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[R7-03]PGE mineralization of Pseudo Merensky Reef at the western limb of the Bushveld Complex, South Africa

*Amu Umesato1, Takuya Echigo1 (1. Akita Univ. Itn.)
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Keywords:

Bushveld Complex,Platinum Group Elements

南アフリカ共和国北部に位置するBushveld複合岩体は,白金族元素(Platinum Group Elements: PGE)鉱化帯を胚胎する世界最大の層状貫入岩体である.この岩体は珪長質岩体と苦鉄質岩体で構成されており,PGE鉱化帯は苦鉄質岩体であるRustenburg層状岩体のUpper Critical Zone中に胚胎する.PGE鉱化帯としてMerensky Reef,UG2 Chromititeが西縁及び東縁に位置し,Platreefは北縁に胚胎する.本研究地域であるSiyanda鉱山はBushveld複合岩体西縁北部に位置しており,この地域ではpothole ReefというPGE鉱化帯が確認できる.Pothole ReefとはMerensky Reefを形態や岩相で4タイプに区分した際の最下位に相当するreefである.Pothole Reefは比較的PGE品位が高いとされているが,その下位に存在するPseudo Merensky ReefはPGE品位が低いとされている。しかし,Pseudo Merensky Reefの試料を実際に観察・分析した結果、多数のPGE鉱物が認められたため,本発表でその記載結果を報告する.さらに鉱物種や産状について明らかにするとともにPseudo Merensky ReefにおけるPGE鉱化作用について考察した.研究手法は,コア観察,薄片・研磨片を用いた顕微鏡観察,XRD,SEM-EDS,EPMAである.Pseudo Merensky Reefの岩相はペグマタイト質珪長質ハルツバージャイトであり,硫化鉱物は,ペントランド鉱,黄銅鉱,磁硫鉄鉱,黄鉄鉱が見られた.全体としてPGE鉱物は主にペントランド鉱や黄銅鉱の縁に晶出しており,金銀鉱物はほとんどが斜長石や石英など二次的に形成されたケイ酸塩鉱物中に形成されている.Pseudo Merensky Reefではtetraferroplatinum(PtFe)やzvyagintsevite(Pd₃Pb)といったPGE合金が支配的でこれらは主にペントランド鉱と共生している.また,Pseudo Merensky Reefのコア上部に位置している試料からはI-PGE型の元素であるRu, Os, Irを含むlaurite(RuS₂)が発見された。これらの鉱物が形成される温度環境からMerensky Reefに近いコア上部とPseudo Merensky Reefの下部では結晶分化作用の影響でPGE鉱化作用の温度が異なると考えられる。