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[R3-19]Diamond anvil cell experiments toward determining the maximum nitrogen solubility in magnesiowüstite

*Mana Shiogama1, Ryosuke Sinmyo1, Ko Fukuyama2, Ken Niwa3, Ai Ichinohe3, Shuhou Maitani1, Naohisa Hirao4, Hirokazu Kadobayashi4 (1. Meiji University, 2. Kyusyu University, 3. Nagoya University, 4. JASRI)

Keywords:

Mantle,Nitrogen,Magnesiowüstite

窒素は地球大気の主成分であり、生命の基本構成物質に不可欠な元素である。したがって、地球全体における窒素の循環は地球の進化や生命の誕生・維持に深く関わる重要な過程である。一方、他の揮発性元素や希ガス元素と比べると、窒素はコンドライトに対する地球存在度が低いことが知られている。近年、高圧力下で地球下部マントルの主要鉱物である(Mg,Fe)Oマグネシオウスタイト(Mw)が、高濃度の窒素を固溶しうることが報告された。マントル最下部に存在する超低速度領域(ULVZ)はMwに富む可能性があるため、「失われた窒素」は深部マントルに存在するかもしれない。しかし、従来の研究は比較的低い圧力までしか行われておらず、マントル最下部条件における窒素固溶量は未知である。本研究ではMwおよびMwの鉄端成分であるFeOの窒素最大固溶量を、地球最下部マントルに相当する超高圧力を発生可能なダイヤモンドアンビルセル(DAC)実験により決定することを目的とした。実験にはキュレット径120 または 300 μmのDACを用い、試料には(Mg0.28,Fe0.72)O Mw、FeO、窒素を含むFeOを用いた。Mwと窒素を含むFeOは、マルチアンビルを用いてあらかじめ合成したものを用いた。高圧力実験の前にX線回折(XRD)測定と電子プローブマイクロ分析(EPMA)測定を行い、出発物質が単相であることを確認した。圧媒体および窒素源には硝酸アンモニウム(NH4NO3)、または窒素を用いた。一部の実験では還元剤としてFe箔も封入した。DACを用いて高圧力を発生させ、ファイバーレーザーを用いて試料を両面から加熱した。最大50 GPa, 6000 Kまでの圧力温度で、試料を最長15 分間加熱した。圧力はダイヤモンドアンビルのラマン散乱分光測定、温度は輻射分光測定により決定した。回収した試料に対するXRD測定はあいちシンクロトロン光センターで行い、その場XRD測定は大型放射光施設SPring-8で行った。さらに、集束イオンビーム装置を用いて回収試料の断面研磨加工を行い、走査型電子顕微鏡付設のエネルギー分散型X線分光装置と、EPMA装置を用いて元素分析を行った。窒素源としてNH4NO3を用いた実験では、XRD測定の結果、加熱直後に、MwとFeO以外にFe2O3、Fe3O4、ε-FeOOHが観察された。Fe3+に富む酸化物相や水酸化物相が観察されたことは、加熱中にMwやFeOが酸化または水酸化されたことを示している。これらの実験試料を回収しEPMA測定を行った結果、先行研究で報告されている高い濃度の窒素はMw中に検出されなかった。一方、窒素を含むFeOを試料とし、窒素を圧媒体に用いた実験では、酸化物相や水酸化物相は観察されなかった。窒素を含むFeOを合成条件よりも高い圧力で加熱したところ、FeO以外に、加熱前には存在しなかったNiAs型FeN高圧相が観察された。このことは、FeOの窒素最大固溶量が、圧力によって大きく変化することを示唆している。窒素を含むFeOを出発物質とし、圧媒体に窒素を用いることで、より高い圧力領域で窒素の最大固溶量を明らかにする実験を推進することができると期待される。