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[R1P-06]Developing a non-destructive mineral phase identification and quantification method for bulk rock samples using high-energy X-ray diffraction

*Osamu Ikeda1, Yuki Mori2, Hiroshi Yamazaki1, Tomoyuki Koganezawa1 (1. JASRI, 2. Univ. Hyogo Sci.)

Keywords:

X-ray diffraction,Non-destructive analysis,Mineral phases

岩石の構成鉱物種とその割合は試料の全体像を表し、成因の推定や地質学的イベントの復元に繋がる重要な情報である。ポイントカウンティング法をはじめ、電子顕微鏡観察やX線回折パターンのリートベルト解析など様々な手法によって得られるものの、これらを適用するには試料を薄片や粉末などに加工(破壊)する必要がある。希少な岩石試料を取り扱う場面では、同一試料に対して多様な分析を順に実施することもあるため、非破壊のまま全体像を把握できる手法の確立は分析の選択肢を広げる上で効果的である。あるいは、多数の試料のスクリーニングやデータベース化を行う場合、加工の手間の省略により大幅なハイスループット化が見込まれる。本研究では、手のひら大の岩石試料にそのままX線を照射し、岩石全体を平均化した粉末様の回折パターンを取得することを目的に、その手法を開発している。
 全体を平均した回折パターンを得るには透過配置の測定が必須である。放射光施設で発生する100 keV単色X線であれば、10 cm厚の石英で1 %程度透過するため、適切な検出器を選べば回折を十分な強度で検出できる。しかし、試料内部の光軸全体から散乱が発生することにより回折線の幅が広がるため、幾何学的に「切り出し」て制限する必要がある。加えて、岩石の構成鉱物の多くは粉末とみなせないほど大きい単結晶であり、選択配向している場合もあるため、粉末様パターンを得るためには「平均化」を行う必要がある。「切り出し」自体は放射光施設で発展してきた2次元検出器を用いる手法(固定/回転スパイラルスリット[1,2]や二重露光法[3]など)で既に実用化がなされているが、岩石特有の「平均化」を効率よく行うことが困難であるため、2者を両立した新たな手法が必要となる。
 実験は大型放射光施設SPring-8のBL05XUで実施し、手のひら大に丸めたアルミホイルや、最大でこぶし大程度の火成岩を測定することで技術検証を行った。挿入光源による準単色光を粗面Si二結晶(111反射)で単色化し、エネルギー100 keV(波長0.124 Å)の入射X線を得た。4象限スリットで0.2×0.2 mm以下に整形したX線を試料に照射し、散乱X線を2次元検出器(Eiger2 X CdTe 1M, Dectris AG)で測定した。光軸を中心とする円形のスリット(半径7 mm・幅0.05 mm)で検出器の視野を制限し、かつ試料を入射X線と平行に約30 cm並進揺動・垂直な軸周りに回転揺動することで、「切り出し」と「平均化」を同時に行うことを狙った。
 得られた2次元回折像は、その任意のピクセル1点、スリット円周上の1点と入射X線上の1点の計3点を結ぶ直線を幾何学的に求めることで、回折角2θの復元と、測定系の位置関係に由来する強度補正係数の導出を行った。ただし、試料自体による吸収の補正は測定と計算のコストが大きいため実施していない。スリットと検出器のそれぞれの設置誤差(角度・距離)を補正したうえで、分割ヒストグラム法とスーパーサンプリング法を用いて扇状に積算し、1次元回折パターンに変換した。Le Bail法フィッティングによる定性や、リートベルト法による半定量分析の実現可能性を検討しており、その経過を報告する。
[1] Martins & Honkimäki, Textures Microstruct. 35, 145 (2003).
[2] Suzuki, Shobu, Shiro, Toyokawa, Mater. Sci. Forum. 772, 15 (2014).
[3] 鈴木, 菖蒲, 城, 材料. 68, 312 (2019).