Presentation Information
[1M06]Practice and Challenges of Worker Cooperatives in Urban Kenya: Between Market Demands and Cooperative Work
*Tomoko ICHIYANAGI1 (1. Tokushima University)
Keywords:
Kenya,Worker Cooperative,Cooperative Work,Democratic Management,Development Aid
1. 研究の背景と目的
本研究は、ケニアにおける労働者協同組合が、経済的要請(事業性)と「組合員が出資し経営し労働する」という基本原理(運動性)との間に生じる緊張をいかに経験しているか、日常の運営上の課題を明らかにすることを目的とする。労働者協同組合はケニアの協同組合運動において新しい形態であり、2019年から2024年にかけて、米国国際開発庁(USAID)の支援を受けた国際NGOの協同組合開発プログラムにより、約10の労働者協同組合が設立された。しかしながら、2025年1月の第2次トランプ政権発足後、USAIDによる支援が突如停止され、ケニアの労働者協同組合も大きな影響を受ける事態となった。本研究は、この状況下で活動を継続するナイロビ市内の廃棄物収集・リサイクル事業を行う労働者協同組合を事例として、組織運営の実態と課題を検討する。
2. 研究方法
研究方法は事例研究を採用し、2025年8月に現地調査を実施した。直接観察、インフォーマル・インタビュー、半構造化インタビュー、および活動の映像記録を通じてデータを収集した。調査では、組織構造や運営実態、意思決定の方法、外部支援組織および地域社会との関係、組織運営上の課題に焦点を当てた。
3. 得られた知見(暫定的な考察)
調査の結果、支援停止により協同組合間の会合が途絶え、連携が希薄化したことが確認された。事例組織では民主的管理の実践に難しさがあり、新規組合員に出資制度の理解が浸透していない課題も見られた。一方で、社会的ネットワークを活用し、地域の住民組織や政府機関との関係を強化して信頼と持続性を高めようとする動きも観察された。ケニアでは労働者協同組合が雇用創出やサービス提供を通じて地域に貢献するモデルとして期待されているが、その数は少なく、今後ケニア社会に定着していくかどうかはまだ見通せない。
本研究は、ケニアにおける労働者協同組合が、経済的要請(事業性)と「組合員が出資し経営し労働する」という基本原理(運動性)との間に生じる緊張をいかに経験しているか、日常の運営上の課題を明らかにすることを目的とする。労働者協同組合はケニアの協同組合運動において新しい形態であり、2019年から2024年にかけて、米国国際開発庁(USAID)の支援を受けた国際NGOの協同組合開発プログラムにより、約10の労働者協同組合が設立された。しかしながら、2025年1月の第2次トランプ政権発足後、USAIDによる支援が突如停止され、ケニアの労働者協同組合も大きな影響を受ける事態となった。本研究は、この状況下で活動を継続するナイロビ市内の廃棄物収集・リサイクル事業を行う労働者協同組合を事例として、組織運営の実態と課題を検討する。
2. 研究方法
研究方法は事例研究を採用し、2025年8月に現地調査を実施した。直接観察、インフォーマル・インタビュー、半構造化インタビュー、および活動の映像記録を通じてデータを収集した。調査では、組織構造や運営実態、意思決定の方法、外部支援組織および地域社会との関係、組織運営上の課題に焦点を当てた。
3. 得られた知見(暫定的な考察)
調査の結果、支援停止により協同組合間の会合が途絶え、連携が希薄化したことが確認された。事例組織では民主的管理の実践に難しさがあり、新規組合員に出資制度の理解が浸透していない課題も見られた。一方で、社会的ネットワークを活用し、地域の住民組織や政府機関との関係を強化して信頼と持続性を高めようとする動きも観察された。ケニアでは労働者協同組合が雇用創出やサービス提供を通じて地域に貢献するモデルとして期待されているが、その数は少なく、今後ケニア社会に定着していくかどうかはまだ見通せない。
Comment
To browse or post comments, you must log in.Log in
