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[R3-12]Cold SiO2-rich slabs reaching the CMB revealed by the seifertite phase boundary

*Ryosuke SINMYO1, Saori Kawaguchi-Imada2, Rei Sato3, Keisuke Otsuru3, Kenji Kawai3, Hiroshi Sakuma4, Shigeru Suehara4, Takayuki Ishii5, Shuhou Maitani1 (1. Meiji University, 2. JASRI, 3. Univ. Tokyo, 4. NIMS, 5. Okayama Univ.)
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Keywords:

SiO2,high pressure and high temperature,X-ray diffraction measurement,seifertite

シリカ(SiO2)成分に富み、かつ冷たい沈み込みスラブは核マントル境界上部に顕著な不均質を生じさせ、地球マントルの物理・化学的進化に影響を及ぼすと考えられる。沈み込んだスラブは、SiO2の高密度相への相転移、ザイフェルタイト相転移に伴い、マントル最下部で縦波・横波地震波速度に特徴的な異常を示すと考えられている。しかし、SiO2系ではしばしば準安定相が出現するため、正確な相転移深度は未だ明らかになっていない。この長年の課題を解決するため、私たちはレーザー加熱と高速X線回折測定を精密に同期したレーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセル高温高圧力実験、および理論計算を組み合わせた研究を行った。結果は、(1)ザイフェルタイト相境界のクラペイロン勾配は従来推定されていたものよりも緩やかであること、(2)スラブの地温はザイフェルタイト相境界を2回通過することが明らかになった。これはポストペロブスカイト相転移境界で報告されているdouble crossingと類似している。地震波観測の結果、中央アメリカに観察される冷たいスラブにザイフェルタイト転移の深度範囲と一致する縦波・横波地震波速度の逆相関(anti-correlation)を観察した。これは冷たく、シリカ成分に富むスラブが核マントル境界に向かって下降している最初の直接的な証拠である。また、初期地球において若い核中にSiO2が結晶化した際、ザイフェルタイトよりも浮力のある多形が結晶化した可能性が考えられる。