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[1L04]Access to Higher Education for Refugees in Malaysia:
Interviews with Higher Education Institution Staff and a Young Refugee

*Seiko KANEKO1 (1. Toyo University)

Keywords:

Education for refugees,Learning center (LC),Enrollment in higher education,Malaysia

1. 研究の背景と目的
 UNHCRによればマレーシアは19万人を超える難民を受け入れており、東南アジアでは最大の受け入れ国となっているが、難民の子どもたちは公教育へアクセスできない。難民の子どもたちが唯一アクセス可能な、NGOや財団等の支援する非正規の学習センターは、初等教育のみ提供している場合が多い。多くの難民の子どもたちは、最低限の読み書き計算を身に着けると、男子は働き、女子は結婚して家事・育児に従事することが多いためである。親が教育に対して無理解であることも一因である。
 UNHCRは15by30を掲げ、2030年までに難民の高等教育就学を3%から15%まで上げることを目指しており、2023年には7%まで上昇したものの、達成までの道のりは遠い。マレーシアの場合、初等教育の就学率は44%、中等教育は16%となっており、世界の難民と比べても厳しい状況であることが分かる。そのような状況の中でも、マレーシアで難民が高等教育に就学する道はあるのかどうか、本研究では、難民を受け入れる高等教育機関と、高等教育へ就学しようとする難民の双方の視点から明らかにすることを目的とする。

2. 調査方法
 マレーシアの高等教育機関は、以前は難民を多く受け入れていた時期もあったが、現在はその門戸はかなり閉ざされている。とはいえ、全くゼロになったわけではない。この状況下で難民を積極的に受け入れるA大学の関係教職員、そして高等教育就学を目指す難民の若者へのインタビューを実施する。

3. 調査結果
 A大学へのインタビューの結果、広く公表はされていなくとも、難民を受け入れ、奨学金を提供している大学があることが分かった。難民の若者へのインタビューからは、経済的障壁と滞在資格が高等教育就学を妨げているが、様々な情報やネットワークを駆使して就学継続を目指す戦略を見出すことができる。

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