Presentation Information
[T3-P-12]Characteristics of the Latest Slip Zone of the Neodani Fault based on various non-destructive tests
*Yusei YAMADA1, Tomoyuki OHTANI1 (1. Gifu University)
Keywords:
Neodani Fault,CT value,magnetic susceptibility,Gamma-ray density
活断層の活動履歴を評価する方法として,一般にはトレンチ調査が用いられる.トレンチ調査は第四紀に堆積した地層を対象として観察を行うことにより活動履歴を評価することができる.しかし,地下のように基盤岩しか分布しない場合には,第四紀層を用いることができない.そのため,ボーリングコア試料等を用いて活動性を評価する方法が求められる.最新すべり面と比べて,古い断層ガウジは変位を生じてから時間が経過し,鉱物充填等により物性値が変化すると期待される.断層活動に伴う物性値の変化を見出すことができれば,ボーリングの検層により活動性評価を行える可能性がある.そこで,基盤岩中に発達し,最近すべりを生じたことが明らかである断層破砕帯のボーリングコアを用いて,地下における断層の最新すべり面の特徴を各種非破壊試験により明らかにすることが本研究の目的である.
本研究は根尾谷断層を対象として,原子力規制庁が岐阜県本巣市根尾長嶺地区で掘削したボーリング孔R3NDFD-1-S1のコア試料を用いる。根尾長嶺地区では,1891年濃尾地震の際にほぼ純粋な左横ずれが生じており,その変位量は6.2 mである(粟田ほか,1999).R3NDFD-1-S1はR3NDFD-1孔のサイドトラック孔であり,最新すべり面は64.80~66.16mにかけて分布している.この地域では美濃帯の泥岩基質メランジュが分布しており,ブロックとして砂岩,頁岩,珪質頁岩,チャート,緑色岩,石灰岩などが含まれている(木村ほか,1998).このうちボーリング孔では,砂岩,チャートのブロックが主にみられる.最新すべり面付近には,軟質の断層ガウジとやや硬質の断層ガウジが分布している.軟質の断層ガウジは最新すべり面に沿って分布するとともに,高い帯磁率を示す部分を含んでいる.やや硬質の断層ガウジは最新すべり面沿いに局所的に分布する.
ボーリングコアのX線CT観察,ガンマ線密度,帯磁率,自然ガンマ線強度測定を行った.CT値は,最新すべり面に沿って低い領域が認められる.ガンマ線密度は最新すべり面の近傍である65.5~66.0 mで周囲より低い値を示す.65.5 m以浅ではサイドトラック掘削に伴うセメントの影響により低い値を示すものの,66.0 m以深では約 2.3 Mg/m³で安定している.帯磁率は局所的に高い帯磁率を示す箇所が認められ,特に最新すべり面付近に多く分布する.自然ガンマ線強度は最新すべり面及びその近傍では明瞭な変化は認められない.これらの値を比較すると,CT値はガンマ線密度と正の相関を示す.一方で,CT値は帯磁率および自然ガンマ線との間には明確な相関は認められない.
最新すべり面におけるCT値とガンマ線密度の低下は,最近の断層活動による断層ガウジのダイレイタンシーにともなる密度低下を反映していると考えられる.また帯磁率の上昇は断層活動時に摩擦発熱が生じたことで磁鉄鉱が形成したことが要因であるとみなすことができる.
本研究の一部は高知大学海洋コア国際研究所共同利用・共同研究(23B064)のもとで実施されました。ここに記して感謝の意を表します。
引用文献:
粟田ほか(1999)地質調査所速報, EQ/99/3, 115-130
木村ほか(1998)地質学論集,50,101–121.
矢田部ほか(2022)JpGU2022講演要旨集, SSS13-05.
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