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[R2-09]Observation of the microstructure of periclase and magnesite pseudomorphs after nesquehonite formed by calcination

*Ryo YAMANE1 (1. National Institute for Materials Science)

Keywords:

Nesquehonite,Pseudomorph,Magnesite,Periclase

ネスケホナイトは地球表層で生成する含水の炭酸マグネシウムである(化学式:MgCO3・3H2O)。天然のネスケホナイトは、超苦鉄質岩や蛇紋岩などの岩石からMgイオンが溶出し、炭酸化することで生成すると考えられている[1]。一方、ネスケホナイトは、ブルーサイト(Mg(OH)2)粉末と水の混合物であるスラリーに二酸化炭素を通気することで人工的に合成され、合成では含水の炭酸マグネシウムの主要な生成物として知られる。ネスケホナイトは、加熱すると120℃程度で脱水反応を起こし、325℃程度まで加熱雰囲気によらずphase X (MgCO3・nH2O, n = 2.4 – 0.8) → 非結晶相(N.C., n = 1.1 – 0) → N.C. + MgO・2MgCO3と呼ばれる分解生成物を生じる[2, 3]。さらに温度をあげると、大気中ではMgO (periclase)が生成する。二酸化炭素雰囲気では、MgCO3 (magnesite)が中間的に生成、その後MgO (periclase)が生成という脱炭酸反応が起きる。マグネサイトは通常、常圧での合成が困難であることが知られ、マグネシウム金属イオンを利用したCO2の長期固定の観点から、マグネサイトをネスケホナイトの加熱・脱水のみで得られるという事実はきわめて重要である。さらにこれらの脱水過程では、ネスケホナイトの結晶形態(針状)は維持されたまま、脱水相に至るという共通した特徴がある。これらのネスケホナイト仮晶において、針状形状を保ちつつ、ペリクレースやマグネサイトがどのように生成されているのか詳細に観察した例はない。本研究は、透過電子顕微鏡(TEM)をもちいたネスケホナイト仮晶の微細構造の観察を行った。ネスケホナイトを大気中で1000℃に焼成した試料のTEM画像(図1)から、針状のネスケホナイト結晶は50 nm程度のMgO微細粒子の凝集体に変化していることが分かった。観察された粒径は、粉末X線回折のピーク半値幅からシェラーの式を用いて推定した粒径とも整合的であった。さらに、この試料を細かく観察すると、MgO粒子間にセラミクスなどの焼結の初期で確認されるネックが形成されていることが分かった(図1)。MgOは高融点であることから、このネック形成が粒子の気化・凝縮によるものとは考えづらく、今回観測された粒成長は粒子同士の表面拡散および体拡散により成長したものと推察される。同様の微細な構造は、CO2雰囲気で500℃で焼成したマグネサイトにも観察され、10 nmとMgOよりも微細な結晶の凝集体であることが分かった。MgOよりも粒形が小さいのは焼成温度が低いためと考えられる。発表当日は、XRDの結果も交えて、加熱温度や加熱雰囲気の違いにより生じるネスケホナイト仮晶の微細構造の変化について議論する。
[1] Ugapeva et al., Minerals 1363 (2023)
[2] Morgan. et al., Am. Mineral. 110 (2025)
[3] Yamane. et al., PCCP 28 (2025)