Presentation Information
[S3-06]Grain Growth and Creep in Bicontinuous Two-Phase Polycrystals: The Role of Atomic Diffusion at Heterophase Interface
*Shenghao Jiang1, Takehiko Hiraga1 (1. The University of Tokyo)
Keywords:
Olivine,Periclase,Forsterite,Heterophase Interface,Diffusion
拡散クリープは、地球内部の流動を支配する主要な変形機構の一つである。粒径に強く依存するため、粒成長と合わせて考える必要がある。粒成長は、系全体の自由エネルギーを低下させる自発的な現象であり、単相系の場合、隣接する粒子は同じ組成で構成されているため、粒界移動のみで成長が進行できる。この際、原子は界面を横断して短距離で移動するだけでよく、非常に効率的である。一方で、他相が存在する場合には、粒界(同相界面)に加えて異相界面が形成される。異相界面においては、界面を横断する短距離拡散は不可能となり、粒成長には界面に沿った長距離拡散が必須となる。クリープは粒成長と異なり、外部からの差応力場が作用するため、単相系、多相系を問わず、長距離拡散が不可欠である。
地球内部物質は複数の鉱物から構成されていて、結果として複数の粒界および異相界面を含んでいる。一次近似として、本研究では二相系を対象とする。二相系においては、両相の体積分率に応じて相の分布パターンが変化する。マイナー相の体積分率が36%未満の場合、マイナー相は孤立して分布し、異相界面も孤立的となる。この場合、界面拡散のみを考慮すると、主相の粒界が唯一の拡散経路となる。この場合の粒成長とクリープはよく研究されている。一方、マイナー相の体積分率が36%以上になると、両相とも完全に連続した構造を形成し、この構造を共連続構造と呼ぶ。共連続構造において、異相界面が連続な面として存在するため、重要な拡散経路として機能する。このような場合において、異相界面が粒成長およびクリープに対してどのような役割を果たすのかについては、これまで十分に研究されていない。
異相界面が共連続構造において果たす役割を明らかにするために、本研究ではフォルステライトとペリクレース(体積分率50%)とした試料を用いて、粒成長およびクリープ実験を行った。実験結果より、共連続構造を有するFo-Per系では、第二相が孤立した系に比べて顕著に速い粒成長速度が確認された。このことは、異相界面での拡散が粒成長全体を支配し、Fo-Per界面が大きい拡散係数を持つことを示している。これに対して、共連続構造をもつFo-Per系のクリープ挙動は、より硬いフォルステライトに富む系(ペリクレース粒子が孤立した構造)と類似した特徴を示し、粒界拡散の寄与が不可欠であること、さらに系全体の変形速度が最も遅い径路での拡散速度によって支配されることを示している。
地球内部物質は複数の鉱物から構成されていて、結果として複数の粒界および異相界面を含んでいる。一次近似として、本研究では二相系を対象とする。二相系においては、両相の体積分率に応じて相の分布パターンが変化する。マイナー相の体積分率が36%未満の場合、マイナー相は孤立して分布し、異相界面も孤立的となる。この場合、界面拡散のみを考慮すると、主相の粒界が唯一の拡散経路となる。この場合の粒成長とクリープはよく研究されている。一方、マイナー相の体積分率が36%以上になると、両相とも完全に連続した構造を形成し、この構造を共連続構造と呼ぶ。共連続構造において、異相界面が連続な面として存在するため、重要な拡散経路として機能する。このような場合において、異相界面が粒成長およびクリープに対してどのような役割を果たすのかについては、これまで十分に研究されていない。
異相界面が共連続構造において果たす役割を明らかにするために、本研究ではフォルステライトとペリクレース(体積分率50%)とした試料を用いて、粒成長およびクリープ実験を行った。実験結果より、共連続構造を有するFo-Per系では、第二相が孤立した系に比べて顕著に速い粒成長速度が確認された。このことは、異相界面での拡散が粒成長全体を支配し、Fo-Per界面が大きい拡散係数を持つことを示している。これに対して、共連続構造をもつFo-Per系のクリープ挙動は、より硬いフォルステライトに富む系(ペリクレース粒子が孤立した構造)と類似した特徴を示し、粒界拡散の寄与が不可欠であること、さらに系全体の変形速度が最も遅い径路での拡散速度によって支配されることを示している。