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[R4P-03]Ultramicrotomy-based sample preparation for retaining soft tissue and skeleton in juvenile coral polyps

*Satoko MOTAI1, Sana Yazaki1, Mami Nomura1, Saki Harii2 (1. Yamagata University, 2. University of the Ryukyus)

Keywords:

biomineralization,reef-building coral,ultramicrotomy,tissue,skeleton

【生物が形成する鉱物を生体鉱物(バイオミネラル)といい、その形成過程はバイオミネラリゼーションと呼ばれる。生体鉱物の中でも身近な例の一つが炭酸塩鉱物であり、造礁サンゴは熱力学的に常温常圧では準安定相であるアラゴナイトを形成して骨格をつくることがしられている。この骨格形成はサンゴ自体の生体活動に起因するが、共生する褐虫藻の光合成エネルギーがその形成を促進していると考えられている。このように、生体鉱物は生体活動の結果として形成されるため、バイオミネラリゼーションのメカニズムを理解するには、生体組織と生体鉱物(硬組織)の両者を関連付けて評価することが重要である。これまでの観察手法では、生体組織を除去して硬組織のみを観察するか、あるいは脱灰処理をして生体組織のみを観察するかであり、同一個体かつ同一平面内での観察は難しかった。生体組織と骨格組織の相互関係を正確に特徴づけるため、近年では、Cryo-FIB-SEMを用いて同一個体内の生体組織と硬組織をそのまま観察する試みもあるが、普及度が高くはなく分析機会は限られている。そこで本研究では、より汎用性が高い手法として生物分野で広く用いられてきたウルトラミクロトーム法に着目し、両組織を同時に保持した試料作製手法の確立を試みた。試料は、沖縄県瀬底島周辺で採取された造礁サンゴ(Acropora tenuis)を用いた。骨格形成前のサンゴ幼生にペプチド試薬(Hym-248)を添加して稚ポリプへと変態させ、石灰化を開始させ、1週間飼育した。サンプルの固定には、従来の生物試料観察法である化学固定法に準じ、一次固定にはグルタルアルデヒド、二次固定には四酸化オスミウムを用いた。樹脂包埋した試料は、ダイヤモンドナイフを用いてウルトラミクロトームにより超薄切片を切り出した。硬組織の脱灰を防ぐ目的から、観察像のコントラストを高めるための前処理である酢酸ウラニルやクエン酸鉛による電子染色は行わなかった。作製した試料のブロック面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、超薄切片は透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。ブロック面をSEMで観察した結果、反射電子像から各種細胞の形態、およびそれら細胞群と骨格との位置関係を明確に特定することができた。また、骨格と造骨細胞の間に空間が存在することを確認した。造礁サンゴの骨格形成はサンゴの生体部と骨格の界面で起きると考えられており、今回観察された空間は「石灰化場」である可能性が示唆される。次に、切片のTEM観察では、骨格の大部分が脱落していることが確認された。一方で、生体組織に関しては、電子染色を省いたため低コントラストではあるものの、褐虫藻や形態の異なる各種細胞層、および細胞小器官の微細構造が観察可能であった。このように、SEMから得られる細胞および骨格の分布情報と、TEMから得られる細胞内外の微細構造の観察結果を照合し、両者の情報を相補的に補完することで、同一表面上における軟組織・硬組織の疑似的な同時観察が可能になると期待される。