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[T3-O-21]Effects of spatiotemporal heterogeneity in pore pressure distribution along a fault plane on fault reactivation
*Riku IWATA1,2, Manami Kitamura2, Shin-ichi Uehara1 (1. Toho University Graduate School of Science, 2. GSJ, AIST)
Keywords:
injection induced earthquake,FEM
地下岩盤への流体圧入は地熱開発等で行われるが、間隙水圧 (Pp) 増加は断層面の有効法線応力 (σneff) を低下させ断層の再活動を誘発しうる (Ellsworth, 2013)。また亀裂構造の透水性の不均一性が誘発地震の発生様式を規定することが示唆されている (Duboeuf et al., 2017)。そのため注水誘発地震の発生メカニズム解明には、断層面Pp分布の時空間変化とその不均一性を規定する要因の解明が必要である。先行研究では坑井と模擬断層の位置関係や母岩浸透率 (Rutter & Hackston, 2017)、間隙水圧増加率 (rp) (Passelégue et al., 2018)、断層面粗さに起因する開口幅分布 (Chen et al., 2021)等がPp分布の不均一性に影響しうることが示唆されている。しかし、断層面Pp分布の定量的な評価や、流路条件の違いに起因する断層面Pp分布および断層すべり特性への影響については、十分に検討されていない。本研究では、流路の異なる地下環境を模擬した2種類の岩石試料 (注水孔あり・なし) を用いた室内注水実験と2次元有限要素法 (FEM) 解析により、Ppおよびσneff分布が断層すべり特性に与える影響を調べた。室内実験では、断層面粗さに起因する断層面浸透率、rp、および母岩浸透率と、注水時のσneff変化との関係に着目した。
室内実験には油圧式三軸試験機を用い、全実験で軸方向に対して30°の断層面を有する試料を用いた。封圧・初期Pp一定下で軸変位載荷を行い、スティック-スリップ発生後に軸変位一定下で上流側Ppを上昇させた。実験は主に2種類実施した。1つ目は、断層面粗さによる断層面浸透率およびrpがすべり挙動に与える影響を評価する実験で、注水孔を設けた庵治花崗岩試料を用い、断層面粗さ (#80, #3000) およびvp (0.1, 1.0 MPa/min) の組み合わせによるすべり挙動の相違に着目した (封圧60 MPa, 初期Pp0.1 MPa, 軸載荷速度1.7 µm/s)。2つ目は、注水孔を有しない稲田花崗岩試料 (未処理および150, 300, 450℃熱処理) を用い、封圧33 MPa, 初期Pp・下流側Pp2 MPa, 軸変位速度3 µm/s, 注水速度0.05 ml/minにて上流側Ppを段階的に上昇させた。また、軸方向に対して平行な断層面を有する庵治花崗岩試料を用いた透水試験結果 (底押, 2017年度東邦大学卒業研究論文) から、水理学的開口幅を有効圧の関数として定式化し、COMSOL Multiphysicsによる2次元FEMダルシー流解析をおこない、断層面Pp分布の時空間変化を算出した。
応力降下直前のσneffとτは断層面粗さ・母岩浸透率に依存せず、正の線形関係を示した。断層面粗さ・rp依存性実験では、各粗さ条件においてrpが大きいほど1回目のせん断応力降下量が大きくなる傾向が見られた。注水孔を有しない試料では、応力降下速度が39 MPa/s以上の急激な応力降下群と1 MPa/s未満の緩やかな応力降下群とに分離し、急激な応力降下群においてσneffと応力降下速度との間に正の相関が認められたが、緩やかな応力降下群では明瞭な関係は確認されなかった。注水孔を有する試料では急激な応力降下が、注水孔を有しない試料では緩やかな応力降下が生じやすい傾向が確認された。
透水試験結果から評価した水理学的開口幅 (e [µm]) は有効圧 (Pe [MPa]) の関数として表された (e = 43.15 – 5.84×ln (Pe), R2 = 0.99)。これを用いたダルシー流解析の結果、注水孔を有する試料では断層面Pp勾配が大きく生じる一方、有しない試料ではわずかに生じることが示された。さらに、rpが大きい場合には、断層面に大きなPp勾配が形成された。これらの結果から、断層面上のPp勾配が大きいほどせん断応力降下量が大きく、かつ急激な応力降下が生じやすいことが示唆される。一方、断層面粗さとせん断応力降下量との関係は現時点では明瞭ではなく、断層面凹凸の3次元スキャンを反映した有限要素法解析が必要と考える。
Chen et al., (2021) Comput. Geotech., 130, 103910.
Duboeuf et al., (2017) JGR: Solid Earth, 122.
Ellsworth (2013) Science, 341(6142).
Passelégue et al., (2018) GRL, 45.
Rutter & Hackston (2017) Philos. Trans. R. Soc. A, 375, 20160001.
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