Presentation Information
[T1-O-8]Amphibole K-Ar ages of the Kurouchi ultramafic body in Shimonita Geopark, Gunma Prefecture - Possibility of a klippe thrust over the Mikabu Greenstones.
*Atsushi MIYASHITA1, Hiroyoshi ARAI2, Masakazu RIKITA3, Hiroshi HOSHINA3, Hideo TAKAGI4 (1. The Open University of Japan, 2. Waseda University Honjo Senior High School, 3. Shimonita Nature School, 4. Waseda University)
Keywords:
Kurouchi ultramafic body,Amphibole K-Ar age,Klippe,Mikabu Greenstones,Shimonita Geopark,Permian period
群馬県下仁田ジオパークの黒内超苦鉄質岩体(Tazaki, 1966)は,標高1112mの黒内山附近に位置し,東西約1.5km南北約1.5kmの規模を持ち,ダナイトを主体としてウェールライトを伴っている.この岩体は御荷鉾緑色岩類の分布域にあることから,従来,その一部として扱われてきた.一方,竹内・田村 (1994)は,岩体と御荷鉾緑色岩類との境界断層や,その周囲の地質状況から跡倉ナップへの帰属を提案していた.
Ozawa et al. (1997)は,岩体中のピクライト質玄武岩岩脈中の角閃石K-Ar年代を測定し,199 Maの年代値を報告した.さらに,小澤ほか (1997)は,黒内超苦鉄質岩体と鳥羽地域御荷鉾緑色岩類との年代差から,御荷鉾緑色岩類の起源を海山列に求めた.近年,御荷鉾緑色岩類のアノーソサイト中のジルコンU-Pb年代測定により,その火成年代が約160-145Ma (Ichiyama et al., 2018, 遠藤・横山, 2019, Sawada et al., 2019, Tominaga and Hara, 2021)であり,御荷鉾緑色岩類の規模や地球化学的特徴から見て,シャツキー海台や空知緑色岩類と一連のジュラ紀巨大海台の一部であることが明らかになってきている.岩体中のピクライト質玄武岩岩脈の199Maという角閃石K-Ar年代は,御荷鉾緑色岩類の火成年代よりも約50Ma古く,一連の火成活動とは考えにくい.
このことを検証するため,黒内超苦鉄質岩体2試料について角閃石K-Ar年代測定を行い,あわせて岩体と接する御荷鉾緑色岩類との関係について調査を行った.その結果,超苦鉄質岩体に含まれる角閃石K-Ar年代は,271.9±13.7 Maと252.6±13.1Maであり,周辺の御荷鉾緑色岩類とは低角断層で接することが再確認された.この古生代末の年代値は,下仁田地域において,御荷鉾緑色岩類に衝上しているクリッペである川井山石英閃緑岩類の角閃石K-Ar年代(277-250Ma,高木ほか, 1989)の範囲に入る.御荷鉾緑色岩類と接する基底断層の存在からみても,黒内超苦鉄質岩体は御荷鉾緑色岩類に衝上するクリッペであると考えられる.このため,黒内超苦鉄質岩体を御荷鉾緑色岩類として扱ってきた岩石学の検討は見直す必要がある.
中畑ほか (2015)は,同様にクリッペ群を作る跡倉層の砕屑性ジルコンU-Pb年代スペクトルから,クリッペ群のハイマートとして飛騨帯近傍を想定したが,黒内超苦鉄質岩体に対比できる岩体は飛騨帯中には見いだされていない.ペルム紀花崗岩類とペルム紀超苦鉄質岩が共に存在する日本の古生代地質体としては,舞鶴帯をハイマートの候補として挙げることができる.
遠藤俊祐・横山俊治, 2019, 本山地域の地質, 地域地質研究報告(5万分の1地質図幅),産総研 地質調査総合センター,100 p.
Ichiyama et al., 2018, Geophysical Res. Abstr. 20, EGU2018-11879.
中畑ほか, 2015, 地学雑, 124, 633-656.
Ozawa et al., 1997 , 地質雑, 103, 1089-1092.
小澤ほか, 1997, 火山, 42, 231-237.
Sawada et al., 2019, Jour. Asian Earth Sci., 169, 228-236.
竹内圭史・田村直宏, 1994, 日本地質学会学術大会(札幌)第101回講演要旨集, p. 48.
Tominaga K. and Hara H., 2021, Gondwana Res., 89, 177-192.
高木ほか,1989, 地質雑, 95, 369-380.
Tazaki K., 1966, Chikyu Kagaku, 84, 14-25.
Ozawa et al. (1997)は,岩体中のピクライト質玄武岩岩脈中の角閃石K-Ar年代を測定し,199 Maの年代値を報告した.さらに,小澤ほか (1997)は,黒内超苦鉄質岩体と鳥羽地域御荷鉾緑色岩類との年代差から,御荷鉾緑色岩類の起源を海山列に求めた.近年,御荷鉾緑色岩類のアノーソサイト中のジルコンU-Pb年代測定により,その火成年代が約160-145Ma (Ichiyama et al., 2018, 遠藤・横山, 2019, Sawada et al., 2019, Tominaga and Hara, 2021)であり,御荷鉾緑色岩類の規模や地球化学的特徴から見て,シャツキー海台や空知緑色岩類と一連のジュラ紀巨大海台の一部であることが明らかになってきている.岩体中のピクライト質玄武岩岩脈の199Maという角閃石K-Ar年代は,御荷鉾緑色岩類の火成年代よりも約50Ma古く,一連の火成活動とは考えにくい.
このことを検証するため,黒内超苦鉄質岩体2試料について角閃石K-Ar年代測定を行い,あわせて岩体と接する御荷鉾緑色岩類との関係について調査を行った.その結果,超苦鉄質岩体に含まれる角閃石K-Ar年代は,271.9±13.7 Maと252.6±13.1Maであり,周辺の御荷鉾緑色岩類とは低角断層で接することが再確認された.この古生代末の年代値は,下仁田地域において,御荷鉾緑色岩類に衝上しているクリッペである川井山石英閃緑岩類の角閃石K-Ar年代(277-250Ma,高木ほか, 1989)の範囲に入る.御荷鉾緑色岩類と接する基底断層の存在からみても,黒内超苦鉄質岩体は御荷鉾緑色岩類に衝上するクリッペであると考えられる.このため,黒内超苦鉄質岩体を御荷鉾緑色岩類として扱ってきた岩石学の検討は見直す必要がある.
中畑ほか (2015)は,同様にクリッペ群を作る跡倉層の砕屑性ジルコンU-Pb年代スペクトルから,クリッペ群のハイマートとして飛騨帯近傍を想定したが,黒内超苦鉄質岩体に対比できる岩体は飛騨帯中には見いだされていない.ペルム紀花崗岩類とペルム紀超苦鉄質岩が共に存在する日本の古生代地質体としては,舞鶴帯をハイマートの候補として挙げることができる.
遠藤俊祐・横山俊治, 2019, 本山地域の地質, 地域地質研究報告(5万分の1地質図幅),産総研 地質調査総合センター,100 p.
Ichiyama et al., 2018, Geophysical Res. Abstr. 20, EGU2018-11879.
中畑ほか, 2015, 地学雑, 124, 633-656.
Ozawa et al., 1997 , 地質雑, 103, 1089-1092.
小澤ほか, 1997, 火山, 42, 231-237.
Sawada et al., 2019, Jour. Asian Earth Sci., 169, 228-236.
竹内圭史・田村直宏, 1994, 日本地質学会学術大会(札幌)第101回講演要旨集, p. 48.
Tominaga K. and Hara H., 2021, Gondwana Res., 89, 177-192.
高木ほか,1989, 地質雑, 95, 369-380.
Tazaki K., 1966, Chikyu Kagaku, 84, 14-25.
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