Presentation Information
[S3-03]The Reorientation Process of Crystallographic Preferred Orientation (CPO) in Olivine During Diffusion Creep
*KANATA TAKADA1, TAKEHIKO HIRAGA1 (1. ERI of the UTokyo)
Keywords:
Olivine,CPO,Diffusion creep,SPO
岩石の流動に伴うカンラン石の結晶軸選択配向(CPO)の形成は、上部マントルにおける地震波異方性を駆動する主因である。従来、CPOの発達は転位クリープに起因し、拡散クリープは既存のCPOを消失・ランダム化させると考えられてきた。しかし、近年の研究により拡散クリープ下でもCPOが発達することが示され、高温・低応力なマントルアセノスフェアにおける拡散クリープの重要性が指摘されている。一方で、変形履歴が拡散クリープ時のCPO進化に与える影響はこれまで実験的に検証されていなかった。本研究は、あらかじめCPOが発達したカンラン石集合体を用いて拡散クリープ条件下にて配向に対して異なる方向から応力を与える変形実験を行い、変形履歴が組織進化に及ぼす影響を解明することを目的とした。
出発試料として、フォルステライト(90 vol%)およびディオプサイド(10 vol%)の集合体を使用した。変形実験は、温度 1330°C、初期荷重約 80 MPaの条件下で、剪断変形を加えることで実施した。既存組織の結晶軸(b軸)と最大圧縮応力方位のなす角度を、45度(傾斜変形)および90度(平行変形)などの方位で圧縮を行った。実験前の試料にワイヤーソーを用いて溝を格子状につけ、その溝の変化から局所歪みを求めた。また、実験後の組織について電子後方散乱回折(EBSD)等を用いてCPO、および形態定向配列(SPO)の進化を定量的に評価した。
45度傾けた変形実験では歪みの増加に伴ってCPOが新たな応力方位へと整列するように回転する挙動が確認された。これは転位クリープによる先行研究と回転の傾向自体は類似しているものの、本研究の拡散クリープ下では結晶軸の集中度がほぼ一定に保たれるという特徴を示した。さらに、CPOの回転と同調してSPOも回転しており、これは動的再結晶を伴う転位クリープとは異なり、拡散クリープに固有の「剛体的な粒子回転」が卓越していることを支持している。
90度傾けた変形実験では既存配向の消失が確認された点で先行研究と類似していたが、転位クリープで見られるようなガードル組織の形成には至らなかった。
相当歪みに換算したCPO回転に必要な歪み量は最大で 0.55 であり、転位クリープと拡散クリープの間でCPO反転に要求される歪み量に実質的な差は見られなかった。
出発試料として、フォルステライト(90 vol%)およびディオプサイド(10 vol%)の集合体を使用した。変形実験は、温度 1330°C、初期荷重約 80 MPaの条件下で、剪断変形を加えることで実施した。既存組織の結晶軸(b軸)と最大圧縮応力方位のなす角度を、45度(傾斜変形)および90度(平行変形)などの方位で圧縮を行った。実験前の試料にワイヤーソーを用いて溝を格子状につけ、その溝の変化から局所歪みを求めた。また、実験後の組織について電子後方散乱回折(EBSD)等を用いてCPO、および形態定向配列(SPO)の進化を定量的に評価した。
45度傾けた変形実験では歪みの増加に伴ってCPOが新たな応力方位へと整列するように回転する挙動が確認された。これは転位クリープによる先行研究と回転の傾向自体は類似しているものの、本研究の拡散クリープ下では結晶軸の集中度がほぼ一定に保たれるという特徴を示した。さらに、CPOの回転と同調してSPOも回転しており、これは動的再結晶を伴う転位クリープとは異なり、拡散クリープに固有の「剛体的な粒子回転」が卓越していることを支持している。
90度傾けた変形実験では既存配向の消失が確認された点で先行研究と類似していたが、転位クリープで見られるようなガードル組織の形成には至らなかった。
相当歪みに換算したCPO回転に必要な歪み量は最大で 0.55 であり、転位クリープと拡散クリープの間でCPO反転に要求される歪み量に実質的な差は見られなかった。
