Presentation Information
[R2P-04]Comparative Analysis of the Negative Thermal Expansion Mechanisms of Quartz and Cristobalite Using Molecular Dynamics Simulations
*RYUSEI TERADA1, FUMIYA NORITAKE1 (1. Yamanashi Univ. Sci.)
Keywords:
Quartz,cristobalite,Negative Thermal Expansion,Molecular Dynamics,potential model
二酸化ケイ素(SiO₂)は、地球内部から工業材料に至るまで広く存在する代表的な酸化物であり、多様な結晶多形を示す物質である。常圧下ではQuartzやCristobaliteなどの構造が安定であり、それぞれ温度の上昇に伴い相転移を示すことが知られている。これらの相転移は単なる格子定数の変化にとどまらず、SiO₄四面体の回転運動や架橋角の再配向を伴う構造変化として理解されている。
特にSiO₂の温度上昇に伴う特定の温度領域では、通常の固体とは異なり体積が減少する負の熱膨張(Negative Thermal Expansion: NTE)が観測される。この現象は原子結合長ではなく、SiO₄四面体同士を架橋する酸素の回転的振動モード(libration)に起因することが指摘されている。しかしながら、これらの構造変化がどのように原子間ポテンシャルに依存して現れるかについては十分に整理されていない。
本研究では、SiO₂の多形であるQuartzおよびCristobaliteを対象に、分子動力学法(Molecular Dynamics : MD法)を用いて負の熱膨張および相転移挙動の原子論的機構を解析した。
X線回折実験では実際の結晶構造の解析が可能な一方で時間方向の分解能がなく、得られる原子座標は時間平均でありlibrationは熱振動因子の異方性からの推測でしかない。一方で分子動力学法(MD法)は原子を質点として扱う力学系の時間発展を数値的に求めることができるため、熱振動、回転モード、相転移機構を原子スケールで解析できる有効な手法である。
しかし、計算結果はMD法で用いるポテンシャルモデルに強く依存する。本研究では、BKSとPMMCSの二種ポテンシャルモデルを用い、体積変化、Si–O結合長、熱振動幅の温度依存性を比較した。
QuartzではPMMCSが実験に近い相転移温度を再現したがNTEは明確でなく、BKSでは相転移温度にずれがあるものの高温域で体積減少が確認された。見かけの結合長は減少する一方、実際の結合長は増加しており、四面体同士を架橋する酸素の回転的振動(libration)がNTEの起源であることが示唆された。Cristobaliteでは実験的な相転移は再現されなかったが、熱振動解析からlibrationの寄与が確認された。以上より、NTEおよび相転移挙動はポテンシャル関数形に強く依存することが明らかとなった。
特にSiO₂の温度上昇に伴う特定の温度領域では、通常の固体とは異なり体積が減少する負の熱膨張(Negative Thermal Expansion: NTE)が観測される。この現象は原子結合長ではなく、SiO₄四面体同士を架橋する酸素の回転的振動モード(libration)に起因することが指摘されている。しかしながら、これらの構造変化がどのように原子間ポテンシャルに依存して現れるかについては十分に整理されていない。
本研究では、SiO₂の多形であるQuartzおよびCristobaliteを対象に、分子動力学法(Molecular Dynamics : MD法)を用いて負の熱膨張および相転移挙動の原子論的機構を解析した。
X線回折実験では実際の結晶構造の解析が可能な一方で時間方向の分解能がなく、得られる原子座標は時間平均でありlibrationは熱振動因子の異方性からの推測でしかない。一方で分子動力学法(MD法)は原子を質点として扱う力学系の時間発展を数値的に求めることができるため、熱振動、回転モード、相転移機構を原子スケールで解析できる有効な手法である。
しかし、計算結果はMD法で用いるポテンシャルモデルに強く依存する。本研究では、BKSとPMMCSの二種ポテンシャルモデルを用い、体積変化、Si–O結合長、熱振動幅の温度依存性を比較した。
QuartzではPMMCSが実験に近い相転移温度を再現したがNTEは明確でなく、BKSでは相転移温度にずれがあるものの高温域で体積減少が確認された。見かけの結合長は減少する一方、実際の結合長は増加しており、四面体同士を架橋する酸素の回転的振動(libration)がNTEの起源であることが示唆された。Cristobaliteでは実験的な相転移は再現されなかったが、熱振動解析からlibrationの寄与が確認された。以上より、NTEおよび相転移挙動はポテンシャル関数形に強く依存することが明らかとなった。
