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[T8-O-3](Invited) How can geology education survive in context of university downsizing?

*Arito Sakaguchi1 (1. Yamaguchi University)
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【ハイライト講演】18歳人口の減少に伴い,大学は学部・学科再編の強い圧力にさらされている.私たちを取り巻く自然災害・資源・環境等の諸問題がいっそう深刻化していく中で,その解決に必要不可欠な地質教育の灯を,再編の荒波からどう守り抜くのか.坂口氏は文科省による大学改革の方向性に精通しており,本招待講演では,大学の地質分野が生き残っていくための「攻め」の戦略をご提示頂く.  ※ハイライト講演とは...

Keywords:

University education,Third-party evaluation


 進学率の増加に伴って微増してきた大学入学者数は現在がピークであり、ここから2040年にかけて今より3割も急減すると予測されている[1]。これに併せて学生定員が減り、そして授業料収入および公的支援を含めた大学収入が大幅に減少すると予想される。大学予算のかなりの割合が人件費であるため、大幅な予算減は学部・学科の再編や削減を引き起こすと考えられる。すなわち学内における生存競争である。おそらく、すべての学科等が自らの必要性を主張するに違いない。そのなかにおいて地質系の学科およびその専門教育が生き残るためには、差別化を図り、大学経営者からみて「残すべき分野」と認識してもらう必要がある。
 このとき「大学とは何か」という視点も意識されるだろう。現代の大学は公共財であり、それゆえに公的支援を受けていると自ら説明している[2]。そのため社会と向き合うことは第一に重要である。これに加えて1990年代以降、文部省および文部科学省中央教育審議会は、大学に対して「社会ニーズを踏まえた高等教育」「第三者評価による質保証」「国際通用性」の3つを一貫して求め続けてきており[3, 4, 5, 6, 7 など]、これらも併せて高度に満たす必要がある。
 学内での生存競争にて差別化を図るには、一般的なニーズや、どこでもやっている質保証や国際化などの横並びではなく、より具体的で特別なものを示すべきだろう。例えば社会ニーズなら、民間の業界団体から当該学科に対して地質教育継続の要望書を出してもらえるとありがたい。第三者評価は、どこの大学でも行われている機関別認証評価と自己点検だけでなく、学科単位での厳格な外部評価を積極的に受け入れれば、より先進の質保証を示すことができるだろう。国際通用性は、学科単位での教育の国際認証制度が広がっている現在においては、これを取得するのが最良であろう。国内では文系・理系を含めて、学科単位での外部評価や国際認証の取得はまだ進んでいない。先んじて取り組めば差別化につながるだろう。地質学の分野ではそのための外部機関としてJABEEがある。これは技術者教育のための高等教育の評価・認定機関であるが、その本質は大学教育の質保証である。JABEEに認証されれば先進的な質保証の証左となり、同時にワシントンアコードによって国際的な教育の同質性、すなわち高度な国際通用性も確保される。そして全国地質調査業連合会は、昨年度に、JABEEに基づいた地質の専門教育を継続して欲しい、という要望書をJABEE認証校に提出してくださった。JABEE認証には実に多くのメリットがある。
 こういった外部評価に対して、抵抗感や「評価疲れ」といった批判はある。特に文系分野では根深い傾向がある。それゆえに理系分野は社会ニーズを背景として積極的に質保証に取り組むことで差別化を図ることができる。また、こういった外部評価は、学術論文で例えれば査読制度にあたり、教育プログラムにも外部評価を入れることで教育の質と信頼性が向上する。そもそも学術論文の査読制度も、米国のNSFが議会の干渉を退けるために本格導入したという経緯があり[8]、教育も外部評価を受け入れる事が防衛につながるだろう。昨今では大学の専門教育に対する不信感を背景として、レイトスペシャライゼーションが議論されるようになってきた[7]。これは学部では幅広い教養を身につけ、専門教育は大学院から行うというものであり、本格的に導入されれば専門人材育成には致命的である。大胆な改革が振り下ろされる前に、社会に向き合い、自らを律して質を保証していくことが学問の自由を守ることにつながるだろう。大学には様々な学問分野があるが、分野別の教育審査機関が存在しない分野も多い。そのなかにおいて地質学にはJABEEがあり、また全国の都道府県には地質調査業協会があり、我々は明確で具体的な社会ニーズを示すこともできる。この分野の生き残りにこれらを利用するのは有効であろう[9]。

引用文献
[1] 文部科学省高等教育局(2026)急速な少子化が進行する中で将来社会を見据えた高等教育の在り方について(令和7年4月18日)
[2] 国立大学協会(2018)国立大学法人制度の本旨に則った運営交付金の処置を!(声明)(平成30年11月2日)
[3] 文部省大学審議会(1998)21世紀の大学像と今後の改革方策について(答申)(平成10年10月26日)
[4] 文部科学省中央教育審議会(2008)学士課程教育の構築に向けて(答申)(平成20年12月24日)
[5] 閣議決定(2013)教育振興基本計画(平成25年6月14日)
[6] 文部科学省中央教育審議会(2018)2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)(平成30年11月26日)
[7] 文部科学省中央教育審議会(2025)我が国の「知の総和」向上の未来像(答申)(令和7年2月21日)
[8] Baldwin, M (2018) Isis, 109, 538-558.
[9] 坂口有人(2026)大学改革・学位研究、27、35-46.

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