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[R3P-08]High-temperature, high-pressure stability of Fe-bearing magnesite in the presence of reducing C-H-O fluids and Fe content in the decomposition phase

*Hideaki KAWAMURA1, Hiroaki OHFUJI2, Yu NISHIHARA3 (1. RCAST, The University of Tokyo, 2. The University of Tokyo, 3. Geodynamics Research Center, Ehime University)

Keywords:

Carbonate,C-H-O fluid,Fe bearing magnesite,Ferropericlase,Diamond

炭酸塩鉱物は海洋地殻に沿って沈み込み,地表から深部マントルに炭素を供給する重要な炭素物質の1つである.特にMg炭酸塩のマグネサイトは,地球深部の幅広い温度圧力下において安定であり,マントル深部への炭素輸送を担う最も重要な炭酸塩であると考えられてきた[e.g., Isshiki et al. (2004); Solopoa et al. (2015)].近年我々は,主にCH₄とH₂Oから構成される還元性のC-H-O流体が存在する場合,マグネサイトの安定性が著しく変化することを見出した.本研究では新たにFeを含むマグネサイトを用いて,還元的なC-H-O流体共存下における高温高圧安定性の検討および分解相のFe含有量に着目した分析を実施した.

高圧実験は愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)に設置されたマルチアンビル高圧発生装置を使用し,出発物質としてオーストラリアZillertal産の含Feマグネサイト [(Mg0.864Fe0.128Ca0.005Mn0.003)CO3]とステアリン酸を用いた.ステアリン酸は高圧下で熱分解するとH2OとCH4を1:4のモル比率で生成する[Yamaoka et al. (2002)]ため,試料カプセル中で含Feマグネサイトと還元的なC-H-O流体を共存させることができる.実験は10 GPaおよび17 GPa,温度は800-1000℃で実施し,回収試料はAr+イオンビームを用いたイオン研磨により試料室断面を作成した後,微小部XRD,SEM-EDSによって回収試料の相同定および化学分析を行った.

回収試料分析の結果,含Feマグネサイトは,Feを含まないマグネサイトと同様に無水系と比較して安定性が大きく低下し,10 GPa, 17 GPaいずれの圧力おいても分解してFeを含むブルーサイトを生成した.17 GPa 1000℃の試料では,含Feマグネサイトの一部が溶融したことを示す急冷組織が観察され,未分解の含Feマグネサイト中にはFeとMgの不均質が生じていることも確認された.ブルーサイトのFe濃度には若干の不均質が存在し,急冷組織中のブルーサイトの樹状結晶は出発物質よりも高い値(Fe#~0.14)を示すのに対して,炭酸塩メルトと共存する固相として晶出したブルーサイト結晶では低い値(Fe#~0.08)を示すことが分かった.一方で,10 GPa,800℃では,含Feマグネサイトの溶融は確認されず,分解相のFe濃度は出発物質と比較して高く(Fe#~0.16)なっていた.この結果は,試料カプセル内の温度勾配に基づく,含Feマグネサイトの融解と分解で生じた流体とそれと共存するブルーサイト,さらには急冷時に生成したブルーサイトと分離した流体の間での複雑なFeの分配・濃集を反映しているといえる.まだ慎重に検討を進める必要はあるが,このような含FeマグネサイトとCH4に富んだ流体の反応によって生じるFeを含むブルーサイトは,最終的に脱水してフェロペリクレースとなると考えられ,天然の超深部起源ダイヤモンドに包有されるフェロペリクレースの幅広いFe含有量[Kaminsky (2012)]を説明する手がかりになる可能性がある.