Presentation Information
[R1P-22]Mineralogical properties of Ni-bearing clay minerals in hydrothermal altered serpentinite bodies in central Oita Prefecture
*Misaki Todaka1, Yohei Shirose1 (1. Ehime Univ., Sci.)
Keywords:
Wakayama mine,Niu mine,Irikura,Garnierite,Clay mineral
【はじめに】
大分県中部では, 調査地域である若山鉱山・丹生鉱山・入蔵周辺に蛇紋岩体が分布しており, それぞれ黒瀬川帯中に産するもの(酒井ほか, 1993), 三波川帯中に産するもの(吉岡ほか, 1997 ; 木下ほか, 1958), 朝地変成岩に伴って産するもの(寺岡ほか, 1992 ; 曽田・高木, 2004)が存在する。いずれの岩体も流体による変質を受けており,かつてはニッケル鉱床としても着目されていた。
若山鉱山からは, 高井ほか(2007)より珪ニッケル鉱(garnierite; 緑色で数種類の含ニッケル含水珪酸塩鉱物の混合物の通称)を調べたところ,Ni蛇紋石とNi滑石, 滑石からなることが報告されている。丹生鉱山からは, 木下ほか(1958)によって粘土鉱物を伴うNi鉱床が報告されており, 入蔵からは, 寺岡ほか(1992)により蛇紋岩に伴う石英マグネサイト岩が地質図スケールで報告されており,今回の調査で石英マグネサイト岩には緑色の粘土鉱物を伴うことを新たに見出した。
今回, 私たちは地質背景の異なる大分県中部に分布する変質した蛇紋岩体中の緑色のNiを含む粘土鉱物を含む変質岩について比較を行ったので, その結果を報告する。
【産状・試料】
豊後大野市に位置する若山鉱山の蛇紋岩体は黒瀬川帯に属しており,蛇紋岩から変質岩へと連続的に移り変わっている。変質岩は蝋光沢を示す硬質な岩石と,粘土鉱物を多く含み表面が脆く崩れやすい軟質な岩石の2種類からなり,炭酸塩鉱物や緑色の粘土鉱物からなる脈を多く含む。大分市に位置する丹生鉱山の蛇紋岩体は三波川帯に属しており,泥質片岩との境界部の剪断帯に伴って緑色の変質岩が産する。変質岩は硬質で塊状のものと,軟質で片状のものがある。大分市入蔵地域では,朝地変成岩に伴って蛇紋岩が産出し,蛇紋岩中には細粒なマグネサイトを多く含む部分があることが報告されている(延寿・上原, 2016)。また蛇紋岩に伴って褐色の石英マグネサイト岩が産する。石英マグネサイト岩は硬質で塊状,表面は風化により褐色となっており,部分的に緑色となっている。
【実験手法】
組織観察及び化学分析にはJEOL製走査型電子顕微鏡 JSM-6510LV, 鉱物の同定にはRIGAKU製X線回折装置 Ultima IVを用いた。
【結果】
XRD分析の結果,若山鉱山の蝋光沢を示す硬質な岩石では,オパールCTを含むオパールを主体とし,石英や,マグネサイト,ドロマイトが認められた。また,少量の針ニッケル鉱,ポリジム鉱, 磁鉄鉱, クロム鉄鉱および微量のスメクタイト, 蛇紋石が確認された。また,SEM-EDS分析の結果ヴェス鉱が認められた。さらに,緑色部および細脈のコア部では, ニッケル滑石とNi蛇紋石のネポアイト(ペコライト)の中間的な組成を示すNi含有粘土鉱物が確認された。また,クロム鉄鉱の平均化学組成は(Fe2+0.58Mg2+0.41)∑0.99(Cr3+1.51Al3+0.33Fe3+0.16)∑2.00O4であり, 初生的な組成が保たれていると考えられる。一方,粘土鉱物を多く含み表面が脆く崩れやすい軟質な岩石では,スメクタイトを主体とし,オパールCTを含むオパールおよびマグネサイト, 微量の石英, クロム鉄鉱, 針ニッケル鉱, ポリジム鉱が認められた。
丹生鉱山の硬質で塊状の岩石では,滑石, 緑泥石,マグネサイトに加え,少量のスメクタイト, カオリナイトを伴うことが認められた。またドロマイト, 石英, オパールが脈状に産することが確認できた。一方,軟質で片状の岩石では,マグネサイト, スメクタイトに加え, ドロマイト, 滑石, カオリナイト, 緑泥石を伴うことが確認された。またこれらの変質岩に伴い, 緑泥石, 滑石を多く含む蛇紋岩も確認できた。いずれの粘土鉱物にもNi及び微量のCrが検出されたが, 定量的な分析, 議論は今後行う予定である。
入蔵地域の蛇紋岩は,延寿・上原(2016)に報告されているようにリザーダイト, アンチゴライトからなり,少量のマグネサイト,磁鉄鉱が認められた。また,石英マグネサイト岩は,石英, マグネサイト, カオリナイトからなり,緑色部にはNiを含む白雲母やスメクタイトが確認できる。
大分県中部では, 調査地域である若山鉱山・丹生鉱山・入蔵周辺に蛇紋岩体が分布しており, それぞれ黒瀬川帯中に産するもの(酒井ほか, 1993), 三波川帯中に産するもの(吉岡ほか, 1997 ; 木下ほか, 1958), 朝地変成岩に伴って産するもの(寺岡ほか, 1992 ; 曽田・高木, 2004)が存在する。いずれの岩体も流体による変質を受けており,かつてはニッケル鉱床としても着目されていた。
若山鉱山からは, 高井ほか(2007)より珪ニッケル鉱(garnierite; 緑色で数種類の含ニッケル含水珪酸塩鉱物の混合物の通称)を調べたところ,Ni蛇紋石とNi滑石, 滑石からなることが報告されている。丹生鉱山からは, 木下ほか(1958)によって粘土鉱物を伴うNi鉱床が報告されており, 入蔵からは, 寺岡ほか(1992)により蛇紋岩に伴う石英マグネサイト岩が地質図スケールで報告されており,今回の調査で石英マグネサイト岩には緑色の粘土鉱物を伴うことを新たに見出した。
今回, 私たちは地質背景の異なる大分県中部に分布する変質した蛇紋岩体中の緑色のNiを含む粘土鉱物を含む変質岩について比較を行ったので, その結果を報告する。
【産状・試料】
豊後大野市に位置する若山鉱山の蛇紋岩体は黒瀬川帯に属しており,蛇紋岩から変質岩へと連続的に移り変わっている。変質岩は蝋光沢を示す硬質な岩石と,粘土鉱物を多く含み表面が脆く崩れやすい軟質な岩石の2種類からなり,炭酸塩鉱物や緑色の粘土鉱物からなる脈を多く含む。大分市に位置する丹生鉱山の蛇紋岩体は三波川帯に属しており,泥質片岩との境界部の剪断帯に伴って緑色の変質岩が産する。変質岩は硬質で塊状のものと,軟質で片状のものがある。大分市入蔵地域では,朝地変成岩に伴って蛇紋岩が産出し,蛇紋岩中には細粒なマグネサイトを多く含む部分があることが報告されている(延寿・上原, 2016)。また蛇紋岩に伴って褐色の石英マグネサイト岩が産する。石英マグネサイト岩は硬質で塊状,表面は風化により褐色となっており,部分的に緑色となっている。
【実験手法】
組織観察及び化学分析にはJEOL製走査型電子顕微鏡 JSM-6510LV, 鉱物の同定にはRIGAKU製X線回折装置 Ultima IVを用いた。
【結果】
XRD分析の結果,若山鉱山の蝋光沢を示す硬質な岩石では,オパールCTを含むオパールを主体とし,石英や,マグネサイト,ドロマイトが認められた。また,少量の針ニッケル鉱,ポリジム鉱, 磁鉄鉱, クロム鉄鉱および微量のスメクタイト, 蛇紋石が確認された。また,SEM-EDS分析の結果ヴェス鉱が認められた。さらに,緑色部および細脈のコア部では, ニッケル滑石とNi蛇紋石のネポアイト(ペコライト)の中間的な組成を示すNi含有粘土鉱物が確認された。また,クロム鉄鉱の平均化学組成は(Fe2+0.58Mg2+0.41)∑0.99(Cr3+1.51Al3+0.33Fe3+0.16)∑2.00O4であり, 初生的な組成が保たれていると考えられる。一方,粘土鉱物を多く含み表面が脆く崩れやすい軟質な岩石では,スメクタイトを主体とし,オパールCTを含むオパールおよびマグネサイト, 微量の石英, クロム鉄鉱, 針ニッケル鉱, ポリジム鉱が認められた。
丹生鉱山の硬質で塊状の岩石では,滑石, 緑泥石,マグネサイトに加え,少量のスメクタイト, カオリナイトを伴うことが認められた。またドロマイト, 石英, オパールが脈状に産することが確認できた。一方,軟質で片状の岩石では,マグネサイト, スメクタイトに加え, ドロマイト, 滑石, カオリナイト, 緑泥石を伴うことが確認された。またこれらの変質岩に伴い, 緑泥石, 滑石を多く含む蛇紋岩も確認できた。いずれの粘土鉱物にもNi及び微量のCrが検出されたが, 定量的な分析, 議論は今後行う予定である。
入蔵地域の蛇紋岩は,延寿・上原(2016)に報告されているようにリザーダイト, アンチゴライトからなり,少量のマグネサイト,磁鉄鉱が認められた。また,石英マグネサイト岩は,石英, マグネサイト, カオリナイトからなり,緑色部にはNiを含む白雲母やスメクタイトが確認できる。
