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[R3P-19]Melting relationships of the Fe-N system under pressure

*Satoru URAKAWA1, Rin Ohnishi1, Yuki Shibazaki2 (1. Okayama University, 2. KEK)

Keywords:

light element,nitrogen,planetary core,iron melt,iron nitride

地球の軽元素存在度の見積もりから窒素は他の軽元素に比べ地球全体で枯渇していることが提案されてきた(e.g., Marty, 2012)。これは“missing nitrogen”問題と呼ばれ,地球深部の窒素リザーバーの存在が示唆されている。高圧下で還元的な条件において窒素は親鉄元素としてふるまうことから,形成期の核マントル分離過程でコアに分配されることが期待される。このような観点から鉄―窒素系の高圧相関係の解明は重要な課題となっている。Fe3NやFe7N3組成の鉄窒化物単体については融解曲線が100 GPa以上の圧力まで調べられているが(e.g. Kusakabe+, 2019),Fe–N系の融解関係に関する実験の報告1気圧でさえない。これは揮発性の高い窒素が高温で脱ガスするからである。われわれはマルチアンビル装置を用いた試料回収法実験と放射光X線その場観察から5 GPa付近でのFe–N系の相平衡関係を調べた。試料回収法の実験は岡山大学理学部の川井型マルチアンビル装置を用いて行い,回収試料の組織観察とEPMAによる化学分析から5 GPaにおけるFe–N系の融解関係を明らかにした。X線その場観察ではPFのキュービック型マルチアンビル装置を用いて7 GPa・1400 Kまでの条件でサブソリダス相の構造を調べた。出発試料にはα-Fe,とγ’-Fe4N,ε’-Fe3Nxの粉末混合物を用いた。X線その場観察から,N濃度10 at.%以下ではfcc構造のγ-FeNx固溶体がサブソリダス相であり,15 at.%以上ではhcp構造のε-Fe3Nx固溶体がサブソリダス相であると考えられる。いずれの相も窒素は鉄格子間の6配位空隙に存在する侵入型の固溶体である。ε-Fe3Nx固溶体は低温では窒素の長距離秩序構造による超格子反射が認められるが,高温では確認されなかった。試料回収法からは5 GPa・1800 Kでγ-FeNxとFe-Nメルトの共存が,1730 Kでε-Fe3NxとFe-Nメルトの共存が確認された。ソリダス-リキダスループは狭く,特にε-Fe3Nx側では固相と液相の組成差はほぼなかった。Speelmanns+(2018)は炭素を含む鉄合金メルトに溶ける窒素の最大溶解度を9 GPaまでの圧力で報告している。我々の実験で得られたε-Fe3Nxと共存するFe-Nメルトの窒素濃度は彼らの報告する最大溶解度とほぼ同じである。一方,我々の回収試料には彼らの実験で認められた窒素流体が抜けた穴は観察されていない。純粋な鉄メルトの窒素最大溶解度はSpeelmanns+(2018)の報告値よりも大きいと考えられる。