノールを用いて樟脳の粒成長中の流体挙動の観察を行い、粒界と流体との相互作用について報告した。これらの実験は室温で行われたが、加熱により粒界移動度が変化する条件下においては、粒界と流体の相互作用が変化し、流体挙動に影響を与える可能性がある。
粒成長に伴う流体挙動を支配するその他の要因として、物質の流体への溶解度や二面角が重要であると考えられる。Fukuda(2026)で用いられた樟脳-エタノールでは、エタノールに対する樟脳の溶解度が約1 kg/Lと非常に高く、二面角も小さいために流体が粒界に広がりやすい。これに対して、樟脳-水では、水に対する樟脳の溶解度は約1 g/Lと極めて低く、二面角も大きいと考えられる。したがって、樟脳中の水はエタノールよりも粒界に広がりにくいと予想される。
そこで本研究では、樟脳にとって、溶解度や二面角の特性がエタノールとは対照的な水を用いることで、加熱下での粒成長や粒成長に伴う流体の挙動を評価する。
実験手順として、まず粉末状の樟脳7-8 mgに約10 wt%の水を混合し、2枚のスライドガラス間で圧縮した。このとき大部分の水は樟脳外に排出され、一部の水は密な樟脳集合体内部に残存する。この工程により樟脳の平均粒径8-10 µmの密な多結晶体に水が数面積%分布する試料を準備した。次にこの試料を光学顕微鏡ステージにセットし、室温(24℃)と、加熱装置を設置し、35℃、50℃の各温度条件下で粒成長実験を行った。光学顕微鏡下で粒成長およびそれに伴う水の挙動を動画撮影し、一定時間ごとのスナップショットから結晶粒径を測定した。そして、粒成長則dn-d0n∝exp(-Q/RT)tに基づいて粒径指数nおよび活性化エネルギーQを算出した。さらに試料の赤外分光測定を行い、波数域3800-3000 cm-1に見られる水のO-H伸縮振動の吸光度から、樟脳多結晶中に保持されている水の定量を行った。
実験の結果、温度上昇に伴い粒成長速度が大きくなり、得られた粒径指数は3.2±0.8、活性化エネルギーは52.8±1.4 kJ/molであった。これらの値はFukuda(2024)で報告された樟脳集合体のみについての値と調和的であり、これまでに報告されている様々なケイ酸塩鉱物の値(Karato 2008にまとめ)と調和的であった。
光学顕微鏡下で、水は0.5-2 µm程度の水滴として粒界に孤立して分布することが確認された。そして粒成長に伴って粒界が移動する際、移動する粒界に接した水滴はその粒界に引きずられながら移動し、近接する複数の水滴同士が合体してより大きな水滴に変化する過程が観察された。この水滴同士の合体が進む結果、水滴の数は減少し、個々の水滴のサイズは大きくなることが確認された。また、赤外分光測定の結果から、樟脳多結晶体中に保持されている水分量は0.56 vol%と定量され、これは光学顕微鏡下での平面観察から見積もられる数面積%の分布量と調和的であった。

Fukuda J. (2024) Grain growth of camphor as a rock analogue: microstructural development and grain growth law. Journal of Mineralogical and Petrological Sciences. Vol. 119:010
Fukuda J. (2026) Fluid behavior in rocks during grain growth: insights from analogue experiments using camphor-ethanol mixtures. Journal of Mineralogical and Petrological Sciences. Vol. 121:004
Karato S. (2008) Deformation of Earth Materials. Cambridge University Press.

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