Presentation Information
[S3P-01]Grain-based versus area-weighted olivine CPOs
*Kazuki Matsuyama1,2, Miki Tasaka3, Lars N Hansen4, Katsuyoshi Michibayashi1,5, Takehiko Hiraga6 (1. Nagoya Univ., 2. Univ. Montpellier, 3. Shizuoka Univ., 4. Univ. Minnesota, 5. JAMSTEC, 6. UTokyo, ERI)
Keywords:
Olivine,Crystallographic preferred orientation (CPO)
上部マントルのかんらん岩は、長時間にわたる固体流動によってカンラン石の結晶方位定向配列(CPO)を形成し、地震波異方性を生じる。近年、SEM-EBSDを用いたCPO解析では、各結晶粒を一つのデータとして扱う grain-based CPO と、測定点数に基づき結晶粒の面積・体積寄与を反映する area-weighted CPO の二つの表現が用いられる。しかし、これらの違いが地震波異方性の評価や変形機構の推定に与える影響は十分に検証されていない。本研究では、拡散クリープ、転位クリープ、および両者の遷移領域で変形した実験試料に加え、天然かんらん岩捕獲岩の既存EBSDデータを再解析し、grain-based CPO と area-weighted CPO から弾性テンソルを計算した。さらに、P波異方性、Vp–Flinn diagramに基づくFabric Index Angle(FIA)、およびS波異方性を表すN/L、G/Lを用いて、CPO表現、粒径、変形機構の関係を比較した。
解析の結果、拡散クリープおよび転位クリープの試料では、grain-based CPO と area-weighted CPO から得られる異方性指標に大きな差はなく、CPOの幾何学的特徴もほぼ一致した。一方、拡散+転位クリープの試料では、area-weighted CPO が grain-based CPO よりも系統的に大きな異方性を示した。粒径別にCPOを解析すると、粗粒なカンラン石ほど強いP波異方性および転位クリープ的なCPOを示し、細粒な結晶はより弱いファブリックを保持することが明らかとなった。この傾向は、同一多結晶体中において粒径に応じて変形機構と歪みの蓄積が分配され、粗粒結晶が転位活動をより強く記録することを示唆する。
天然かんらん岩捕獲岩では、実験試料に比べてばらつきが大きいものの、粗粒結晶ほど強い異方性を示す傾向が認められた。この特徴は、天然試料のカンラン石CPOは単一の変形機構を直接反映するのではなく、粒径の異なる結晶群が経験した変形履歴を統合した情報であることを示唆する。本研究は、grain-based CPO と area-weighted CPO の比較、および粒径別CPO解析が、上部マントルの変形機構、微細組織発達、地震波異方性を結びつける有効な手法であることを示す。
解析の結果、拡散クリープおよび転位クリープの試料では、grain-based CPO と area-weighted CPO から得られる異方性指標に大きな差はなく、CPOの幾何学的特徴もほぼ一致した。一方、拡散+転位クリープの試料では、area-weighted CPO が grain-based CPO よりも系統的に大きな異方性を示した。粒径別にCPOを解析すると、粗粒なカンラン石ほど強いP波異方性および転位クリープ的なCPOを示し、細粒な結晶はより弱いファブリックを保持することが明らかとなった。この傾向は、同一多結晶体中において粒径に応じて変形機構と歪みの蓄積が分配され、粗粒結晶が転位活動をより強く記録することを示唆する。
天然かんらん岩捕獲岩では、実験試料に比べてばらつきが大きいものの、粗粒結晶ほど強い異方性を示す傾向が認められた。この特徴は、天然試料のカンラン石CPOは単一の変形機構を直接反映するのではなく、粒径の異なる結晶群が経験した変形履歴を統合した情報であることを示唆する。本研究は、grain-based CPO と area-weighted CPO の比較、および粒径別CPO解析が、上部マントルの変形機構、微細組織発達、地震波異方性を結びつける有効な手法であることを示す。
