Presentation Information
[R8P-11]Spatial variation of olivine CPO in the Shibukawa ultramafic body, Sanbagawa Metamorphic Belt, Central Japan
*Seira Katagiri1,2, Katsuyoshi Michibayashi2,3 (1. National Institute of Advanced Industrial Sci. Tech, Geological Survey of Japan., 2. Department of Earth and Planetary Sciences, GSES , Nagoya University, 3. Volcanoes and Earth's Interior Research Center, IMG, JAMSTEC)
Keywords:
Sanbagawa metamorphic belt,Mikabu green rocks,Peridotite,Olivine,CPO
静岡県渋川地域には三波川変成岩類と御荷鉾緑色岩類が分布し, 御荷鉾緑色岩類のメンバーとして超苦鉄質岩体が産する. 渋川超苦鉄質岩体(Shioya et al. 2021)はダナイトおよびウェールライトを主体とする. 岩体周縁部の蛇紋岩の劈開は周囲の泥質片岩の片理とほぼ平行であり, 岩体境界も片理の走向・傾斜と調和する. また、岩体を覆うUpper unitの泥質片岩は周囲より低変成度(277–293±28℃)を示すものの, 片理や地質構造は周囲の泥質片岩と連続的である. このことから, 超苦鉄質岩体は泥質片岩中で主片理形成時にレンズ状〜シート状へ変形し, その上位には浅部由来・低変成度の泥質片岩が保存されたと解釈されている(Katagiri et al., 2025).本研究では、渋川超苦鉄質岩体北部において定方位サンプリングを実施し, 磁北方向を長辺, 東西方向を短辺とする薄片を作成して,ラマン分光分析とSEM–EBSD分析を行った. かんらん岩の主要鉱物組み合わせはカンラン石+クロムスピネル+単斜輝石+蛇紋石+磁鉄鉱である.カンラン石は自形〜半自形を示し、波動消光が認められる。クロムスピネルは弱い伸長性を示し、単斜輝石は他形で,ラマン分光分析によりダイオプサイドと同定された.EBSD分析では,全試料でかんらん石の [100]軸が単集中し,[010]軸および[001]軸は[100]軸に直交するガードル状分布を示し,D-typeの結晶方位定向配列(CPO)が確認された. さらに, [100]軸の集中方向は, 最北部から岩体中央部へ向かって, NE–SW方向から鉛直方向を経てN–S方向へと系統的に変化することが明らかとなった. D-Typeファブリックは一般に高応力・無水条件下で形成されることが知られている(Jung & Karato 2001). 一方,本地域の泥質片岩から推定された最高変成温度(277–354℃)は、カンラン石の結晶塑性変形によってCPOが形成される温度域より著しく低い. したがって,渋川超苦鉄質岩体のカンラン石CPOは,三波川変成作用以前に形成されたマントル起源の組織を保持すると考えられる.一方、 [100]軸の集中方向のみが岩体内で系統的に変化することから, 三波川変成作用に伴うレンズ状岩体の変形により、既存のかんらん石CPOが受動的に回転した可能性が示唆される.
