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[R5P-05]Chemical compositions and classification of CY chondrites

*Akira YAMAGUCHI1, Makoto Kimura1, Aiko Nakato1, Naoki Shirai2, Masaaki Miyahara3, Takaaki Noguchi4 (1. NIPR, 2. Kanagawa Univ., 3. Hiroshima Univ., 4. Kyoto Univ.)

Keywords:

meteorites,carbonaceous chondrites,chemical composition

CYコンドライトは、CIおよびCMコンドライトと同一、あるいは類似した前駆物質が水質変成を受けた後、さらに熱変成作用を受けた隕石と考えられている(e.g., Ikeda 1991)。近年、CYコンドライトは一つの化学的グループを構成する可能性が提案された(e.g., King et al. 2019)。一方、その後の研究では、CYコンドライトの一部は加熱を受けたCMコンドライト、あるいはCIコンドライトまたはその類似物質に相当することが指摘されており、その分類や形成過程については現在も議論が続いている。
 本研究では、Kimura et al. (2023)に引き続き、CYコンドライトの特徴を整理すると同時に、CI-like CY(Y-82162、Y-86029、Y-86737、Y 980115、Y 980134)およびCM-like CY(B-7904、Y-86720、Y-86789)について、組織観察および化学分析を行った。比較試料としてOrgueil(CI)、A 12085(CM2.8)、A 12236(CM2.9)を用いた。各試料について研磨薄片を作製し、FE-SEMにより組織観察を行った後、LA-ICP-MSにより68元素の分析を行った。分析面積は~0.2–1.7 mm²(分析質量~数十µg)である。なお、CMおよびCM-like CYコンドライトについては、マトリックス部分のみを分析対象とした。
 CM-like CYコンドライトは、コンドルールまたはそのレリクトを含む組織を示す。一方、CI-like CYには、コンドルールが認められない。CYコンドライトは硫化鉱物に富む特徴をもつことが報告されている(e.g., Suttle et al. 2023)が、Sのバルク組成については、CI-like CYとCIコンドライト、またCM-like CYとCMコンドライトの間に大きな差は認められない。一方、Mnなど、熱変成作用によって比較的移動しにくい元素の特徴に着目すると、CI-like CYとCM-like CYは互いに異なる化学組成を示し、それぞれ異なる母天体に由来する可能性が示唆される(Ebihara et al., 2025)。また、CYの2つのサブタイプの間にはO やCrの安定同位体組成に差異が認められる(e.g., Greenwood et al., 2023; Zhu et al. 2025; Schrader et al. 2025)。これらの特徴は、CI-like CYとCM-like CYが異なる前駆物質に由来した可能性を支持する。
 本研究のLA-ICP-MS分析では、従来のバルク分析で用いられる数十〜数百 mgに比べて分析質量が数桁小さい点に注意を要する。一方で、OrgueilおよびCMコンドライトのマトリックス組成は、ほぼCIコンドライト組成を示した。本研究で分析した隕石では、特にリン酸塩鉱物や炭酸塩鉱物の不均質な分布に関連して、P、Ca、REE、およびMnに比較的大きなばらつきが認められた。Zn/Mn比などは先行研究の値と概ね調和的であるものの、組織的不均質性に起因するばらつきが大きく、分類指標として用いることは難しい。
 一方、CI-like CYおよびCM-like CYのマトリックス部分において熱移動性元素(mobile elements)が欠乏している点は、先行研究の結果と調和的である(Paul and Lipschutz, 1990; Tonui et al., 2003)。本研究では、新たにY-86737、Y 980115、Y 980134について分析を行った。これらのCI-like CYも熱移動性元素に著しく欠乏しており、例えばMg-CI規格化Cd存在度は、それぞれ0.07、0.020、0.019であった。このような熱移動性元素の欠乏度から、これらの試料は数百度以上の加熱を受けたと考えられる(Paul and Lipschutz, 1990)。特にY 980115については、500–600°C以上の加熱を受けたとする鉱物学的証拠とも整合的である(Kikuchi et al., 2017)。熱移動性元素の分析結果は、本研究の分析質量が極めて小さいにもかかわらず、先行研究のバルク組成データと概ね一致する。これは、これらの熱移動性元素の多くが、モード組成で70–80%を占める層状ケイ酸塩鉱物、またはその分解生成物に主に含まれているためであると考えられる。